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男女混合サウナのオーストリア的常識

温浴ができる温泉施設は、〇〇テルメと名の付く温泉地にはありますが

公共の温泉施設はあまり多くありません。

グラーツに住んでいた頃は、車でシュタイアーマルク州内に大規模な温泉施設があり、プールのような大きな海水風呂などありましたが、

基本的に、男女が分かれた施設を今まで見たことがありません。

公営の屋外・屋内プールがそこかしこにありますが、そういうところには大体サウナがあります。

プールは水着着用なのですが、サウナの領域は全裸にならなければいけません。

多分ドイツもそうだと思いますが、サウナに水着で入るのは衛生上良くないとされていて、”裸義務”です。

プールの入り口とは別にウェルネス領域(サウナやマッサージなど)の入り口があって、サウナに入る時は水着は脱いで、タオルを巻いて行きます。

そして、サウナの部屋に入ると、タオルをひらりと外して座る場所に敷き、自分は寝そべったり座ったりというふうに好きな姿勢で過ごすのです。

タイトル画像は体をタオルで覆っていますが、実際は体を覆うタオルを使う人はいません。

外では体に巻いていたタオルを、サウナの中に入ったら外すのです。

男性も女性も、特に体を隠すことをしていません。

多くの日本以外の国と同じように、家族同士でさえも一緒に入浴する習慣がない国でありながら、公共施設では全くの他人の前で平気で素っ裸になり、
なおかつみんな冷静なのです。

ただ、みんながみんなこういった公共の場所で裸になることを当たり前と思っているわけではなく、なんとなく忌避感を持っていて、一度もサウナなどに行ったことがないという人の話も聞きます。

知り合いにばったり会ったら嫌ですよね。


ごくたまにプールなどに行くことがある私も、サウナに入りたいなと思うことがあり利用することがありますが

サウナの部屋が小さいと、その中に男性と二人きりになったりするのは正直嫌です。

私の家の近所の公営プールでは、決まった曜日が女性専用サウナの日になっているようで、一度女性専用の日にサウナに行ったことがあります。

やはり、男性がいないと安心感があるし、少なからず人が多く感じたので、
普段男女混合だと行きたくないけど女性だけなら、という理由で来る人がいるに違いありません。

そもそもその需要があるから、女性専用日をもうけてあるんでしょう。
ちなみに男性専用日はありません。


仕事をしていなくて時間が自由になったので、これを機に一度ジムに通ってみようと思い立って、登録しました。

そのジムにはサウナがあって、内容も充実しています。
低温サウナ
高温サウナ
ミストサウナ
高温で熱波師サービスもある大きいサウナ
計4種類。

屋外には体を外気にさらせるテラスもあります。

水風呂はありません。

シャワーはあります。

サウナの料金も全部込みの会員費だし、運動をしない日でもサウナには入ってリラックスしたいなと思い

最初は少し躊躇いましたがここのところ数日に一度サウナに行っています。


まず、ジムの更衣室は一応男女が分かれています。

更衣室は、今からフィットネスの領域に行く人も、素っ裸になってタオルを巻く人も同じ場所なので、行く時間帯はできるだけピーク時間帯を避けます。
周りが服を着てるのに自分が裸になるのはなんだか居心地が悪いし。

そして、男女の更衣室の中は繋がっていて、一番奥にサウナへと続く入り口があります。

男女とも入り口は同じ。

更衣室でサンダルを履き、全裸になってバスタオルを巻きつけた状態で階段を登り、サウナ領域へ行きます。

ここで注意したいのが、シャワーを浴びる時はタオルを入り口で取り払ってからシャワーの場所に入るので、数メートル全裸で闊歩しないといけません。

私は、スッポンポンの男性の中に混じってシャワーはしたくありません・・・・。

なので、サウナの階ではシャワーはせず、サウナが終わってから下の更衣室の近くにある女性だけのシャワー室でシャワーをします。

後、ミストサウナはタオルがびしょ濡れになるので外でタオルを取ってから入らなければいけません。

座る場所が石で、お尻に敷くためのマットが外に用意されているので清掃済みのものを持って入ります。

でも、ミストサウナのある場所が、ちょうど人の通り道になっているため、なんとなくそこでタオルを取るのは心地よいものではありません。

色々試した結果、
低温サウナは利用者があまり多くなく、薄暗いし広くて密接しないのでタオルを外すこともできる。

高温サウナも、薄暗いのであまり気にならない。

ミストサウナは、部屋が狭いので誰かが入っていると居心地があまり良くないが、蒸気であまりはっきりは見えない。

大きくて開かれている高温サウナは明るいので、私はタオルを巻いたまま座る。
それで誰かに注意されたことは、今のところない。

別に見られているとかそういうことではありませんが、他の人が入っているサウナの部屋の中で、タオルに仰向けでベロンと寝転んでリラックスできてしまう女の子も多くいる中、
人間心理としてどうしても目に入ってきてしまう他人の裸を、見ないように気をつけるのも一苦労です。

夜遅めの時間帯に行ったりしていましたが、どうも夜になると出かけるのが億劫になりがちで
(昨日は行こうとしたらなんと雪が降っていて行く気が失せた)

午前中に行ってみたら、人が少なくて快適でした。

サウナの部屋の中に自分一人だけの時もあって、安心して横たわったりすることができます。

友達同士やカップルで利用している人も見ましたが、カップルだと平常心を保っていられるのか・・・?疑問です。

それとか、パートナーが多数の人の目の前で全裸になるのをなんとも思わないのかな、とか。

ちなみに私の今の彼は生涯一度もサウナに入ったことがなく、私と同じジムに通っているけれどもサウナ領域に行ってみたこともないそう。
公共の場で裸になるのも見るのも変だと思っているんだと思います。

もちろん男性だけの場でシャワーを浴びたりするシチェーションは避けられないので、仕方のない場面では切り抜けてきたと思います。
オーストリアでは兵役があるので、兵役の時には一斉にシャワーを浴びなければならず、体の部位を見比べてからかったりからかわれたりみたいな雰囲気もあるはあったとか。


ジムのご意見ポストに、女性専用の時間帯を設けてみては?と投書してみようかなと考えています。

男女混合で何が発生するとかそういう心配をしてはいないのですが、
とにかく落ち着けないことは確かなので。

特に夜遅めの時間で、人が少なくなってきて、残っているのが中年男性ばっかりとかになるとかなり落ち着きません。

4つのサウナを男女混合で作るより、2つか3つのサウナで男女別の仕切りで作ってくれればいいのに。

オースリアでは、サウナは男女混合で全裸で入るものだ!という常識概念が強すぎて、誰も疑問に思っていないんです。

サウナに入る=男女混合全裸を受け入れるということ。

このハードルさえなければ、もっと多くの人がサウナを楽しめると思うのですが。

あまりこういうことに関する議論も起こらないようです。

でも、現状として、オーストリアのサウナには、女性でアジア人とか、イスラム教の人とか、いないもん。
不公平だと思う。

意見を出してみようかな、と思います。

そういえば、湖で入場料とかを取ってるようなところでも、ちゃんとした更衣室もないようなところが多くて、公衆の面前で着替えちゃう人もよく見ます。

裸になるのをあまりためらわない人がかなりの数いるように感じます。



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