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【国会クイズ】第29問 一般調査と集中審議

📚 問 題


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📚 正 解

 委員会では主に法律案の審議を行いますが、法律案ではなく、国会会期冒頭で決められるその委員会の調査テーマの範囲で、自由に幅広い議論をする一般調査と、テーマを限定して議論する集中審議を行うときがあります。
 
 例えば参議院厚生労働委員会の場合、第210国会(臨時会)の国会会期の冒頭で「社会保障及び労働問題等に関する調査」を行うことが決められました。
  また、委員会の議題は毎回決められますが、法案の審議をする時は冒頭で、委員長は「○○法律案を議題といたします。」と宣言して始まります。
 
 一般調査をする場合は、「社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。」と、会期冒頭で決めた調査テーマを宣言します。この一般調査は、質問の範囲がとても広くなるため、答弁に立つ政府側にとっては、何が来るかわからないという難しさがあります。議員にとっては法案に縛られることなく日頃から考えているテーマを自由に質問できるので、やりがいがあるという声もあります。
 
 委員会を開ける貴重な時間をできるだけ法案審議にあてたいという考えと、自由な調査を増やしたいという考えの狭間で、理事たちは一般調査のタイミングや時間を決めていきます。最近は、一つの法案に対し一回の一般調査が行われることが、増えてきたように思います。
 
 一方、法案ではないテーマを定めた審議を行うこともあります。令和元年5月21日の参議院厚生労働委員会では、委員長が、「社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、毎月勤労統計調査等に関する件を議題とし、質疑を行います。」と発し、毎月勤労統計調査をテーマにした審議をしました。毎月勤労統計の不正問題が大きな話題になっていた頃です。ただし「等」とあるように、すべての質問を毎月勤労統計に関連することに限定することを求めず、ある程度自由な質問もできる余地を残しています。
 
 公報の掲載の仕方も、一般調査と集中審議では異なります。参議院公報の委員会議事課程には質疑で取り上げられた主な案件が掲載されますが、集中審議の場合は、委員長が発した件名しか掲載されません。案件については一般調査では委員が、集中審議では委員長が案件を決める、と考えているのでしょうか。
 
 ただ、考えようによっては、委員会での集中審議はテーマを限定した一般調査とも言え、とりたて区別するものではないのかもしれません。確かに委員会で行われることは、ほとんどありません。ただし、予算委員会での集中審議は、もう少し特別な意味も持ちますので、これはいずれ説明します。
 
 

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【参考】 
参議院公報の掲載
 
📚法案審議
参議院公報 第198回国会(常会)【第96号 令和元年6月18日(火)】
委員会及び調査会等経過
厚生労働委員会(第十八回)
政府参考人の出席を求めることを決定した。
児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案(閣法第五五号)(衆議院送付)について
修正案提出者衆議院議員岡本充功君、安倍内閣総理大臣、根本厚生労働大臣及び政府参考人に対し質疑を行った後、可決した。
なお、附帯決議を行った。
 
 
📚一般調査

参議院公報 第210回国会(臨時会)【第19号 令和4年10月27日(木)】
委員会及び調査会等経過
厚生労働委員会(第二回)
政府参考人の出席を求めることを決定した。
健康増進対策に関する件、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策に関する件、
医薬品行政に関する件、
医療保険制度に関する件、
新型コロナウイルス感染症のワクチンに関する件、
非正規雇用労働者問題に関する件、
最低賃金に関する件、
コロナ禍における生活支援策に関する件、
障害者雇用対策に関する件、
新型コロナウイルス感染症に係る医療体制に関する件、
精神保健医療福祉施策に関する件等について
加藤厚生労働大臣、羽生田厚生労働副大臣、伊佐厚生労働副大臣、石井国土交通副大臣、本田厚生労働大臣政務官、畦元厚生労働大臣政務官及び政府参考人に対し質疑を行った。
 
 
📚集中審議
参議院公報 第198回国会(常会)【第76号 令和元年5月21日(火)】
委員会及び調査会等経過
厚生労働委員会(第十回)
理事の補欠選任を行った。
政府参考人の出席を求めることを決定した。
参考人の出席を求めることを決定した。
毎月勤労統計調査等に関する件について
根本厚生労働大臣、高階厚生労働副大臣、政府参考人、参考人毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会委員長代理荒井史男君、元厚生労働大臣官房統計情報部長姉崎猛君、元毎月勤労統計の改善に関する検討会座長阿部正浩君及び毎月勤労統計の「共通事業所」の賃金の実質化をめぐる論点に係る検討会座長今野浩一郎君に対し質疑を行った。
 
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