深海の王は重たい海の秩序を保っていた

今日の瞑想

階段を下りていくとそこは海の中だった。

海を下へ下へ潜っていくと濃い藍色の海底に至った

深海だった

玉座に王が座っていた

冠をかぶりネプチューンのような三叉の槍を持ち下半身は魚の尾だった

王は難しい顔をしていた

「なぜそんなに難しい顔をしているのですか」と聞くと

「ここにはあらゆる難題が降りてくるからだ」と答えた

「ここで何をしているのですかと」聞くと

「難題が暴れないように秩序を保っているのだ」と答えた

「もっと下へ潜っていいですかと」聞くと

自分の責任で行け、とでも言うような目をした

もっと潜っていくとどんどん海が重たくなった

水を掻く手が重たい

水が重たい

水が粘り気があるみたいだ

底の方に白い骨のような貝殻のようなものが見えた

近づいて手に取った

これは何だろう

考えてるうちに思い当たった

これは棘だ

海水を重たくしている棘だ

私はその棘を抜いたのだ

深海の水が重たくなくなった

軽い水を泳いで深海の王の所へ戻った

この棘をどうしたらいいだろうと考えていると

「私が預かろう」と王が言った

王が水の一部に手をかけると引き出しが現れた。

王はそのトゲを引き出しにしまった

「私は深海の統率者である。これが私の仕事だ」と王は言った

王が深海を統べているから、私は安心だ

深く濃い藍色の深海を王が治めてくれている

私は安心だ

ありがとう

ありがとう

ありがとう


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