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灰色が嫌いだった

昔から〈灰色〉が嫌いだった。

グレーと呼ばれる服も!

シルバーと呼ばれる車も!

なんで、好き好んで灰色をチョイスするのか、と。

ジジババ臭いし、はっきりしない。

そんな灰色を選ぶ人を嫌悪さえしていた。

だから、大人になるまで灰色の〈モノ〉を所持した記憶がほとんどない。

でも。


40歳になった今。

僕はあれほど嫌いだった〈灰色〉に魅了されている。

グレーの服、好んで着ている。

アースカラーに良くなじむ。

グレーのnew balance M1400。

一番好きかもしれないw

マイホームのガルバリウムも灰色。

つい先日も、ジェットストリーム(多色ボールペン)の色を選ぶ時、迷わずシルバーをチョイスしている自分がいた。


どうして、こんなに〈灰色〉が好きになってしまったのだろう。

この前、ふと考えてみた。

灰色(はいいろ、カイショク、英: gray / grey)は物を燃やした際に出る灰のような色。例えば、白と黒の着色材の混合によって作ることができる。無彩色もしくは白と黒の中間色と呼ばれるが、普通は若干の色味を有する。
wikipedia「灰色」より抜粋

〈灰色〉は無彩色。

灰色という不確定な属性は、時に”暗い気持ち”や”疑惑”といった感情を形容する。

でも、一方で、その深みの中に〈青〉〈赤〉〈黃〉それぞれの色を見て取ることもできる。

実に不思議な色だ。



僕自身、これまでははっきりと彩色した色に包まれていないと、自分が何者かを証明できなかったのかもしれない。

でも、ようやく〈灰色〉を受け止めることができる年齢になった。

〈灰色〉をまとうことができる自分になれたのだ。

年配の方々が、好む理由も今になって理解できる。

〈灰色〉を好きになった自分。


大人になったのかな。

ちょっとだけ嬉しい気持ちになった。


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