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何度も何度も読んでるけど、内容をしっかりハッキリは覚えていない本の話

何を読んだらいいかわからない、と言ったあなたへ、私の好きな本の話をしよう


6月なのに、とか、梅雨に入った割に雨が降らずただ暑い、とか、暑いことをブツブツ呟いてしまいそうな今日この頃ですが。
言っても涼しくならないので、しばらく「暑い」は封印です。せめてその気持ちで。

このすばらしき本が、すでにほぼほぼ古本か電子書籍でしか入手できないことが、本当に残念でなりません。あー、まだ電子書籍で買えるのは大変マシではあるのですけれども。
私にとっての師匠、多分フォースを教えてくれた本の一つであり、導きの書であり、読んでいるだけで精神を安定する本であります。それでいて、何度読んでいても詳細まではほぼほぼ覚えていないという、大変に弟子落第な本でもあります。

この本は、森本哲郎さんが「ことばの森」を旅して見つけた「ことばの木」、「その木に寄せる森本さんのイデア論」だと言います。
※イデアについては、プラトンの哲学に出てくる言葉ですので、ぜひ検索などしてみてください。
ざっくりいうと、原理、原型のようなものです。

たくさんの言葉が並んでいます。
哲学から小説、シェイクスピアの脚本のセリフ、中国の漢詩、日本の和歌から、例の「春はあけぼの。」まで、いろいろです。
それらの言葉を、森本さんなりの解釈と解説で語っているのですが、私はそれらを読んでいると、不思議と心が落ち着くのです。
その時に何となく気になった言葉の章を読みやすい、というのも、こういった本の素晴らしい点でしょう。

森本さんの言葉は、私にはとても柔らかく、心地の良いものです。
他にも旅を綴った本が出ていますが、それらはふた昔前くらい、なかなか海外のいろいろなところに行くのは大変だった時代の、旅のあれこれも感じられます。
それもなんだか味があります。

このシリーズは6巻まで、続きのような本がもう一冊あります。
私は1巻は初めにリンクした矢吹申彦さんの絵の文庫本に加え、切り絵の美しい単行本を古本で買って持っていたりもします。
本を持っているだけで幸せな本がいくつかありますが、その一つ。

森本哲郎さんを初めて知ったのは、確か教科書でした。
東山魁夷さんと森本哲郎さん、中谷宇吉郎さんと出会わせてくれた教科書は、私にとっては一生恩のある存在だったりします。

綴られた言葉を読んでいるだけで、何だか幸せになれる。
そんな本に出会えた私は、やはり幸せなのだろうと思うのです。


それにしても、何度も読んでてもいまいち覚えてなくても、なんか幸せって不思議だよね。
あなたはそんな出会いはあるかな?本でも、映画でも、音楽でも、人でも何でも。
これからもお互いに、素敵な出会いがあるといいよね。

ではでは、またね。

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