素敵な人〜動物病院の先生〜
私が実際出会い、身近で素敵だと思う人との出来事や人柄について書きます。
初めて書く人は私が小さい頃からお世話になってる”動物病院の先生”
ーその先生からのメッセージと心配りが伝わる出来事ー
※(記事の大部分は家族[動物]との最期のお別れを書いているのでちょっとつらくなる記事かもしれません。)
大人になった私は室内でウサギを飼っていた(名前は”ここわ”)
一緒に住み始めて7年、そろそろウサギの平均寿命だと思っていた頃
ここわが急激に衰え始めた
毛がボサボサになり、俊敏に部屋中走り回っていたのにあまり動かなくなった
私は”もう年だからだ”と思っていたが、家族に言われ、一応動物病院に連れて行った
そしたら、先生が触診してくれて胸に大きな腫瘍があった
それをみせてくれた私は驚いた
小さな体にピンポン球くらいの大きな腫瘍
”これは手術で治るんですか?”と聞いた私に
”心臓近くにあって、もう体力もないから、残念だけど、、”
そう言われ、痛み止めの薬を打ってもらい家に帰ってきた
”どうしてもっと早く病院に連れていかなかったんだろう”
年齢的に、もうそろそろなのかなとは思っていたけど
まさか、こんなに痛い思いをしているとは思わなかった。
病院にすぐ連れて行かなかったことを後悔した、、
それから約1ヶ月
日に日に苦しそうに息をするここわをみるとつらかった
がんばって呼吸をしている姿が懸命に生きようとしているようにもみえて苦しかった
体全体で一回一回呼吸をする姿
私はその姿をみながら”安楽死”の選択がよぎっていた
生きようとしている命を、自然の流れまで待つか
苦しみから解放させてあげるか、、家族に相談した時も意見が別れた
今日が最期かもしれない。そんな日が2週間ほど続いた。
そんなある日、もう餌どころか、水も飲めなくなっていた。
口元に水を持っていっても飲む体力がなかった
”もうダメだ。”私は一人で安楽死という選択を決め
カゴにここわを入れ、動物病院に向かった
でもその日は、予約がいっぱいであと3時間はかかると受付の女性に言われ
順番待ちの予約だけして一度帰った
家に着き、カゴから出たそうにするけど自分一人では出られないここわ
私が手を出すと最後の力をだして自分で這いつくばって外にでて倒れた
そして、、そこで急に痙攣し始めた
”うそでしょ、、待って、、やだよ、、” さっき安楽死を決めたのに
感情と行動がバラバラな自分
”もう本当に死んじゃうんだ、、、”
どうしたらいいのかもわからず、ただ泣くことしかできず
ここわが天国へ逝った
本当にあっという間の出来事だった
私はボロボロ泣きながら、ここわを抱っこした
抱っこするの嫌がるから今までできなかったんだ
そしたら思ったよりも軽くてまた泣けてきた。
そして少し経った後
ここわをタオルに包み、ぼーっとしていると一本の電話が鳴った
動物病院からだった
受付の女性が”前の予約の方がキャンセルになったので早めに来ても大丈夫です
”という電話だった
私はさっき、ここわが息を引き取ったと言いたかったのに
声が出ず、、嗚咽と無言の状態が数十秒続き”実は、、さっき、、、
息を、、ひ、引き取ったんです、、”一言こういうだけで精一杯だった
涙が溢れてきて声が出なかった
そしたら、、電話越しの女性も泣いていた、、
泣きながら”そうですか、、お役に立てず、、先生に伝えておきますね”
そう言ってくれ”いつも色々と、本当にありがとうございまし
た。おねがいします”と
お互い、最後に挨拶を交わし電話を切った
そして最後のお別れをしてから数日後
家に突然、お花が届いた
メッセージカードには”ここわちゃん、安らかに”
そう書かれていた。先生の字だった
小さい頃からお世話になってる獣医の先生
幼い頃から私の家には犬、ハムスター、うさぎ、猫、文鳥、たくさんの動物がいた
小学生の時、自転車の前カゴにうさぎやハムスターを乗せて動物病院に連れていっ
ては、問診や耳掃除などしてくれるのにお金をとらない先生だった
毎日夜遅くまで動物のために働いている優しい姿
口数は少ないしそんなに話したことはないけどその人の人柄は子どもながらすごい
と思っていた。表情や動物に接する姿も、本当に動物が好きなんだろうなというの
が伝わってきた。そして動物の家族を想い、花とカードを送るその行動からも
私は先生の人柄を改めて思い知った
ここまでしてくれる獣医さんがほかにいるだろうか?
小さい頃からこの動物病院しか行ったことがないから分からない
ただわたしは、動物病院に行き、命についても学んだけど
それ以外の人の優しさと温かみを学ばせてもらってるんだ
そう再確認した
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