ほりこーき

【TureDure】 思ったことをあることないこと時々真面目に書く随想録です。 【質問箱 de 三題噺】 質問箱に3つの単語(関連ない方がいい)を投げ入れてください。 その単語を使って、短編小説なり短編戯曲なり書いています。 https://t.co/uubLYqQ5Cj

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    ほりこーきの自由連想パルプ随想録

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    質問箱に寄せられた3つの言葉を使ってお話をつくる企画。あなたもお題を投げ込んでねっ!(不定期更新)

最近の記事

Ture Dure 42 : ムード・デザインの領域展開

本コンセプトは未だ言語的には未分化なままここに記されることになるが、すでに完成されている。それが未だ言語的に教育学的・学習論的・ワークショップ論的に分節化されていないだけであり、経験的にすでに発見されているものである。ゆえに、本コンセプトは何ら新しいものではない。私たちの目の前で絶えず私たちに働きかけていたものにようやく目を向け、耳を傾けることが可能になったというだけの話である。 メインテーゼ:学びはあるムードによってはじまり、そのムードがあるムーヴを生み出し、それらがムー

    • Ture Dure 41 : ムード・デザインとは何か

      ぼくはインプロっていう即興演劇をやりながら、人材育成とか組織開発とかの仕事をしているもんだからなのかみんなが困ってることを演劇のフレームで捉えている。 「同じことを言っていてもある人が言うとみんな言うこと聞いて、ある人が言うとみんなやらされ感が募る」 とか 「教えられた通りの手順で施策を実施したものの、変化が見られないし、徒労感がある」 とかとか言うこと。演劇のフレームで捉えるっていうのは (1)あらゆる社会的出来事を、人間の自然現象として (2)これまで人間が創作

      • ミモザ・シンクロニシティ

        これで学校という場所で卒業式を経験するのはきっと最後だろう。友人の多くはこの先、何回も何十回だって学校という場所で卒業式を経験する。そのたびにきっとこう思う。”辛いことや我慢のならないことがたくさんあった、誰にも気づかれず涙を流し、歯を食いしばって過ごした時間もあった。けれどそれらは今日という日のためにあり、そして今日から始まる明日への架け橋となるに違いない。あの子たちにもそうあってほしい。”と。 ”これまで過ごした時間は今日のためにあったに違いない”と疑いもなく感じられる

        • 自己紹介:堀 光希(ほりこーき)

          はじめまして。堀 光希(ほりこーき)と申します。インプロと呼ばれる即興演劇を人に教えたり、パフォーマンスしたり、研究していたりしています。インプロに限らず人材育成や組織開発の文脈でワークショップや研修デザインをしたりしています。“なんだかよく分からないけど学んでしまっていた“という現象や、“なんだかすごく大変だけど学びがすごく愉快だ”という状態がどのような条件で起こるのかということに関心があります。 略歴1994年愛知県一宮市にて生まれました。東京学芸大学 芸術・スポーツ文

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          TureDure 40 : 自由な発想の上手な潰し方〜戦さ場(バトルフィールド)ではなくて遊び場(プレイグラウンド)としての身体宣言〜

          即興演劇なんて嫌なことだほりこーきです。例にもましてインプロの話です。 「インプロとは即興演劇のことです」と言えば多くの人にとって最悪な言葉として響く。「即興」だけでも嫌だし、「演劇」だけでも嫌だ。本当にその通りだと思う。人前で何かを表現するのだけでも嫌なのにそれを即興で行うなんて正気の沙汰じゃない。 そもそも即興なんてのは才能があって、十分にスキルがある上に度胸がって自己肯定感が爆高いクラスの中でも一軍の奴らが一軍の奴らを笑わせるためにキャッキャするものであって、自分には

          TureDure 40 : 自由な発想の上手な潰し方〜戦さ場(バトルフィールド)ではなくて遊び場(プレイグラウンド)としての身体宣言〜

          True Dure 39 : 地獄にバラを飾りましょう

          2023年も年の瀬である。今年のことは大切にしたいと思った。およそ3年ぶりに劇場にお客様を入れて、対面でパフォーマンスをすることができたからだ。時々人と話していてハッとさせられるが、1年前(すなわち2022年12月)では、対面でマスクをせずにパフォーマンスをすることはかなり心理的ハードルの高いことだった。今となってはそんな気配もほとんどメディア上には無くなってしまったが、このことは忘れずにいたい。 私は即興で演劇を上演している。お客様に小さな紙を配り「読んでみたい架空の小説

          True Dure 39 : 地獄にバラを飾りましょう

          TureDure 38 : プレイフル・ラーニング

          オトナのためのウエダゼミが2023年11月11日ー12日に吉野のネオ・ミュージアムにて行われた。 メタ認知とファンダムをテーマに岡部大介『ファンカルチャーのデザイン』が課題図書として2日間。 はじめて訪れたネオ・ミュージアムは貯木による杉の香りが漂う場所にひっそりと佇む学びのアーキテクチャ。 バルコニーでモンドリアンの"ブギウギ"をサークルになってみんなで描き、自己紹介を回してすでに3時間。寒くなってきたのでネオ・ミュージアムに入る。 一階の経験のフロアは7m×7m×7

          TureDure 38 : プレイフル・ラーニング

          True Dure 37 : インプロのパフォーマンスをする時に考えていること

          ちょっと前にインプロ(即興演劇)のワークショップをする時にぼくが考えていることを書いた。今回は、インプロのパフォーマンスをする時にぼくが考えていることを書こうと思う。というのも今年に入ってから劇場でお客さんを入れてインプロショーをする機会が多く恵まれていることもあり、書きたくなってきたからだ。 インプロは即興演劇のことなので、即興で演劇を創る。「どこまで即興なんですか?」と十中八九聞かれるが、本当にほとんど何も決まっていない。イメージとしては、お客さんから架空の映画のタイト

          True Dure 37 : インプロのパフォーマンスをする時に考えていること

          2023.11.2

          眠い。寝るのが好きだ。一時停止。また始まるとはいえ、一時的に停止。 また目覚める、再開。簡単には割りきれない現実が、単純には抱き寄せられない身体が、溢れた日常。身体はいつも燃えている。炎症につぐ炎症が、私の身体を引っ掻きまわす。自分で自分を傷つけるループ。念仏唱えても救われない。 一時停止。暗闇よ、そばにおいでよ。私の身体のことを忘れさせてよ。たったの一時停止だけでも、私の身体が誰かに触れてもらえる可能性をわずかに抱えているということを、忘れさせてよ。かつて私の身体に触れ

          TureDure 36 : 圧縮フォルダとカーニバル

          最近、言葉ということを考える時に、あるイメージを使う。それが箱ということだ。ラッパーであるダース・レイダーさんの受け売りでもあるが、ぼくはダース・レイダーさんの本を読む前に言葉というのは「圧縮フォルダ」だと考えていた。これも同じように箱のイメージで言葉を捉えている。 ぼくはこれまでワークショップと呼ばれる活動によく関わってきた。ワークショップのメニューを考えてデザインするだけのことも最近では多くなってきたが、それよりも進行役(ファシリテーターと呼ぶ)としてワークショップの現

          TureDure 36 : 圧縮フォルダとカーニバル

          ピュシスを覚えているか

          「カフェ 古猫」にて。あっちはカフェモカ、こっちはエチオピア。 音楽はドン・シャーリー『Georgia On My Mind』。 ぬるんとしながらピカピカしたコーヒーカップにミルクを足そうとした。 「いつだって最後はミルクを入れるよね」 「もったいなくない?せっかくあるのに」 「単価なんてたかが知れてるでしょ」 「うわ、やなやつじゃん」 「好き好んで入れるならいいんだけど、もったいないから入れるのって不誠実だとは思わない?」 「ミルクを入れることだけで自分の人間性

          ピュシスを覚えているか

          めんそーれが聞きたくて

          秋葉原はそろそろ秋を迎えて着火しやすくなってくる。この町は火事が多いところだったらしい。何かと燃えやすく、火事場にどれだけの泥棒がいたのだろうか。果たして何を盗んでいったのだろうか。 兎さんとは本名だった。田中 兎さんはサークルの同期だった。最もすぐにやめてしまったので、サークルの活動ではほとんど一緒になることはなかった。ぼくらのサークルといえば天体観測をするサークルで、20歳そこらの男女が夜にぞろぞろと集まっては星を眺めるんだから、まぁ、そうね、サークルの人間関係もそれな

          めんそーれが聞きたくて

          ジョハリの窓と缶ビール

          父はなんともない人だった。父はいつも夜の9時くらいに帰ってきて、ご飯を食べて、テレビを観て笑って、お風呂では湯船に浸かりながら寝てしまう人だ。ぐぉぉ〜っとお風呂場から父のいびきが聞こえる。たまにテレビで湯船で寝落ちしてしまってそのまま溺死することもあるなんてことも言っていたからいつもほんの少しだけ、心配している。 父はお風呂から出たらパジャマに着替えて缶ビールを飲む。スーパーで一番安いやつを段ボールにはいったやつで買ってくる。それを母も飲む。母は夕飯前から夕飯後23時くらい

          ジョハリの窓と缶ビール

          しょうがないことの夜

          名古屋駅で見上げた夜は高いビルと高いビルの間で窮屈そうにしていた。 ぼくは大学3年生で、こうして夏休みになったら地元に帰っては、高校時代のときの友人と久しぶりにお話をしていたりする。川内さんとはそんなに高校時代にすごい仲がよかったわけではないが、大学生になってからは、なんかそういうノリで、飲みに行こうとなったりする。 川内さんは正直タイプだった。大学生になってようやく私服姿の川内さんを見たが、思っていたよりもジェンダーニュートラルなファッションをしていて、イメージと真逆だ

          しょうがないことの夜

          TrueDure 35 : Pororoca、あるいは生成変化する光

          今日は休みだ。外は暑いのでなるべく室内で過ごそうと思う。最近は仕事が忙しくて少し部屋が散らかってきているのでそれの片付けをして、今週末の出張に向けて洗濯をした。洗い終えた衣服を干そうと思って、ふと何か音楽でも聴きながらにしようと、ぼくはPororocaの『シャラズルデイズ』を流した。そしてぼくは洗濯物を干しながらこの曲に感化されて、泣いた。感動的な曲というよりは盛り上がるアッパーな曲である『シャラズルデイズ』で泣くことになろうとは自分でも意外だった。理由は簡単だ、すぐにわかる

          TrueDure 35 : Pororoca、あるいは生成変化する光

          「サモエの嫁入り箪笥」第2話(最終話)

          どれだけ眠っていただろうか。サモエはすでに暗くなりかかった夕ぼらけの中で重たい頭を持ち上げた。起きてすぐ体温がぶわっと上がって汗が滲んだ。暑くなったのでお水を飲みに井戸の方へと向かった。サモエの家から井戸へは少し歩いたところにある。サモエはふらふらと少しずつゆっくりゆっくり水を求めて歩いていった。これまでこんなにも疲れたことがあっただろうかという気がしてくる。なんだか狐にでも化かされている気分がする。狐ね、狐。サモエはふと母から教わった、まじないを思い出した。まず、両手で狐の

          「サモエの嫁入り箪笥」第2話(最終話)