#238 ルービックキューブ
しょうへいの少年野球の試合が、雨が降り中止となり、娘の家族が久しぶりに、私の家に帰ってきた。
私たちは本屋に行った。孫のしょうへいは、本屋の文具コーナーで、マーカーペンを買った。『教科書などの重要な語句にアンダーラインをひくために使う』と、本人は言っていた。
マーカーの近くにはルービックキューブが置いてあった。「昔は、大ブームやったで。」と、私が言った。しょうへいは、「今でもやってるで。」と答えた。娘(しょうへいのママ)は、「今日はマーカーだけやで。ルービックキューブは買わへんで。それに、すぐ飽きるで。」といった。
それでも、しょうへいは、サンプルのルービックキューブをやっていた。熱心にルービックキューブをやっているしょうへいを見て、妻は「そんなに欲しいの?。そしたら買うてあげるわ。しょうへいは、あんまりおばあちゃんの家に来ないからな。」と言った。
本屋を出ると、早速ルービックキューブを始めた。妹のりかこは、「この前も大きな本屋さんに行った時、しょうへいが、ルービックキューブがほしいというたけど、ママにあかんと言われてすぐにあきらめたわ。今日は、おばあちゃんのいる前やから、欲しそうに頑張ったんやで。おばあちゃんに頼んだら買ってくれると思ってるからな。」といった。しょうへいもニコニコしながら「そやで」と言った。
少年野球が生活の中心となっているしょうへいにとって、私の家に来ることは年に数回になっている。しょうへいは、学校や野球に必要なものは買ってもらっている。
妻は、「欲しかったものを買ってもらってうれしいやろな。たまにはええと思うわ。6年生で体もしっかりしてきたけど、まだ子供やな。」と、私に言った。
しばらくして、娘の家族は、帰っていった。しょうへいもりかこも、「またくるわ。」と言って、窓ガラスを開けて手を振っていた。
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