人間関係のトリック 捉え方の癖を見抜け
他のユーザーと交流できるオンラインゲームが趣味の私ですが、これがなかなか学びが多くておもしろいです。
毎度、書いてますね。^^
今回は「人間関係のトリック」について書きますね。
これは同じくオンラインゲームをしている友人の話です。
彼はあるゲームでランキング1位なのだそうです。
自分自身が主人公で、キャラクターを集めて育成しチームを作って戦っていく戦闘ゲーム。
彼はいろんなキャラクターを研究するのが好きだそうで、新キャラが出るとその子は誰と組むともっともキャラ特性を活かせるかを試しているのだとか。
ある晩、キャラクター全てを戦闘要員から外してキャラの組み合わせの整理をしていたそう。ところがその最中に用事ができてログアウト。
用事を終えて再びログインしたら、ふたりのユーザーから個別メッセージが即きたそうです。
「キャラ、外したまま忘れていませんか?」
「あ、ほんとだーー!!」
「その間に●●さんにボコボコにやられてましたよ」
「え、そうなの? あ、ほんとだ!何回かひとりぼっちのままやられてる(笑)」
そんな会話のあと彼は、キャラを外したまま整理を続け、終わった後に、くだんの●●さんに戦闘を挑み、ふたたび1位に戻ったのだとか。
ここまでは「へーそうなんだ」で終わる話なのですが、人間関係のトリックはここからです。
彼がやっているゲームにも、個別チャット以外に「そのサーバーにいるユーザー全員」が見ることができるチャットの場があるそうです。
その全員が見られるチャットで、ある日、●●さんと数人が楽しく会話をしていたのだそう。そこには、先日「●●さんにボコボコにされていましたよ」と知らせてくれた人(△さん)もまざっており、
「あ、そういえば、A君、この前、仲間を外したままひとりになって忘れてて、その間に●●さんにボコボコにされたって言ってたよ〜」
とコメントしたのだそうです。
この時、A君は不在。
その後ログインしたら、この会話を発言なしでず〜っと読んでいたA君の友達が、A君に連絡してきました。
「なんか、A君が●●さんの悪口を言ってたって話になってたよ」
「えー? 俺、悪口言ってなーい!」
「●●さんにボコボコにされたって、△さんにチクっただろ」
「チクってないよー!」
・・・とまあ、こんな会話になったのだそうですが、おわかりでしょうか?
△さんがもし、
「私がA君に、『キャラ外したまま1人になってますよ? その間に●●さんにボコボコにされてましたよ』って言ったら、『ほんとだ、何回かやられてる」って言ってた」
とフルで伝えていれば、見ていた誰かが「A君が●●さんの悪口を言っていた。●●さんのズルをチクった」という解釈にはなりにくいです。
ところが、思いっきり内容をはしょってしまったので、このような誤解が発生してしまったわけです。
しかも、読み手の方にも認知バイアスがかかっていて
「あ、そういえば、A君、この前、仲間を外したままひとりになって忘れてて、その間に●●さんにボコボコにされたって言ってたよ」
= 悪口
になっています。
こんな風に、伝えられた中身のほとんどの情報が欠落しているところに、さらに読み手の認識の癖が加わり、話がどんどん違った風に人に伝わっていくのですよね。
そして、聞いた方はそれを「正確な情報」だと無意識に判断し、相手を高く評価したり低く評価したり、好評価したり悪評価したりします。
そこに感情も加わってくるとややこしいですねー。
こじれそうですねー。
日常の人間関係のトラブルの多くは「伝達情報が足りないこと」から起きると私は思っているんですよ。
人は「解釈する癖」を持っているのです。
だから、できうる限り「解釈の余地をなくす」ように伝達する。
相手に「解釈の余地を与えない情報伝達」
これは、私のお弟子さんには特にしっかり伝えていることです。
要するにはしょらずに必要な情報を伝えるのですね。
例えば、
「今から出発します」だと「今」の解釈に幅が生まれます。
「どこから」「どこへ」の解釈にも幅が生まれます。
それぞれが持っている事前情報や経験から「今」といえば「こう」とか、どこからどこへという場所も無意識に選び出してしまうのです。
「10時10分に、どこそこ駅前から車で誰それさんのお家に向かって出発します」だと、解釈の余地がありません。
と同時に、他人の発言を聞く際、何かをはしょっていないか、情報量が十分かどうかも意識するように伝えています。
今回のA君のケースでも「実際に本当にそう言っていたのかな?」「彼女の中で削られてしまった言葉がないのかな?」と考えてみることで、正しい情報を見つけるためのドアが自分自身の心の中に生まれます。
情報の欠如。
解釈の癖
このトリックを見破れるようになれるといいですね。