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7年前、息子が死ぬかもしれないことを受け入れるために書いた手紙

息子は7年前に、脊髄髄膜瘤で生まれました。

生後1〜2か月ごろに、何度か死にそうになったので、もう死ぬかもしれないと思うことがありました。
その時期に、私は、息子を死んだと仮定して、死んだ息子宛に手紙を書いていました。

当時の私は、そうやって、息子が死ぬかもしれない現実を受け入れようとしてたんですね。

以下はその手紙の内容です。

ちなみに息子は今は元気に生きています。
7年前に、息子が死にそうだったことを受けれいるために、死を仮定して書いた手紙です。

★★★

息子くんへ

お母さんは、息子くんが死んでしまってとても悲しいです。

来る日も来る日も息子くんのことを考えてしまい、お母さんはお母さんは涙が止まりません。

毎日毎日、ぼーっとしてしまい何もできません。

こんなお母さんの姿を見たら、息子くんは「なにやってんだよ!」と思うかもしれませんが、なにもする気にならないのです。

エリザベス・キューブラー=ロスさんによると死を宣告された人は、否認、怒り、引き取り、抗うつ、受容の5段階を経て死を受け入れるそうです。

たぶん、いまのお母さんはうつっぽくなってることから、「否認」、「怒り」、「引き取り」の段階をすっとばして、「抗うつ」の段階にいるのだと思います。

5段階目の4段階目ですね。
息子くんの死を「受容」できるまで、あとちょっとです。

お母さんが、「否認」、「怒り」、「引き取り」の段階をすっ飛ばし、こんなに短期間で「抗うつ」の段階に行けたのは、息子くんが病気で生まれたからですね。

息子くんが病気で生まれて、お母さんはすでに、なぜ自分の子供が病気なのかと「否認」し、
出産前のエコー検査で分からなかった病院に「怒り」、
神様に助けてほしいと「引き取り」をしました。

だから、息子くんが死んでしまっても、1〜3段階をすっ飛ばせて、いきなり4段階目にワープできたのです。

だから、お母さんはぼーっとしているようでも、前に進んでいるのです。
ここを乗り越えたら、あとは「受容」です。
あと一歩なのです。

だから、今は「抗うつ」の時期にいるのだなと思って、お母さんが泣いてばかりいても、何もしたくなくなってぼーっと座っていても、もうしばらくだなと見守っていてください。


そして、早く息子くんに会いたいです

でも、私が息子くんに会えるのは、私が死ぬときだから、40年か50年か60年後ですね。

それまでとても長いです。

もっと早く会いたいのですが、息子くんと会うためには天寿をまっとうしなければ会えないような気がするので、お母さんはお母さんの人生を歩んでいかなければなりません。

そして、お母さんが死んだ時に、息子くんに会ってお話をしたいです。

息子くんが死んで、お母さんがどれだけがんばったか、どれだけ楽しいことがあったのか。
それを伝えたいです。

そのためには、お母さんは充実した人生を送らなければなりません。
いまのお母さんにとっては、充実した人生を送るというのはなかなか難しい課題だと思いますが、息子くんが応援しているような気もするのでやってやれないこともないかもしれません。


だからどうか見守っていてください。

また会える日まで。さようなら。

★★★

以上、脊髄髄膜瘤で生まれた息子が生後1、2か月で死にそうだったので、死んだと仮定して息子宛に書いていた手紙です。

そうやって息子が死ぬかもしれない現実を受け入れようとしていました。
ちなみに、息子は今は元気に生きています。
手紙は私のiPhoneの中にしまってあります。


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