どうしても追いかけてしまう村山先生

『聖の青春』を再び読んだ後、いろいろ読んでいくのですが、どうしても村山聖先生の姿ばかり浮かび、彼が与えた影響を追いかけてしまいたくなりました。どの本かに、どなたかが、「お酒は病気によくないのでは?」と声をかけられたという話が書かれていて、ああみなさんわかっていらっしゃったんだなと思ったのでした。村山先生は一人の大人として「自分の選択」でお酒を飲んだり、みんなでマージャンをしたりしていたのだとわかり、それはそれでよかったのだと思いました。

最近、先崎学先生のこんな記述を読みました。

まさに、私が聞きたいことが書いてあり、ああ、みなさんそう思っておられたのだなと納得。
普通の20代の若者のように、お酒を飲んで、恋をして、結婚して、名人になりたいと思っておられたので、病気を振り払いながら過ごした時間は短くてもかけがえのないものだったのだと、なんだか少し安心した気分になりました。先崎先生のこの文章はものすごい迫力がある追悼文です。こんな文章を贈られた村山先生の鬼気迫る姿が浮かびます。

この本は、森信雄先生の一門の方々を取材したものです。
弟弟子の増田先生が、あの隣室に看護婦さんが待機していた「村山×丸山対局」の日を語っています。手術後にチューブをつけたまま対局に来たという村山先生、そして、深夜まで粘って逆転勝ちする丸山先生、想像するだけで異様な光景ですが、この丸山先生の心意気が村山先生の出場に応えるものだったのでしょう。今年の竜王戦挑戦者決定戦での羽生先生との三番勝負も素晴らしかったです。きっと今も心の中に村山先生のあの日の姿が残っていると思います。(忘れようとしても)

森先生の一門からたくさんのプロ棋士が巣立っているのを知ったら村山先生はびっくりされるのでしょうかね。

上に掲載した将棋ペンクラブの中には、在りし日の村山先生たちのお話がたくさん出てきます。とても面白いですし、みなさん文章がめちゃくちゃうまいです。

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