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【鶴城松之助さん企画】戦ゼロ、ゾンビだらけの世界でシンデレラ。

こちらの企画に参加しました〜💕
書いてるうちに・・・方向性変わってしまいました。(ノ≧ڡ≦)☆

シンデレラ舞踏会後の日常から始まる物語

舞踏会から数ヶ月後の10月31日。

何やら外が騒がしい。村人が騒いでいる。
シンデレラ「お祭りか何かかしら?それにしてもお祭りにしてはいつもよりも騒ぎすぎだわ」と村人の行き交う通りを窓を拭きながら見た。


村人「ギャーっ」

シンデレラはギョッ魚っとした。

不振な動きをする村人が村人の上に覆い被さり、いつの間にか通りには不振な動きをする村人しか居なくなっていた。
あたりは静まりかえる。

シンデレラは身の危険を感じ咄嗟に鍵を閉め、よくわからないものを見た恐怖に屋敷の隅で縮こまっていた。

どれくらい経っただろうか?
気づけば朝となっていた。いつもと変わらぬ朝なのに、シンデレラを怒鳴り散らす継母も姉様達もいない。

シンデレラは昨日の出来事が夢だという希望を抱きながら、静かに窓の外を覗こうとした。

「ギャーギャー!」誰かの悲鳴声が聞こえる。

外を見ることをやめ、自室のある半地下へと潜る。

夢ではなかった。バクバク動く心臓が危険だと訴えている

部屋は石造りで窓は牢獄の様な柵のあるものがひとつだけだ。備蓄用の貯蔵庫が横の部屋とはとてもありがたかった
数日間をそこで過ごした。

自室の窓から外を見る。
昨日から悲鳴がら聞こえない。

いつまでここにいたら良いのだろうか?
これは・・・終わるのだろうか?

恐怖の生活に疲れてきていた。
なんのために・・・ここにいるのか?
なんのために・・・隠れているのか?
なんのために・・・生きているのか?
そんな感情も湧き上がってきた。


それでも今置かれている状況はどんなものか、少しでも安心を得たいがために、格子付きの小さな窓から外の様子を見る。

・・・穏やかだった。

1人のゾンビが目に入った・・・他にはいないようだ。朝だからか?
そのゾンビは、

ヨロヨロと歩いて一つ一つの家を回っている。

「怖いっ」そのうち来る・・・

そのゾンビが振り返った。何か抱えていた。格子付きの窓から見えたのは・・・

・・・・・舞踏会で置き去りになったガラスの靴。

シンデレラは驚愕した。
あの時の王子様だったからだ姿は変わってしまったが・・・紛れもなく王子様であった。
靴の持ち主探しをしていると噂では聞いていたが、まさかゾンビになった今もとは・・・。

シンデレラは、嬉しく感じた。もし、違ったとしても、王子様がゾンビであろうとも、ただ嬉しく感じた。だが・・・・・・

きっとこの家にも来るだろう・・・
恐怖が、刻一刻と近づく。

シンデレラはバクバクしている心臓に手を置き考えた。
先の希望すらない今・・・
近づけばゾンビになるだろう。
近づかなければ王子様は彷徨い続けるだろう。

何を考えているかすら忘れそうだ。

その時ドアをノックするような音が聞こえた。

シンデレラは覚悟を決めた。
ゾンビになって共に生きると!
このまま知らない人にゾンビにされるよりも!!

ドアを開いた。
有難いことに一体にはゾンビはいない・・・いや、居たとしても関係ない、直ぐに仲間になるのだから。
だが、恐怖に少し後退りをしてしまう。後退りに合わせて、部屋の中に王子ゾンビが入って近づいてくる。

手の届く範囲に入り、シンデレラは目を瞑った。
散々みてきた。村人が噛まれた場面を窓から、私も・・・・・・痛いのだろうか?

カタン・・・。

「・・・ん?まだ?
・・・え?まだなん?
・・・もしや、もうなったん?」
と、シンデレラは思った。

シンデレラは耐えきれず目を開ける・・・

王子ゾンビは大切に抱えていたガラスの靴をシンデレラの前に置いていたのだ。
履いてみてと訴えている・・・ように見える。

「あぁ、まだ目的を達成してないから噛まないだけなのかしら?」シンデレラは思った。

再び気合いを入れ・・・

シンデレラは足をガラスの靴へゆっくりと沈ませながら、目的を果たしたら次こそは・・・。と、再び覚悟と共にシンデレラはそっと目を閉じた。

「・・・ん?また?
   ・・・まだ?
   ・・・今度は何っっ?」
シンデレラは少しイラつきながら目を開ける。

驚いた。


そこに居たのは、涙を流している王子ゾンビがいた。
ゾンビも泣くのか・・・・・。

突然遠くから悲鳴声が聞こえてきた。無意識でシンデレラは家の扉を静かに締め鍵を掛けた。
王子ゾンビは室内にいるままだ・・・

泣き終わった王子ゾンビとシンデレラはずっと対面したままだ。ポケットに入れたままの固くなったパンを食べ過ごす。

王子ゾンビは変わらなかった。時折苦しそうにもがくぐらいだ。そういう時の王子ゾンビの行動は、シンデレラから離れていく。

「ゾンビにしてもいいのに・・・」シンデレラはつぶやく。

シンデレラはいつでもゾンビになる覚悟はついている。この世界は終わったのだ。それならば、いっその事ゾンビになった方が幸せになれそうな気がしたのだ。

だが、王子ゾンビはシンデレラをゾンビにしてくれない。それでも生活は楽しく感じた。
ゾンビと共存、だが、永遠には続かないだろう。

外を眺めていた。ゾンビの生態を観察していた。
シンデレラは夜は微動だにしないようにした。昼間に静かに動き、固くなった上にカビ始めているパンを食べる。少しずつ悪臭を放ち始めた水も、そろそろ尽きる。

不思議なゾンビを発見した。
木陰になっている所に昼夜問わず微動だにしないゾンビ。空を見ながら、ずっと立っていた。
毎日見ていたら、気がついたら、ゾンビが増えている。皆、同じように空を見ていた。

数日間を王子ゾンビと過ごしたせいか、ゾンビに対する感覚が麻痺していて、ゾンビにさえなりたいと願いまで持ち始めたシンデレラは、そのゾンビの集団に近づこうと思ったのだ。

複数の窓から外を確認する。
久しぶりに外に出た。
静かに・・・歩みを進める。
これから無事でいられるかはわからないが、木陰のゾンビのいる近くまで来れた。
木陰のゾンビは・・・異国の地からきたであろうな身なりをしていた。以前何かで聞いたことがある。異国の神父様みたいなの・・・そう、僧侶様!

数歩の距離にきても、僧侶ゾンビもその周りのゾンビも微動だにしない。ましてや、こちらに目を向けもしない。


なぜ・・・・・・!!!( ゚д゚)ハッ!!!!
シンデレラは気付いた。
王子ゾンビ、僧侶ゾンビともに人だった頃のままに今もいるんだ!
王子ゾンビはガラスの靴の持ち主と会いたいとあう、その欲が1番だったのだろう。
僧侶ゾンビは欲がもう無いのだろう。
周りにいるゾンビも・・・素直な心のままの欲を出してこの行動なのだろう。

ここでもゾンビになる事が出来なかった。

その間にはゾンビが数体やってきた。ゾンビになることすら覚悟しているシンデレラにとってはどうでもよかったのだが、ゾンビ王子が身内であるゾンビを数体をやっつけるという行動をとったため、シンデレラは、まだ人だった。

「(・д・)チッ」

シンデレラは少しずつ普通の生活に戻した。

襲ってくるゾンビは王子ゾンビがやっつけた。

いつの間にか、村にいるゾンビは空を仰ぐ温厚なゾンビしか居なくなっていた。

その中のゾンビは動くようになった。
やりたい事を見つけたかのように、同じ動作を繰り返す。
同じ所しか畑を耕さないゾンビ。
同じところをいつも散歩するように徘徊しているゾンビ。
人が助けを求めこの村へやってきた時も襲うことは無かった。

彼らはゾンビになりながらもありのままの魂であることを目指したのだっ!

いつの間にかゾンビ住人は増え、人も増えた。

村を囲う塀を立てた。
同じ動作をするゾンビは有難いことにまるで機械のように動いてくれる。

数年がたち・・・
村は人とゾンビが共存する都市となっていったのだった。
そして、シンデレラと王子ゾンビお城で暮らしましたとさ。

めでたし〜めでたし〜(*´ω`*)

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戦ゼロ・・・戦闘力ゼロ。が、話を書いてるうちに
頭の中で戦がゼロに変換されておりました。

今回、ゾンビについてすごい考えていました。
肉体も脳も腐敗していて・・・何が欲になるのだろう?などど考えてしまいました〜🤣

思考がないなら心の欲求まんまにだすのだろうな〜と考えながら書いていたら、人とゾンビ共存という平和になっちゃいました〜(笑)


初めての完全創作です。
どうぞよろしくお願いします〜☺️


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