見出し画像

「こころ、揺れる」 - 要注意!! あなたのnoteはどこまでがあなたの意見?

自分が大学院にいた頃、従来のメディアに加えて、social mediaと呼ばれるサービスが海外を中心に始まった。

大学時代、菅谷明子さんというジャーナリストの先生の授業で、初めてメディア・リテラシーというコンセプトを聞いて、大変ハッとさせられて、勉強になったのを昨日のことのように覚えている。詳しくはリンク先や著書を読んで頂ければと思うが、要点をbullet pointにまとめると、

・民主主義においては、司法・行政・立法の三権分立が大切なコンセプトだが、メディアが監視機能や世論形成等の機能を果たすことが重要(第四の権力と呼ぶ人もいる)。

・ただし、あらゆるメディアが、その送信者の考え方や思想に基づいて作成されており、何らかのメッセージを伝え、何らかの方向に意見を誘導する形で作成されている。

・しかし、ほとんどの受け手は、メディアの浸透に伴い、その信用性やバイアスに気付かずに妄信してしまう傾向が強い。また、複数のメディアを比較することもないため、自分があくまで中立の立場にあると信じてしまう傾向がある。

・メディアの情報についても、そのまま事実と受け入れることなく、批判的に捉えて、事実と意見の区別を試みることが重要 etc.

ここまでが、当時大学の授業で聞いた内容だが、今や、SNSが一般化し、多くの人の生活に浸透し、そして多くの人の生活を侵食している。そして、メディア & social mediaに対するリテラシーの重要性は、更に高まっていると感じている。

自分自身は、以前研究をしていたり、また仕事内容が情報に対する依存度が極めて高いものであり、この点については、かなり意識している。

・あらゆる情報は、情報自体の価値とは別に、切り口やまとめ方、タイミングや、一緒に流す情報、更には情報発信者の発言力を受けて、重要性や影響度が異なったものになる。

・意見に着目しても、送信者に賛同や反対をする人たちの意見(リツイートなど)を含めて、何度も伝達がなされ、加工や変更・脚色がなされ、加速度的に意見が積み重なる。

・これが何度も重なると、もともとの情報の発信者の意図を超えて、独自の意見となりうる。


自分自身が、こういった情報を受けてとった行動が、情報が間違っていたり操作されていたために、期待した結果に繋がらなかった経験も多々してきたこともあるが、皆さんも今一度、下記の点を自分自身に問いかけて欲しい。

・あなたが自分自身の意見と思っている意見は、数分前にどこかで見た、根拠や情報ソースもはっきりしない、誰かの意見の反復や不完全コピーになっていないか?

・メディアやSNSでの引用は、本当に原典の意図や意見を反映しているか、原典をあなたの目で確認したか?

・その内容は、いつ、どのように発信されたものか。


こう読んでいくと、私のこのnoteも、そのままの形で受け入れられるものではない、という風に受け取ってもらって欲しい。

・菅谷先生のレクチャーを受けたのは2000年代始めの頃。

・彼女のレクチャーは数回講義を受け、著作を拝読した程度で、今回のnoteを書くに際して読み直したわけではないため、かなり私が印象的だと思っている部分に限定されていると思われる。

・SNSについて触れた部分以降は、私が今の自分の意見と思って書いたものだが、きっと、どこかで読んだ意見の影響を強く受けていると思われる。


noteを初めてまだ半年も経っていないが、どこかであなたも聞いた誰かしらの意見ではなく、それらにヒントや気付きをもらったとしても、それをきっかけとして自分なりの視点で考えをまとめて、少しでも価値のある、自分自身の意見やメッセージを伝えられるように、続けていきたい。

それが難しい、価値を提供できない、と思ったら、いつでも方向転換もしくは発信停止をすることを含めて考えていきたい、と思う。

お忙しい中、いつもお読み頂きありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?