写真における“空気感”を哲学する
このレンズは“空気感”を写し出す。
この言葉を
カメラ関係の書籍やブログ、
レビュー動画などで
聞いたことってありませんか?
じゃあ、その“空気感”を
生み出しているもの、の正体って何?
あなたは
そんな“問い”を持ったことは
ありませんか?
具体的な言葉で
“空気感”の正体を言語化するのは
難しいけど
なんとなく、のイメージで
“空気感”というものを理解できる、
という人は少なくないと思います。
わたしも写真を撮っている身として
写真に写し出したいものとして
“空気感”は
めちゃくちゃ大事な要素のひとつです。
だからこそ、
どうすれば目の前の世界の
“いま”この瞬間の“空気感”を
写真に写し出すことができるのか。
それをずっと考えてきました。
“空気感”な正体とは・・・
さまざまな角度から
“空気感”について捉えることが
可能だと思うので
“これ”が正解、というものは
ないという前提で
わたしの感性、フィルターを通した
“空気感”を哲学してみたいと思います。
写真は、Photogrphy と表記されるように
“ひかり”で描くものです。
“ひかり”があたれば
影が(陰が)生まれます。
つまり、“ひかり”と“かげ”は
常に、同時に存在しているものです。
“ひかり”によって
“かげ”が生まれ、引き立ち
“かげ”によって
“ひかり”が引き立つという
お互いに引き立たせ合う関係性。
この関係性が
写真において
すごく重要な要素だと思うんです。
写真という平面図の中に
立体感をもって描き出す。
そのためには
“ひかり”と“かげ”
“白”と“黒”
このコントラストによって
立体感が生まれます。
まずはじめに
“色”ありき、で世界を捉えたり
写真を撮ろうとするのではなく
まずは“ひかり”を捉える。
“ひかり”を読む。
“ひかり”を敏感に捉える感性を
自分の中に育んでいくと
写真表現の世界がひろがります。
わたしは目の前の世界、瞬間に
こころが動かされ
写真を撮る衝動に駆られるとき
そこには必ず
“美しい”ひかりがあります。
(“かげ”があります。)
自分のこころが動かされた世界、瞬間を
写真に写し出す。
そのために
“ひかり”を美しく
写し出すレンズとカメラが
必然的に大事になります。
で、行き着いたところが
Leica だったという訳です。
Leica のレンズは
とくに光学性能に妥協なく
設計、製造されています。
難しいことは置いといて
実際に使ってみて体験すると
そのことを体感で理解できます。
美しい“ひかり”を
きちんとレンズを通して
カメラのセンサーに届けることができる。
だからこそ、描き出される世界。
シンプルかつ
本質的なこと。
それが何事においても
難しいことですよね?
話を本筋に戻していって
美しい“ひかり”を捉えるレンズがあって
それを受け取るカメラのセンサーがある。
まずは
この“はじめ”の段階、過程が重要で
そこに写真を撮るひとの感性が交わり
化学反応が生まれる。
“ひかり”を取り込む量を
露出を決める、という過程になりますが
そこは写真を撮るひとの感性次第。
こうじゃなきゃいけない、
という正解、不正解のない世界です。
『色』も現像ソフトで
いじったことがあれば
理解しやすいと思うのですが
輝度をいじると
色合いが変わりますよね?
つまり、“ひかり”の強さで
『色』が変化するということです。
あまり語る要素を増やすと
話が複雑になってしまうので
“ひかり”と“色”の観点で
空気感を捉えてみると
“ひかり”と“かげ”があって
そこに写真を撮るひとの感性が
交わり化学反応が起こる。
それが露出を決めて
シャッターを切るという行為で
レンズを通して
カメラのセンサーに届いた
“ひかり”によって
“ひかり”と“かげ”のコントラストが
写し出され
さらに色情報も相まって
一枚の写真が描き出される。
そうやって立体感のある世界が
写し出されたとき
ピントが合っているところと
合っていないところの関係性のように
一枚の写真の中に“差”が生まれます。
この差分が
写真をみるひとの意識を動かす。
濃淡、コントラスト、ピントなど
差分を生み出す
さまざまな要素が複雑に絡み合って
そこに生まれるもの。
それが“空気感”だと
わたしは思っています。
Leica のレンズやカメラは
他のメーカー同様に
それぞれレンズやカメラによって
個性がありますが
わたしが感じるのは
“ひかり”を美しく捉えてくれる、
ということ。
そして、
“湿度”を感じる描写をする、
ということです。
解像度は高いけど
色ノリが“こってり”とした
“湿度”を感じる写真。
“ひかり”を捉える性能と
捉えた“ひかり”を受け取るセンサー性能。
その化学反応としての結果の
描き出される世界だと思うのですが
Leica のレンズとカメラは
わたしが表現したい世界を
虚像ではない、リアリティ溢れる
“空気感”が写し出された世界、瞬間を
切り取ることができる道具だと。
だからこそ使っているし
持ち出したくなるし
写真が撮りたくなる。
いろいろと、長く書いてしまいましたが
果たして、“空気感”を哲学できたのかは
分かりませんが
写真表現において
“空気感”って大事だよね、
ということについて語ってみました。
これからも
写真を撮り続ける中で
“空気感”の哲学を深めていけたらと思います。
最後まで読み進めていただきまして、
ありがとうございました!
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