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流行りの異世界転生ではないけれど、少しだけ違う世界への扉につながる本の話

何を読んだらいいかわからない、と言ったあなたへ、私の好きな本の話をしよう


子供のころによく読んでいたのは、いわゆるファンタジーと呼ばれるジャンルでした。おとぎ話から派生していくと、子供の本にはそういうものが多いのもあるのかな。
でも、大人になっても、少しだけ違う世界というか、時空間の違う感じの話も好きなままです。
今は異世界転生ものが大流行ですが、それとは違う、でもちょっと違う世界への扉が開かれるような本の話をしたいなと思います。

しばらく耳を傾けるうち、それこそが、わたしのずっと長いこと聞きたいと願っていた声であることに気が付いた。私の意識のずっと底の方にあった声。本当に「静かな声」。

「その静かな声 No0334406」フィンガーボウルの話のつづき 吉田篤弘.

吉田篤弘さんは「クラフト・エヴィング商會」という名義で、奥様の吉田浩美さんと一緒に著作やデザインをされている方なんだけど。
そもそもそのクラフト・エヴィング商會の本との出会いが衝撃だった。ちょっと違う、空間のズレている感じの世界の本で、楽しいし美しくて。

例えば「ないもの、あります」という本。

「堪忍袋の緒」とか売ってるのよ?大昔、怒りんぼの私がどれだけほしかったことか!!

そういう、やさしいファンタジーというかドラえもん的なちょっと違う世界って、なんだか日本と相性がいいような気がするのは、藤子不二雄さんのおかげなようにも思うよね。

吉田さんがソロで小説を書かれていく中でも、現代のようなちょっと違うような舞台のお話が多いように思う。浮世離れしているような、でも2軒隣のお部屋で普通に存在しているような、そんな世界。
だって、2軒隣の人が、実はお風呂に入るときに「シシリアンソルト」を入れて、その感じを試しているかもしれない、って、あり得そうでしょう?その「シシリアンソルト」がどういう塩なのか、は、別として。

いくつも好きな本はあるんだけど、「フィンガーボウルの話の続き」は大好きな本の一つ。ビートルズの「ホワイトアルバム」というLPレコードを巡って、いろんな話が出てくるのだけれど。
その中でも「その静かな声」という章は、旅の途中にラジオで聞こえた静かな静かな女性の声を探す話。一人旅でどこともわからない土地、そしてラジオだなんて、もう私の中では何か「大好きだー!」って、声にならない声で叫びたいほどに盛り上がるものがあるのよね。

いつか私もそんな一人旅をしてみたいな、と思ってみたりする。
あなたは旅は好きだったっけ?
今度、旅で訪れて好きになった場所の話があったら、ぜひ聞いてみたいな。
ではでは、またね。

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