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いつまでも

シャワーを浴び終え、浴室から少し高い段差を降りオフホワイトのような色の珪藻土マットに水滴が落ちる。リビングからは下品な笑い声が聞こえる。僕の知らない声、何かのタレント番組、もしくはつまらないYouTubeを見ているのだろう。身体を拭き終え、首元はまだ乾き切らないまま、ネットショッピングで生まれた畳めていない嵩張る段ボールがキッチンに積まれている。そんなものを横目にリビングに戻る。知らない声の中で“彼”はもう3年も使っているiPhoneでTwitterを眺めてた。何度も何度も執拗に更新をしている。縦に動かすその指はもう見飽きてしまった。何をしているかはわからない。なかなか増えないフォロワーに少し苛立ちがあるようにも見える。僕はその気持ちがあまり理解できない。何が良いというのだ。何が得だというのだ。それを指摘することはしない。したくはない。不満にも思えない。無意味なことだと感じてしまう。感じてしまうだけだ。それだけ。それだけ。感情は置いていく。乾いた水滴はもう。



夏はアイス、秋は焼き芋、冬はおでん、春はさくらもちを食べます