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どうなる?!大学入試ー各大学のAO/推薦入試の現状

こんにちは。Kokiです。

最近東大の推薦枠増枠、そして東北大の将来的に全ての入試を推薦入試に移行するというニュースを立て続けに耳にしまして、今後の大学入試の動向は私としても興味があるので、現状AO入試や推薦入試でどのような能力が求められているのか、整理してみようと思います。現状整理して今回の記事は終わります。。。

今や日本における大学入試は現場のカリキュラムすら左右する重要なファクターになっているかと思います。入試方法の変化は当然現場の変化ももたらすと思われるので、今後はその点も考えながら書いていけたらと思います。

*今回挙げる入試方法はいくつかの大学の例なので、全ての大学の例をカバーすることはできません。あくまで参考として見ていただければ幸いです。


推薦入試

大学入試の推薦入試方式の基本的な情報はこちらで確認できるかと思います。簡単に整理すると、推薦入試は指定校推薦公募推薦に分かれます。指定校推薦は大学側が高校に対して枠を指定し、校内選考を通じて評価されます。公募推薦は学校長が推薦する一般推薦と、優れたスポーツや文化活動を評価対象とする特別推薦に分けられます。

国立大学で採用されているのは主に前者の一般推薦であり、東大などが採用する「学校推薦」はこの前者の公募ー一般推薦のことを指します。指定校推薦は一般的に早稲田大学、慶應大学などの私立大学が用いています。

本記事においては特にことわりがない限り、この「学校推薦」つまり公募型の一般推薦について扱います。

学校推薦の要件

学校推薦では推薦要件の中に「評定平均値」が定まっている例(東京医科歯科大、お茶の水女子、千葉大、筑波大、横浜国大、神戸大、大阪大の一部学部、京都大の一部学部など)が少なくなく、「学校での成績」を重視した入試制度である言えるのではないかと思います。東大の推薦は「上位5%」などの相対評価を導入しています。

ただ調べてみると意外にも推薦要件のなかの「評定」は必ずしも絶対的な存在ではなく、評定提出の代わりに「共通テスト」の受験を要求する学校や、一橋大、東京外大のように評定平均の代わりに英語外部試験のスコアの提出を求めている例もありあります。

また、推薦の要件を満たしたとしても、面接や小論文を選考に課す大学が多いため、学校の成績は最低要件であると言えるかもしれません。

学校推薦の要件を要約すると、絶対的に必要なのは「推薦書」で、あとは「評定値」か「外部試験のスコア」もしくは「共通テスト」の受験、ないし両方が求められることになります。

以下に幾つかの大学の推薦要件を示します。

東大経済学部の推薦要件(令和6年度)
*a 優秀とは「当該教科について高等学校等内で上位10%に入る成績をおさめていること。」だそうです。
一橋大経済学部の推薦要件(令和6年度)
東京外大言語文化学部の推薦要件(令和6年度)
お茶の水女子大文教育学部の一部学科の推薦要件(令和6年度)

学校推薦入試で計られる能力

まず1番に学業成績がある程度高くないと出願できない大学が多く、評定が求められない大学でも共通テストを科す大学が多いため、学業が優秀であることは最低限必要な要件であると言えるでしょう。

それに加えて面接や小論文で表現するための「論理的思考力」「見識の広さと深さ」「言語表現力」が求められるといえるでしょう。面接や小論文は最終選考として課している大学が多いので、おそらくここで差がつくものと思われます。

またこれは推薦に限らず、AOや一般入試でも同じですが、全受験生が提出する「調査書」には1)各教科・科目等の学習の記録(学年別・科目ごとの5段階の成績と修得単位数)2)各教科の学習成績の状況(評定平均値)3)学習成績概評(高校3年間の成績をA~Eの5段階で表したもの)4)総合的な学習の時間の内容・評価 5)特別活動の記録(生徒会役員・委員会活動・学校行事の役員など)6)指導上参考となる諸事項(部活動・ボランティア活動・留学、取得資格・検定、表彰・顕彰など)7)出欠の記録 が含まれています。この内容を書くことは文科省によって定められているため、これらの内容でプラスないしマイナスの要素があれば入試の結果に影響することは全受験生に共通して言えることです。

AO入試(総合型選抜)

AO入試とはAdmission Office入試のことであり、現在では総合型選抜と呼ばれている(こともある)ようです。AO入試は名前からも想像がつくかもしれませんが、学校のAdmission Policyに適した人間を選抜するという理念のもとにある入試方式で、アメリカの大学の入試に近いものがあります。

AO入試は早稲田大、慶應大などの多くの私立大学の一部学部で導入されていますが、北海道大、東北大などの旧帝国大学群や、筑波大、千葉大など多くの国立大学でも一部学部で導入されています。

AO入試の選抜方法

上記のように大学のアドミッションポリシーに適しているか判断する入試方法であるために、その選抜方法はさまざまです。以下に数例を挙げます。

東北大学法学部:評定Aが出願条件→筆記試験&書類選考→面接 もしくは 大学共通テストの受験が出願条件→書類選考&共通テストの点数→面接
早稲田大学対象学部:出願条件は一般選抜と同じ→書類審査→筆記試験→共通テスト
慶應SFC: 書類選考→面接

提出が必須とされる書類の中には課題レポートや活動報告書などが含まれているケースが多いです。また、英語能力試験の結果を任意で提出できるケースもあります。

東北大法学部のAO入試(共通テストを課さない)要件(令和6年度)
東北大法学部のAO入試(共通テストを課す)要件(令和6年度)
早稲田大総合型選抜の要件(令和4年度)
慶應SFCのAO入試要件(令和6年度)
慶應SFCの出願資格(令和6年度)
慶應SFCの出願資格における書類選考免除要件(令和6年度)

AO入試で計られる側面

これは大学によって判断軸が大きく異なるためなんとも言えません。しかし学校推薦方式に比べあらゆる側面を総合的に判断するという色が強く、必ずしも特に学業優秀である必要がない(特に評定)のが特徴と言えるのかもしれません(ただもちろん東北大のように学業が優秀であることが必要条件である場合もあります)。ではどのような側面を総合的に判断するのか。

  • 学業成績(書類審査・共通テスト)

  • これまでの活動実績(書類審査)

  • 論理的思考力(面接/小論文)

  • 知見(面接/小論文)

  • 表現力(面接/小論文)

  • 入学に対する熱意(面接)

  • プログラムへのフィット(面接)

ここまで読むとまるで大学受験の対策本を書いているかのようです(笑)

次回はこれらの前提をもとに、計られる側面はどのように育まれるのか、そして推薦入試の増枠、AO入試の全学部全枠に対して実施された時、学校教育にどのような影響が出るか、受験生にどのような影響を与えうるのかをやや二元論的に(笑)検討したいと思います。


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