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北海道 3日目
大体旅行先では目覚ましより先に起きる。
そして大体体調が悪い。
重い瞼と体に鞭は打たず二度寝するのもいつものことである。
完全なる単独行動は今日が初。
レンタカーの予約を前もってしとくべきだったと思うが、なんとか四駆の車を借りることができた。
今日はウポポイ、ウポポイを目指す。
響きがとても気に入っている。
ちなみにウポポイは「歌うこと」の意らしい。
北海道は面積が広すぎるからか、道の整備があまりされておらず、上下に揺れながら車を走らせる。
ウポポイは白老(しらおい)町にある。
初めて聞く名である。
高速で行けば札幌から1時間程度だが、思った以上に金がかかる故、下道で2時間半かけて向かう事にした。
時間は掛かるが、途中支笏湖に寄れる。
湖という単語の魅力は計り知れない。
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1時間程山道を行くと、目の前にだだっ広い湖。本当に広い。今日は曇りで、鮮やかでは無かったが、霧がかかり淡い色合いの景色は日本画のようで幻想的だった。
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湿度や気候などが影響して、日本画のような形が生まれたのかもしれないなと思う。
山道を抜けると開けた町にでた。
そこから車を走らせようやく白老につく。
目指すはウポポイ。
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たどり着くとそこにはでかい施設、でかい自然、沢山の修学旅行生がいた。その全てに緊張し、iQOSで呼吸を整える。
お前らとはアイヌへの思い入れが違うと、別に勝負もしてない高校生に向け意気込んで施設に向かう。
入場料は1200円で、年パスは2000円。
2度以上くる可能性を考慮し年パスを選択。
年パス用の写真も撮ってもらえたので実満足度は2000円超え。
施設では歴史だけでなく、価値観や生活の様子、服の作り方など体系的にアイヌについて知る事ができた。
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全てのものに聖霊が宿っているというアイヌの価値観はとても興味深い。ぜひ調べてほしいが、すごくロマンを感じた。
とにかく聖霊を丁重にもてなすのだ。
もてなす事で、どんどん循環する。
超絶win-win。
最高の考え方である。
見学を終え、ここからどうするか悩む。
明日は美瑛に行く予定だったが、無くなってしまったので、プランを練り直す必要がある。
そもそも北海道にはアイヌの人に会いたくてきた。阿寒湖アイヌコタンに行きたいが、約6時間かかる。
今日の体力を考えると必ず鹿を轢くと思い、明日もう一度ウポポイする事に決めた。
そうとなれば宿である。
友人に教えてもらったHakuという宿に泊まろうと思ったが、緊張するので一旦様子を見る事にした。
カフェやshopもやってるので、雰囲気を視察しに行く。
入店一番に「カフェご利用になりますか?」と問われる。
なんやねんその質問と思いつつ、断れないけど頑固な性格なので「あ、えっと、一旦中見ていいですか?」とよく分からない返事をしといた。
こっそり雰囲気を感じる計画はご破産である。
中を見て回っていたが、全く雰囲気はつかめず注文もやむなしと判断。
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腹が減っていたのでキッシュを注文した。
そして胃袋をつかまれた。宿はここに決めた。
「今日って今からでも泊まれます?」と一言。
笑顔で「もちろん!!」と言われる事を想像していたが、「今からですか?えっと、今日お部屋に泊まるって事ですよね」と返ってきた。
全く会話が噛み合っていない。
なんか最近こういう事多いなとコミュニケーションに対する自信を失っていく。
ともかく宿の確保には成功した。
後は体のメンテナンス。
私は絶対に温泉に入るマンと化していた。
サウナを一発キメないと、ダメになる気がした。
虎枝浜温泉という温泉が割と近場にあると知り、車を走らせる。沿岸なので道路の横は海。天気が悪い分、薄暗く霧も出ていてとても怖い。
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海には青だけではなく、灰色も混ざっている
菅田将暉と米津玄師がコラボしたんか。
ようやくたどり着いた虎枝浜温泉は、昔の観光時代に取り残されたような場所だった。
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ノスタルジックやエモいという言葉がなければ、ただのボロいホテル。
しかしそれらの言葉によって、このホテルは最高のホテルへと変貌していた。
もう閉鎖されているゲーセン、誰もいない休憩室。そしてあの独特の匂い。
あぁ、エモい。
ここのサウナと水風呂は最高だった。
サウナは熱いし、水は凍えるほど冷たかった。
一番北海道を感じたかもしれない。
2セットキメた俺に敵はない。
行きより数センチは歩幅を広くし、ホテルをでる。完全に勝った。何かに打ち勝った。
宿に戻り飯を食う。
近くのスーパーで買ったホタテの刺身と稲荷。
ホタテは5、6個入って330円。
しんじらんない。
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問題は1つで十分だった事だ。
二つ目からは流し込む作業に変わっていた。
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ベットに戻り今日を振り返る。
もう2時半。明日鹿を轢かない事を祈るしかない。
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