見出し画像

ここのね活動報告レポート|2022年2月

寒さがぐんっと極まった2月。皆様、お風邪は引かれていませんでしょうか?ここのねはコンクリート造の建物のため、冬はとにかく寒い。その中で、部屋の中心を暖房対策として220円のビニール袋15枚を切って貼り付けて、温かい空間が完成しました。ここのねメンバー一同、感極まった月でした。

そんなこんだ(岡山の方言です笑)のここのねですが、今月も2月の出来事を報告させていただきます。

ここのね校舎改修計画

ここのねが位置する地域は上下水道が整備されているためバイオトイレを置けないということが判明した先月の出来事。そこから、地域の指定業者さんに連絡をして、見積もりをとり、配管工事を約50万円で受けてもらえるとのことでした。

しかし、年度末になるとトイレを建てるための基礎工事やトイレの建物工事を担ってくれる業者さんのお仕事は一年の中で一番多忙な時期。

そのため、工事を4月まで待ち、自分たちのできることに専念することにしました。

1つ目は、ソフト面であるカリキュラムや学校のしくみ作り。2つ目は畑の新設。新たなトイレを設置するための横のエリアに小さな畑ができる空間があります。

イースマイルさんが作ってくれた畑

現在、水が溢れて大惨事になってしまった校庭を整備する際にあまった土を現在の畑に仮置きしています。

土の上を裸足で駆け巡る子どもたち

このこんもり加減が子どもたちの好奇心に火がつき、彼らは夢中で穴を掘ります。熱中してどろんこになり深い穴を掘る姿をずっと拝めていたいなあと思いつつも、もうすぐ夏野菜種まきが始まります。そのためには、こんもり土を新たな畑に移動させなくては!と、毎掃除時間後や放課後、数名の子どもたちとスタッフが鍋一杯の土を運んでいるのです。

この鍋に土をこんもりいれて運ぶ

掃除終わりに運ぶときが多く、スタッフはヘロヘロのため、運ぶときの写真はないので、運び終わった土の写真をドンっ!

現在、31杯目。すこし盛り上がっているところが、運び終えた土です。笑

「これは途方もない・・・」と勘付いたスタッフは来月のどこか、スタッフの軽トラで運ぼうと決意しました。笑

2月の活動の様子

スタッフばんちゃんによる【アートの時間】

2月は「ここのねにある材料で起き上がり小師子」を作りました。1回目の講座では、作りたい小師子の大きさに合わせて風船を膨らませます。

風船に水で濡らした紙を貼っていく子どもたち

2回目の講座では、小師子の中に重石となるビー玉やボンドを入れます。そして、ボンドを水で溶い液に紙を濡らして、周りに貼っていきます。

重石をいれるために上半分をあけている様子

一部を切り取って見てみると「あら、簡単!」と思えるような授業ですが蓋を開けてみると、地道な作業でオンパレードの授業。作業を面倒くさがる子も必然と現れます。

ボンドと水の液に濡らした紙を周りに貼っていく作業のとき、細かく紙をちぎって丁寧に何層も貼っていくことで、頑丈な小師子が出来上がります。しかし、作業な子が億劫な子は紙をちぎらず一枚の紙のまま貼り付けるこもいれば、一層しか貼らない子もいたり。早く終わった分、友達を助けてあげる場面も見られました。

その一方では、小さく紙をちぎって丁寧に貼り何層も重ねて貼る子もいれば、「この小師子で雛人形を作りたいから家でも作ってくる(増量)」という子もいました。

どの子のスタイルが正解で不正解だとかはありません。このような授業の中からでも一人一人の個性が現れ、世界に一つだけのオリジナル小師子が完成するのです。いわば自己表現の領域だと感じます。

乾燥中の小師子たち

3月のアート講座で、一番熱狂する色付けに入るそうです。どんな作品ができるか今から楽しみです♩

スタッフももちゃん・こうちゃんによる【高学年向けのテーマ学習】

このテーマ学習では、「自分たちで卒業旅行プランを考えて、実際にいってみる」ということを実践します。プランを考える過程では、与えられた予算の中から行きたい場所や食べたいものをリストアップして、その情報を本やパソコンを用いて調べていきます。

自分の行きたい場所の情報を集めている様子

スタッフから提示しているのは、「日帰り・予算2万円」だけ。その中で、メンバーで話し合って、その提示されたものを変更することはOKにしています。大事なのはみんなで話し合って、自分たちにとって最適解を導き出すことだと思うのです。

もし予算オーバーするようなプランを考えたのならば、旅行日までにここのねを通して「お金を稼ぐ」という選択肢もあがっています。現在は、「日帰りで臼杵市で石仏をみて、由布院で美味しいものを食べるツアー」になっています。今後の流れが楽しみです○

ここのねクリエーターさんによる【多彩な授業】

①ヨガ
臼杵にすむキッズヨガインストラクターのまにちゃんによるヨガの授業。低学年と高学年チームに分けて、月2回の講座があります。去年の6月から授業を開催してくれたこともあり、子どもたちとの関係性は構築されてきて、ヨガだけではなく心と身体のつながりも授業の中で話してくれています。

高学年チームのヨガタイム

②音楽
シンガーソングライターの古賀さゆみさんとutaさんによる音楽の授業。こちらも学年で分けられた授業編成。今月は、スペシャル講師をお呼びして、ギター講座が行われました。というのも、子どもたちの中から「ギターを弾いてみたい」という声があったから。

授業では、基本的なコードを教えてもらって「かえるのうた」や「紅蓮華」をみんなで楽しく演奏しました。音楽のここくりさんは子どもたちの持っている可能性を拡げようと日々の授業を計画的に考えてくださっています。その影響か、今まで楽器を弾くことを恥ずかしがっていた子が自分の音色を楽しんで表現するようになりました。

低学年チームむけのギター講座

③性教育(性教育前の「生」教育)
SDGs(=生)と性教育をかけあわせた授業作りを考えてくださる三重野まさみ(mami25)さん。今までの授業では、プライベートソーン、性犯罪、身体のしくみ、命の誕生、環境について教えてくれました。

2月の授業では、「心ってなんだろう」というテーマで感情のラベリングについて触れました。「心はどこにあると思う?」という質問から始まって、心の中の気持ちを考えて感情のモンスターを描きました。

この子曰く、楽しいと嬉しいは少し違うモンスターだそう

各自のモンスターを発表して、「心のモンスターにもそれぞれ役割があること」「心と身体はつながっていること」「どんな気持ちも自分の大切な気持ち」があることをを伝えてくれました。

④お菓子の家づくり
LAMP豊後大野とうゲストハウスで働く元パティシエのおまちゃんによる「お菓子の家づくり」講座。クリスマス時期から子どもたちからの要望があり、実現した授業でした。

テーマ:小人の家

お菓子の家を飾るためのクッキーを型取りから始め、アイシングでお家を組み立てていきます。どんな飾りにするか、どんなデコレーションにするかは一人一人のセンス次第。楽しさもありつつ、アートの時間に通じるものも感じました。

番外編:ここのね喫茶のためのお菓子作り

2月11日(金)クラファンのリターンとしてここのねを喫茶をオープンしました。教育にまつわること・子育てのこと・ここのねのこと・支援者さんのことを楽しく話し合うほのぼのとした喫茶タイムでした。

そこで出したお茶菓子やお土産は全て子どもたちが作ったものでした。

酒粕クラッカーを作っている様子

酒粕クラッカー、りんごのクランブルタルト、番茶とくるみのスコーン、りんごのチーズケーキを作る合計4チームに分かれて、スイーツ作りを開始しました。

日々、スイーツ作りをしているおかげか、年齢関係なく、一人一人の作業の手際がよく驚きました(笑)まさか午後の時間だけで、4種のスイーツが出来上がるとは思いもしませんでした。

レシピ通りに作ったけれど、生地の状態が温度や材料の関係でベストでない時には、「だったら豆乳をもう少し足してもいいかもしれない」と機転を利かせる場面が多々ありました。

当日の支援者さんたちも大満足。とても喜んでくれてスタッフも子どもたちも一安心。その日は「ここのね教育オンライン勉強会」もありました。参加(支援)してくださったみなさま、改めまして本当にありがとうございました!

あしながおじさん現る

ここのねに「宅配便でーす!」と、宅急便屋さんが次々とやってくる。段ボールを開けてみると、その中には「本、絵具やガムテープ、折り紙、まな板、洗剤、運動グッズ」の数々でした・・・

工作グッズ、本、消耗品、教具などのプレゼント

そうです。ここのねにあしながおじさんが現れたのです。そんな沢山のあしながおじさんを率いてくれたのは、(株)モアモスト会長の河野忍さんでした。河野さんは自分のお誕生日なのに、「ここのねの力になりたい!」と声をかけてくれたのです。

そして彼女のfacebookにて、オルタナティブスクールのことや「ここのねのAmazon欲しいものリスト」をシェアしてくれたおかげで、多くのあしながおじさんがここのねにきてくれました。

箱の中身を確認していくたびに、「あ、これ〇〇がほしかったやつや!」「この本があると授業の幅が広がる!」と、子どももスタッフも大喜び!

ここのねは民間の学校のため、何の支援も受け取っておらずすべて保護者さんやスタッフ負担で経営をまかなっているのが現状です。そのため、今回のクラウドファンディングにも挑戦させていただきました。

「この道具や材料があるともっと授業の質が高まるんだけど手が伸びない」と、ほしいものに優先順位をつけてあとまわしにすることが非常に多いのです。

そういうことから、忍さんに声をかけてもらったときに、そのようなものたちを欲しいものリストにあげさせていただきました。これらの物資や寄付は、大切に使用させていただきます。感謝しかありません。

プレゼントの中には匿名のものも混ざっていたのですが、忍さんをはじめとする多くのみなさま。ここのね自由な学校にとても素敵な支援(寄付や寄贈)をしてくださり本当にありがとうございました!!

カリキュラム作り

「テストやカリキュラムは一切ありません!」と言い切って当初始まったここのね自由な学校。あれから3年。そして本開校して約1年が経とうとしています。

私たちはこの3年間、目の前のことに全力で勢力を注いできました。楽しいことも悔しいことも葛藤することもたくさんありました。

それぞれの学校にもよるとは思いますが、今、私たちが参考にしている学校は、体験重視の学校。とはいえど、とても緻密に計算された年間授業計画。計画しているからこそ、子どもたちの「やりたい!」に火をつけられるサポートができるのだと、感じています。

この3年の過程を経てきたここのねの「今のこたえ」は、「"学びが楽しい!"で溢れる学校作り」を目指すことなのです。

調理実習の前のプリントタイム(初めての試み)
その日の実習内容に沿った算数の文章問題を学年別に準備しました


調理実習では多くの教科に触れています。レシピを読む読解力、分量を計算する算数力、火や水の性質を理解するためのサイエンス力。実習では、「勉強」という認識の前に「自分がやりたいから理解する」という意識のため、たとえ算数の問題を解くことが苦手な子でも、醤油の重さを計算するために自ずと計算を行います。

知識は、リアルな体験をより豊かにする一つのツールだと思うのです。同じ体験でも、調味料の割合の出し方を一度知識として吸収してしまえば、今後の体験の幅が広がることにつながります。

私たちスタッフは、体験の機会や余白を設定すること、求められた時に教えられる余裕を持つこと、体験と知識を楽しく交えながら授業をすることに力をいれたいなあと思うのです。

もちろん子どもたちの中だけで、色んな解き方を試してみて、知ることも価値のある経験。そのために余白時間もたっぷり確保したいと考えます。

年間計画をたてるための地道な作業風景@スタッフななっぺ

カリキュラム作りの詳細は、来月以降の活動報告でお知らせできたらなと思います!

梅の花が咲き始めましたね。そして校庭には大分を象徴する鳥、めじろちゃん。春が来ますなあ。ほーほけきょ。

ここのね校舎となる元酒蔵をバックに。


文責:スタッフももちゃん

ここから先は

0字

¥ 100

ここのね自由な学校は日本の法律上、公的な支援が受けられません。それは回り回って子どもたちの経済負担に重くのしかかっています。ここのねを「誰でも通える学校」にするため、ご支援をよろしくお願いいたします!ご支援いただいたお金は、給付型奨学金や施設設備の充実等に利用させていただきます!