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コロナ ノ ムコウ

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ブルックリンにも春が来ました 。大家さんの親切で使わせてもらっている、うちのアパートの裏庭に 春 が来ました。コロナの世界の2度目の春です。

去年は勝手がわからず、コロナの引き起こしたステイホーム中に、試しに少しだけ作物を植えてみました。パンデミックがピークに達し長引く中、ちいさな畑のトマトやバジルに会いに行き、水をやっていると心が軽くなりました。重石が乗っかっている感じが取れるのです。

秋が来て、畑はすっかり枯れて、その枯れ姿にも感動し、冬。

冬至が過ぎ、確実に日が伸びてゆくのを感じるそばから、鳥が来て鳴き始めました。ブルージェイとキジ鳩の春を告げるメロディー。その鳴き声に誘われて、久しぶりに裏庭に通じるドアを開けました。

立ち枯れたシソやトマトを引き抜き、地面をならし・・・すると、庭の隅の枯れ木の間にチューリップとヒヤシンスが芽を出している・・・。何年も前に、このアパートの以前の住人が植えた球根。そういえば去年、気づいた時には花は終わっていて、後悔したのを思い出しました。

今年のニューヨーク市の冬は、4度ほどまとまった雪が降り、氷点下の裏庭は雪でしっかり閉ざされて、命のかけらすら消えて見えなくなりました。

この球根植物たちはあの寒さの中を、どうやって生き抜いたのでしょう? 冬眠の終わりを告げる目覚まし時計は、どこで鳴ったのでしょう? 黒い土の中の球根に尋ねてみたくなりました。

根っこって、大切 ですよね。自分の「根」の手入れをして、この試練の時代を生きていかねばー、ですよね。コロナが終わった時、そこにいる自分はどんな人でしょう? すこしでも深く根を広げられたかな? 球根みたいに芽を出すのかな? そうだとしたら、どんな花に会えるかな? 問いかけて、自分と向き合って、コロナが与えてくれた時間を活かそうとする日々は続きます。ボクのトモダチは みんな こんなふうに生きています。そんな仲間と繋がっていられる環境、それが、ボクの生きている「土」。感謝 深める 2度目の春 なのです。



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