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豪快にて繊細

佐野洋子さん。
いわずと知れた名作中の名作、
「100万回生きたねこ」の
作者さんです。

この絵本が大好きなひとは
とても多いと思うのですが、
例にもれず私も大好きです。
一番好きな絵本です。

もう何回も読んでいて、
お話も結末も全て
分かっているのにも関わらず
毎回律儀に最後の一文で
泣いてしまいます。

こうして思い出しながら
書いていても泣きそうに
なってしまうくらいに
大好きでたまりません。

ああ、そうだよなあ。
そんなんだなあ。
しみじみと思って、
泣けてきてしまいます。

もしあなた様が未読でしたら、
ぜひ一度お手にとって欲しい…!
お気が向きましたら、
ぜひぜひ。

さて、佐野洋子さん。
この御本がひときわ有名なのですが、
小説やエッセイなども
書かれています。

最近読んでいるのが、
「ふつうがえらい」。
短編のエッセイを
まとめた本です。

佐野さんのエッセイも好きで
何冊か読んでいるのですが、
御本人のお人柄。
「100万回生きたねこ」で
主人公のドラ猫の感じを彷彿とさせる
ところが私には感じられて。

ああ、やっぱり
作品と御本人はどこかしら、
似ているところがあるのだなあ。
そんなふうに思っています。

一言で言うと、
「豪快にして繊細」。
きっぷのいいアネゴ肌の
印象が第一なのですが、
文章のその表現。

ケラケラと豪快に
笑っている中に、
キラリと光る佐野さん独自の
繊細な感受性。

それまで軽妙な語り口に
樂しく相槌をうっていたところに、
鋭く切り込む刃物のような
視線が割り込んでくる。

唐突なのでとても
印象深く忘れ難いのです。
相反するものが
矛盾なく同居している、
佐野さんにしか書けない文章。

絵本の最後の一文。
私は自分がこの世界を
去る前に、口元で
呟いてみたいです。

もしよろしければぜひ。
あなたの人生に、
佐野洋子さんという素敵な
スパイスをふりかけてみませんか?

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ここまで読んでくださいまして、
どうもありがとうございます!



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