春に読みたい本の話
何を読んだらいいかわからない、と言ったあなたへ、私の好きな本の話をしよう
春になりました。
桜はかわいいよね。大好き。
あるアニメによると、桜の花びらが落ちる速さは「秒速5センチメートル」なんだって。
タイトルは覚えていたけど、何の速さだったかは、この前、映画館で再び教えられました。
漫画もアニメも、もちろん小説も、私に教えてくれたこと、たくさんあるよね。
さて、春になったので、春に読みたくなる本の話をしたいな、と思いました。
辻村深月さんの「光待つ場所へ」は、いくつかの短編が入っているのだけど。
その中でも、「しあわせのこみち」がとても好き。
私は「天才ゆえの苦労」とか「持つものならではの苦悩」とかはね、本当にはよくわからない。
でも、誰でもね、多少なりとも持っている人にはわからないことがあると思うんだ。
センスよくお洋服が選べる人だったり、
ちょっとカラオケがうまかったり、
少し要領良くお仕事を回せる人だったり、
お金を稼ぐのが上手い人だったり、
お料理が上手だったり、
犬や猫に圧倒的に好かれる人だったり。
なんでもあると思う。
持てるものにはわからない持てざるものの苦しみがあるように、持てざるものにはわからない持てるものの苦しみがある、ってことはね。
何にでもあるんだよね。
この短編を読むと、自分の傲慢さも、自分をあなどりすぎなことも、何でもごちゃ混ぜで自分って生きてるな、って思う。
ある意味で、自分には全部あるんだよなって、思い直す。
欠けているところも、「在る」。
これを例えば10代に読んだらどう思うのかな?と思ったりすることがある。
そればかりは、もうできないことだから。
今はもう、欠けているものが或ることも、自分が割と得意なことも、どちらもあるって理解している。
でも、この話を読んだりすると、急に何か心に迫ってくるものを思い出したり、もする。
それこそ引用した文のように、急に身体を鷲掴みにするような感情に襲われることも、ある。
そんなことも楽しみながら、生きていきたいんだよね。今の私は。
あの頃のあなただったら、これを読んだらどう思うのかな。どこに心を動かされるかな。
そんなおしゃべりもしてみたかったね。
ではでは、また書くね。
追伸
桜の花びらが落ちる速さはこちらを。
ま、有名だよね。
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