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やっとこ年収100万円は起業と言わない?

年収100万円ならやってる意味がない?
「そんなの止めた方がいい」とも言われ。
そうなのかなぁ。


「自分の店、やります」と勝手に宣言したのが10年前。
宿根草という毎年芽を出す植物のポット苗を自分で仕立て、数種類、並べたのが始まり。使われなくなった地域の集会所だった小屋をもらい受け、解体して腐れた部分を切り落とし、小さく立て直した小屋の前に並べた(下の写真は苗台を増やした2年目)。

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ほぼ誰も来なかったけれど、近くのパン屋さんが「花苗うちにも並べな」と有難い声をかけてくれて、ほぼパン屋さんでの年商5万円からのスタート笑。自分はパートで働きながら、それでも5万円も稼げたことに大喜びした。

翌年、その売上金で板を買い、追加の苗台をつくり、つくる苗数を増やし。それから、ご縁あってブリキ職人さんにブリキ鉢をつくってもらったり、自作で花苗プレートをつくったり。さらに地元のセレクトショップでも花苗を取り扱ってもらえるようになって。店前に花壇をつくり、看板を付けたり、少しずつそれっぽく。息子が「母さん道路沿いに看板出したら」と書いてくれたりね。

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わずかな売上がとにかく嬉しい、楽しい。年商5万円が翌年は10万円と倍になり笑、跳び上がって喜んだ。その売上でまた少しのブリキを発注したり、わずかな設備投資をしたり。

そうこうしてるうちに、今度は自分用に編んだアクリルたわしを販売してみようと思い立ち、それならばと地元の小さなイベントに参加を始めた。何せ売るものがそれほどないので、花苗と共に色々つくってみては小さなスペースで細々と。ちょうどクラフトイベントがあちこちで流行り始めたころだ。やがて、ただ自分がつくれるもの、から、自分が持っているもので何がつくれるか、と着眼点をシフトしつつ。

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生活費はパートで稼ぎ、自分の店は基本、売上の範囲内で展開する。初めのころはできる先行投資が3千円まで、くらいだったな。

その後、ある日ママ友の農家さんの手伝いに行ったことから、もみがら(米を取り出す時に出る皮)の存在を知り、これは良い!と「ざぶとん」をつくってみた。

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これがね、一つの転機でしたね。まさか、やがて店を支える人気商品になろうとは。


いずれにせよ、この10年で自分にできることを、とにかく色々やって、つくって。ワークショップをやってみたり。自分に向いているもの、そうでないもの。買ってもらえるもの、もらえないもの。たとえ買ってもらえてもつくるのが大変過ぎたり。時給換算などもともとするものじゃないが、自分感覚で割に合わなさ過ぎるものも続けづらい。そうやってさまざまに自分淘汰され、今に至る。


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現在は、花苗・雑貨・無農薬野菜・デザートカフェと、自分淘汰しながらも自分ができることの幅を少しずつ広げて、年収およそ100万円。全然自立してるという収入ではないけれど、そのほとんどを自分でつくる(仕入れ商売ではない)やり方では、今のところこれがマックスかな、と思う。死ぬほど働いてる訳ではないのでマックスではないのかもしれないが、忙しいときもあり、ちょっと気を抜くときもあるという毎日。

実店舗営業はグリーンシーズンのみ、冬は翌年の計画や試作、商品制作に勤しむ。4,5年前にパートは辞め、自分の店1本にした。年収でいうとパートと同じだな笑。

今は、できる先行投資は3万円くらい笑。


さて、これは起業とは言わないのか、言えないのか。やる意味がないと言われるか。

人それぞれだと思うけれど、子育てをほぼ終え、自分の時間で自分の仕事をやり、それが楽しいとすれば、少なくとも意味はある、と思う。ではあるんだけど…、もっとお客さんが来たり、売上があったりするなら、その分、もっと誰かの役に立てるのにな、という欲望(欲求)も頭をよぎり。

いや、そんな人の役に立てる資質を持った人ならとっくにやれてるよな、と戒める。来てくれるお客さんや買ってもらえる商品があるだけでありがたいんだ、と。

こんな起業もあるのですよ。



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