グッジョブ!!と思わず声に出た。
日常の中で、音楽は欠かせないものかと聞かれたら、私はそうでもありません。
音楽は好きだし、いいなぁと思う楽曲もある、応援しているアーティストもいれば、コロナが爆発的に広がる前はカラオケにもよく行っていました。
でも、本当に音楽を必要としている人を見ると、自分はそれほどでもないなと思います。
その理由のひとつが音楽ストリーミングサイトの使い方です。
Apple Musicや Spotifyなどが有名ですが、私はそういった類のサービスにお金をかけたことがありません。
もっぱら無料サービスのみ。
別にケチな理由でそうしているわけではなくて、好きな曲を好きな順番で聴けるというウリに、お金をかけるほどの価値が見つからないのです。
私の場合、車での移動中がゆっくり音楽を聴ける時間になるのですが、どんな曲がどんな順番で流れてきても、ほぉ次はこれか…と受け入れられるし、逆にそのシャッフル感を楽しんでいる節もあります。
違う視点で考えてみると、そこまで音楽に期待していないとも言えます。
どんな曲が流れてきても、運転中の私には大した違いはなく影響もない。
強いて言えば、曲によって大きな声で自信を持って歌えるか歌えないかくらいの差です。
さて、そんな私には8歳と4歳の娘がいます。
どちらもそれぞれの年齢特有の可愛さや大変さがあるのですが、特に4歳の娘の方は大変な癇癪もちで、「思ったようにできない」「思っていたのと違う」などの壁にぶつかると、もう嫌だスイッチが入ってさぁ大変。
なだめても説得しても聞く耳持たずで、気が済むまで轟々と泣きわめき散らかします。
もうこうなったら何をしても無駄だと諦めてひたすら嵐が過ぎるのを待つのですが、いくら可愛い我が子とは言えども、私に取って毎度とてもしんどい苦行の時間となります。
そして今日のそれも、前触れもなく突然やってきました。
幼稚園へお迎えに行くと、ニコニコの娘が私の手を握りながら今日あった出来事を「あのね、えっとね」と、一生懸命話してくれています。
うんうんそれで?と車に乗り込み、娘がシートベルトを締め終わるのを待っていると、様子が一変。
あれ?締まらない…カチャッてしない…。
うまくシートベルトが受け口に入らずに、手元がガチガチャと音を立てています。
どんどん表情が険しくなっていく娘を、やばい…スイッチが入りそうだ…とヒヤヒヤしながら見守っていると(手伝うと激ギレされるので手出しはできません)ついには「ひーん」とベソをかき始めました。
まずい!そう思ったその時。
「強く〜なれる〜理由を知った〜」
Bluetoothをつないだ車のステレオから、『紅蓮華』が流れてきたではありませんか!!
この曲は、言わずと知れた大人気漫画『鬼滅の刃』のアニメ主題歌で、娘も流行りに漏れず、禰豆子大好き鬼滅っ子なのです。(鬼滅の刃をご存知ない方すみません)
あ!鬼滅だぁ!
そう声を上げて、さっきまでの不機嫌が嘘のように『紅蓮華』を歌い上げる娘。
いつの間にか、シートベルトも装着完了です。
今後も音楽サイトは無料サービスのみの利用に変わりはありませんが、この崖っぷちからの生還に、思わず「Spotifyグッジョブ!!」と声を出した母さんでした。
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