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一度きりの人生の歩み方 先に生まれた人から学ぶ孤独と不安

人生は一度きり
だから、自分がこの先どのような人生を歩むのか
大抵の人は知りません。

60代の患者さんが
歳を取るってこういうことかーって
親の言っていたことがわかるようになってきた
とおっしゃっていました。

誰もが歳を取る
でもそれによってどうなるか、自分の心身にどういうことが起こるのかは
誰もわからないのです。


皆老いる。でも同じじゃない

私は祖父母と過ごした記憶がほとんどないので
この仕事を始めた頃には祖父母の世代の人との接し方がわからず
モジモジしていました。

あまりにもタメ口で馴れ馴れしく接する医療・介護従事者を見て
不快に思うこともありました。

今の自分はどうか…
相手によって違います。

私に対しても丁寧にお話しする方もいらっしゃれば
ざっくばらんに年下の者に接するようにする方もいらっしゃいます。

先生と呼ばれたり
名前で呼ばれたり
あなたと呼ばれたり
それぞれです。

それが「人と人」が接していくおもしろさ、人柄、個性であると思うので
接する人によってキャラが変わるのも当たり前で自然なことです。
私にとっては。ただ、他人から見たら同じように不快に思われるのかもしれません。

そんな、祖父母世代の、性格様々な方たちと話していても
共通して話題に上がるのが
老いることへの不安と孤独です。

・自分の身体がどうなってしまうのか
・今まで当たり前にできていたことができなくなる
・周りにいた人たちがいなくなる


身体のこと、老化のメカニズムは、勉強すれば医学的にも一般的にも説明することはできます。
自分より先に生まれた人の話(著名人の書籍や身近な人の言葉など)を参考にする方法もあります。

ただ、実際に経験し感じる不安は本人にしかわかりません。

・この痛みはいつまで続くのか
・もう戻らないのか
・まだ働いていないと生活ができないのに

・好きだった旅行ができなくなる
それどころか
買い物、美容院、通院などの生活に必要な外出もだんだんとキツイと感じるようになる。

高齢者の孤独と不安

私の患者さんたちは皆、自分の子供がいます。
別居、同居、仲良し、不仲といろいろありますが
すっかり一人きりという方はいらっしゃいません。
それでも「さみしさ」は感じるのです。

これから先の世代は、子供や孫と暮らせる、たまにでも会えるという人は減っていきます。


徒歩で数分の範囲にお友達はいますか。
電車に乗らないと会えない友だち、家族とは
だんだんと会えなくなります。

インターネットが使える世代の人にとっては
そんな自分の未来は想像がつかないかもしれませんが
コロナ禍で感じた不満やストレスに似た不自由さを常に感じるようになるでしょう。


高齢者の孤独とは、
配偶者がいないとか
友だちや家族と会えないという
「1人」ということだけでなく

「自分が今までできていたことができなくなること」
も含まれると思うのです。

みんながみんな、体操教室やデイサービスに行くことが楽しいわけでもない。
元々ひとりが好き、だからさみしくない、という人ももちろんいると思いますが

・気晴らしに出かけたいのに膝や腰が痛い
・何をするにも時間がかかるようになる
・億劫になる
・家事をしなくちゃいけないのに身体が痛くてできない
・目が悪くなって、本やテレビを見ることができない
などの
生活の質の低下
こころのさみしさにも繋がるように思います。

そう、当たり前が当たり前じゃなくなる

それを受け入れて対応していけるかどうか。

暮らしのサポートをしたい

生活の質=人生なので
私は、心身のケアだけでなく
暮らしのサポートも、少しですがさせてもらっています。

痛いならさするし
できないなら私がやるし
手伝ってほしいなら手を貸すから
あなたは一人じゃない

その気持ちだけです。

困っている人の役に立ちたいとか
ありがとうと言われたいとか
そういう気持ちでもないのです。

ただ、単に
私にできることがあるならやればいい

どうせ、いつか終わる人生だから。

公共の有償ボランティアに登録しようと思っていたのですが
曜日、時間が固定というのが、どうしても都合を付けづらく登録できずにいます。
ボランティアをする人が足りていないそうなので、お役に立てたらいいのですが…

ただでさえ人手不足と言われる時代に
賃金が安いとか、知らない人の家に行くのは危ないなどの問題点があると
なかなか難しいように感じます。

隙間時間バイトみたいな手軽さがあれば
もっと気軽にマッチングできるのではないかとも思いますが
やはり防犯面等、難しいでしょうね。
いろいろと改善されるといいなと思います。
(私にはそこまでのことができないので、無責任な口出しだけで申し訳ないですが)

これからの時代はオンラインだのAIだのと言われて試行錯誤してきましたが
やっぱり「人と人」が接することでしか満たせないことはあるのです。


まだまだ先は長い。はず

常に、
80代になったら、みたいなことを考えているので
今のうちにやれることを!と焦ったりもするのですが
50代60代で仕事や旅行を楽しむ方の話を聞くと、
あーまだまだ人生長いな、と気付かされるのです。

いつ何が起こるか、明日があるとは限らない、と備えつつ
今、不自由なく日常を送れることに感謝する日々です。

歯と目と足腰は長く大事にしたいですね。

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