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KOKOコラム:02【言葉と心】

毎日暑いですね。各地で梅雨明けのニュースが聞こえ、きつい日差しと熱風に否が応でも夏を感じます。皆様いかがお過ごしでしょうか。

KOKOでは、主に言葉を用いてカウンセリングを行っています(話すのが苦手な人は絵を描いたり、遊んだりして心を表現できるように促していきます)。
心を言葉にすることで(大変なエネルギーを要す作業ではありますが)気持ちの整理をつけていく方も多く、心理士として言葉自体が持つ大きな力を思い知ることが多くあります。
考えや気持ちを言葉にする(そして話す)ことで、それまで形のなかった色や光にぼんやりと形が与えられるイメージです。
まったく手でつかむことができない気体(こころ前)だったものが触れることのできる液体(こころ)になる感じでしょうか。
そうすると少しだけ「扱える状態」になってきます。
ただ、言葉には限界があり、言葉にすると零れ落ちるもの(気持ち)があるのも確かです。
水をコップに入れようとした時に注ぎ口から溢れてしまうイメージです。
同じ言葉でも、発する人と受け取る人とでイメージが異なっていることはよくありますよね。
たとえば、同じ「悲しみ」とラベルされたコップの形が話す人と聞く人とで違っているかもしれません。
くりかえし言葉ややりとりを重ねて、「あなただけの本当の悲しみ」に近づこうとするのがカウンセリングだと思っています。
生きてきた背景や持っている価値観が違うわけですから、どんなに努力してもお互いのコップの形が100%完全にぴったり一緒になることはないでしょう。
でも、「私」と「あなた」のコップの違いを自覚して、あなたが見てきた(見ている)世界に少しでも近づきたい。
そんな思いで、カウンセリングを行っています。
もしも、私の理解が「少し違うんだよな」「しっくりこないんだよな」というときは何度でも遠慮なく仰ってください。
そこからまた言葉を尽くしながら、少しずつ話し合っていけたらと思います。

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