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美しい文章を書きたくなる
たまに、無性に美しい文章を書きたいときがある。ぼくの中での美しさとは「考えずに感じられる文章」のこと。頭の中で理解しなくとも、なんだか心がスッキリしたり、気分が透き通ったり、普段とはちがった身体の箇所に届けるような感覚の文章だ。
そんなときは、なるべく頭は使わないようにしている。頭で書いた文章は頭にしか届かない。
なので、お気に入りのゆったりとした音楽を聴き、頭の中をなるべくクリアな状態にする。
こういうときは、表現も楽しみたいものだ。普段とはちがった言い回しや表現にも、果敢に挑んでみる。間違いを恐れず、伝わらないことも覚悟して、自分が言葉で表現しているこの瞬間を自分の心で味わうのだ。
美しいと思い込んで書いている文章は、かなりの比重で内容の解釈のほとんどを読者一人ひとりにゆだねている。
その文章の書き手であるぼくは、自分の心や感情を動かすのに必死なため、意味や解釈を読者に任せるのは仕方がないのだ。
ゆえに、美しい文章を書こうとすると、駄作も多い。そのため頻繁には書こうとも思えないのが正直な気持ちである。
でも、こうして普段とはちがったところを動かして表現することが、たまらなく好きなのだ。
これをすることで、文章を書くことがぼくにとっては「情報発信」ではなく「自己表現」であり続けられる。
書かなきゃいけない文章は、ぼくには書けない。
書きたいとも思わない。
自己表現であるから、書きたくなるのだ。
まただれかのために書きたいと思えるのだ。
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