見出し画像

Webディレクターの副業事情~本業と同じ仕事を副業にした場合

本業ではサイボウズでWebディレクター、Webコンサルティングをしていますが、ここ1年半ほど副業を続けています。
始めたきっかけは、社内で「Webの相談ができる人を探しているんだけど...」という声がかかったことでした。当初は、本業とは全く関係のない副業をしたいと考えていましたが、あえて本業ド直球の副業を選んだことで、思わぬ良い結果が得られたことに気付きました。今回は、その良かった点についてご紹介したいと思います。

やっていること

Web管理を担当している方に対して、ウェブサイトの運用や分析のアドバイスを行っています。週に2回、オンラインで昼間1時間ずつの打ち合わせに参加しています。サイボウズでは、申請を行えば本業の勤務時間内に副業を行えますので、打ち合わせ参加時間は残業等で調整しています。
副業先の会社は、本業であるサイボウズと多少分野は違いますが同じBtoB向けのITサービスを行っている会社です。また、部署もコーポレートサイトの運用の他、各事業の担当者支援、CMSやGoogleアナリティクスなどの分析環境を提供している部署です。事業も所属部署も、比較的本業と近しかったりします。

効果①片方で取り組んだ施策の効果をもう片方で生かせる

同じ職種で副業をすることで得られた効果。
1つ目は、本業か副業、片方の施策で得た結果がもう片方に活かせる、ということです。
例えば、副業先の行ったA/Bテストの結果が、本業の画面構成検討時に役に立ったり、本業のサイトのアクセス状況と副業先のサイトのアクセス状況を比較することで、それぞれのサイトの特性や課題が見えてきたり。
一粒で二度おいしいんですよね。
「これは副業先(本業)で役立つかも?」というアンテナ立てにもつながっています。

効果②自分の思わぬ価値を実感できるかも

本業と副業先でビジネス内容が近ければ自分の持っているスキルがそのまま副業先で生かせる機会が増えます。
ここで大事なのは、会社、もしくはその時点の部署・チームによって”ニーズのあるスキルは異なる”、ということ。
スキルは相対的なものです。たまたま本業ではできる人が多くて評価ポイントではなかったスキルが副業先で足りていなかったら、自分が思っている以上に評価されるかもしれません。

効果③経験の幅が広がる

同じIT企業でも、扱う製品やサービスは異なり、ターゲットも異なります。そのため、戦略や施策も異なってきます。副業を通じて、ほかの会社のWeb施策にかかわることで、自分の経験の幅が広がると感じています。

また、同じWeb施策を取る場合でも、企業によって意思決定のフローや必要な情報には違いがあります。このことが「自社の常識」に固執することを防ぎ、視野を広げてくれると思います。
特に私の本業であるサイボウズは、様々な意思決定フローや文化を持つ企業の業務を支援するサービスを提供しています。ユーザーの考えを知るという意味でも、他の企業の内側の経験をすることができるのは非常に貴重だと感じています。

効果④複数箇所からの収入

これは同業種だからというわけではないのですが、複数の箇所から収入が得られるのは副業の醍醐味だなと思っています。
収入金額は仕事内容や副業先の基準次第なので一概には言えないのですが、1社に頼るのではなく、複数から収入を得ることで「自身がキャリアポートフォリオを築いている」という実感が持ちやすいように思います。確定申告の時期だけは大変ですけど。

やっぱり業務の両立は大変

ここまでメリットを記載してきましたが、大変なことも多々あります。
代表的なのは、本業と副業で業務量が増え、疲弊すること。本業と副業はあくまで対等です。(サイボウズでは、この観点から「副業」ではなく「複業」と表現していたりします。)本業の繁忙期に副業の打ち合わせが被ることもあるのですが、その場合でも本業優先にはできないため、身体的に大変な時もあります。私の副業は打ち合わせでのアドバイスを業務内容としていますが、その場でわからず打ち合わせ後に調査する必要が出てくることもあります。
また、悩みは時間だけでなく質の面でも。限られた時間、かつ本業に比べると少ない情報量で答えを出す必要があるため、自分が出した答えは最適だったのだろうかと自問することはよくあります。
自分自身もまだ模索中ですが「本業副業両方で役立つ」視点で日々の業務を見るようにすることで、効率化を測りたいと心がけています。

とはいえ、いろいろな会社の案件に携わるのはやっぱり楽しい

効果も大変なこともいろいろありますが、本業の会社に在籍していながら、複数の会社の案件に携われるのが単純に楽しい、というのが今後も副業を続けたいと思える大きな理由かもしれません。。
前職では様々なクライアントのお手伝いをしていたので、事業会社であるサイボウズに転職したら、関われるのはサイボウズのサイトだけになる、というのが転職時に気になっていたことでした。副業することで解決できたのは思わぬうれしさです。

今の時代は、これまで以上に変化が激しく、キャリアの道筋も多様です。「パラレルキャリア」という言葉に表現されるように、複数の仕事でキャリアを形成していくケースも身近になってきているように思います。そんな時代に対応していくための体験、人脈づくりとして、「今の仕事を別の場所でする」副業の経験をこれからも積んでいけたらと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?