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夢幻鉄道 水本小春 編
この小説は絵本作家にしのあきひろさんの絵本「夢幻鉄道」の二次創作物です。
私の好きなもの。
ピンクがかったオレンジの夕陽
金魚柄の浴衣
夏の潮風
ひなちゃんの家のベランダからの景色
夏のもぎたてのキュウリ
高校生になった今も変わっていない。
あの頃から。
小学校5年生の夏休み。
日向子ちゃんの亡くなったおばあちゃんの家に泊まりに行った。
当時、私は母から借りた「夢幻鉄道」の小説にハマって
小説 『夢幻鉄道』 (改訂版)
この小説は絵本作家にしのあきひろさんの今後出版予定の絵本「夢幻鉄道」の二次創作物です。
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夏休みが明けたばかりの9月。
転校生が来た。席は僕の隣。
先生から「海野、教科書を見せてやれ。」と言われた。
真栄田さんは当たり前のように自分の机を僕の机に近づける。何人かの男子が一瞬ニヤついたのを感じた。気付かないふりをした僕は、机の境界線ギリギリで教科書を広げ