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【国会クイズ】第15問 委員長の選任

📚 問 題

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📚 正 解


 国会の実質的な審議は委員会で行われます。全議員が出席する本会議で喧々諤々の議論をするのは無理ですから、参加人数が限られている委員会で実質的な審議をします。これは委員会中心主義と言われています。

 この結果、委員会での審議は深まるものの、本会議は形式的な場になりがちで問題だと指摘する声もありますが、日本の国会では委員会の議論を重視する考え方は変わっていません。

 第210回国会(臨時会)の委員会は、参議院では17の常任委員会(第1種11、第2種6)、7の特別委員会、憲法審査会、情報監視審査会、政治倫理審査会が設置されています。
 このうち常任委員会の委員長は本会議で決めますが、それ以外は委員会で互選します。

 特別委員会は、国会冒頭の本会議で設置されることがほとんどです。初回の本会議が終わると数分後に特別委員会が開かれ委員長が決まります。委員会先例録で、特別委員長の互選は、委員会設置の当日に行うのを例とするとされているからです。

 では、委員長が決まる前に、委員長を決めるための議事を進めるのは誰でしょうか。

 答えは、一番年齢が上の委員です。

 年長議員が委員長席に座り、特別委員会の開会を宣言します。
 次に「本院規則第八十条第二項の規定により、年長のゆえをもちまして私が委員長の選任につきその議事を主宰いたします。これより委員長の選任を行います。」と発言します。
 次に選任の方法を決めます。主宰者が「つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。」と述べ、理事の一人から「委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。」との動議が提出されます。この動議を主宰者が異議の有無をもって諮った上で「それでは、委員長に○○君を指名いたします。」と発言し委員長が決まります。

 年長議員がこの主宰者になると「俺も年をとったなぁ」とボヤくのを何度か聞いたことがあります。

 規則上は投票で決めますが、私はまだ投票で決めた例を体験したことがありません。投票で決めるときは、何か通例でないことがあるときだと思います。先例録をみると6回の投票例が載っています。直近では第177回国会で1995年6月13日の午後4時54分から開かれた東日本大震災復興特別委員会で委員長を無名投票で互選しています。投票総数40票のうち22票を獲得し柳田稔議員が委員長となりました。

 さて、問の選択肢で「4.事前に政党間で調整して決める」とありますが、委員長を誰にするのかを政党間で協議することはありません。ただ、どの委員会の委員長を、どの会派から出すのかについては協議があります。その上で、委員長を割り当てられた委員会の委員長を誰にするかを、会派の中で決めます。このようにして事実上、事前に委員長が誰になるのかが決まっているので、委員会での委員長選任のプロセスは形式的なものになります。


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【参考】
参議院規則

第80条 特別委員長の互選は、無名投票でこれを行い、投票の最多数を得た者を当選人とする。得票数が同じときは、くじでこれを定める。但し、投票によらないで、動議その他の方法により選任することができる。
 委員長の選挙を終るまで、委員会に関する事務は、委員中の年長者がこれを行う。
 特別委員長の辞任は、委員会がこれを許可する。


参議院委員会先例録

一八  特別委員長は、会派に対する割当てに基づき、当該会派から推薦された者について、委員長の職務を行う年長者の指名により選任するのを例とする
 
 特別委員長は、議院運営委員会理事会において定めた会派に対する割当てに基づき、当該会派からあらかじめ推薦された者について、委員長の職務を行う年長者の指名により選任するのを例とする。 委員長の職務を行う年長者を委員長に選任する場合には、委員の推薦の動議によるのを例とする。


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