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鹿児島の端っこで、香りの旅始まる。
4月8日。この日が僕にとって、香りの旅のスタート地点になる。
香水を作ろうと思い始めて3か月ほど、ようやく初めて自分で調合する機会が来た。ひょんなことからできたつながり。やっぱり人生は出逢いの連続でできてるんだな~と実感する。
鹿児島の先っちょ、大隅町にあるボタニカルファクトリー。
坂を上り、ひっそりと現れるにしては堂々とした佇まいの学校。
この中にボタニカルファクトリーがある。
入ったそばからナチュラルな香りが凄い。一気にリラックスモードになってしまう。
ちらっと中をのぞくと、蒸留する機械が!!かっけえ!!
まずはボタニカルファクトリー代表の黒木さんから香水や化粧品業界について教わる。
香りの歴史や、化粧品業界の現状など面白い話をたくさん聞くことができた。
そしていよいよ香水の制作に入る!!今回は、精油だけを使って香水を作る。
香水は、揮発性の順にトップノート、ミドルノート、ラストノートという三層で作られている。つけたときにすぐ香るのがトップ。少し時間がたって香るのがミドル。最後に残るのがラスト。
この構造をもとに、香りを組み合わせていく。
今回はトップとして、レモン・マンダリン・ペパーミントの精油が用意されていた。
春らしく、甘く香るフローラルをイメージした僕はマンダリンをトップのメインに置くことに。マンダリンの精油はすげえオレンジ色。もはやうまそう。
ミドルには、ローズマリー、ラベンダー、ジャスミン、イランイラン、フランキンセンスなどがあった。イランイランは、香水によく使われているが精油を嗅ぐのは初めて。
恐る恐る嗅ぐと、甘くてほろ苦い香りが。悪くないが、混ぜると後ろにコクが残りそうで要検討員です。
フランキンセンスは、さっぱりとした木々の香り。すごくいい香りで採用したい気持ちがあるが、今回のテーマである甘いフローラルには不向きか??
ラストには、ベチバーという精油が。こいつが凄い。マジでゴボウ。すごくゴボウ。ただただゴボウの香りがする。こいつは一滴入れるだけで今まで作り上げてきたものを大きく変化させる、良くも悪くも。こいつをどう使うかが肝ですね。
完成するまでに、幾度となく入れては香ってを繰り返しました。
配合量をメモして、何を足すか、何を抜くかを考えていきます。
そして完成したのがこちら!!
パッと見、オレンジジュースのようなこの液体が、僕のfirst productです。
振りかけると、ぱっと柑橘系のさわやかな甘い香りが。そして、その奥にフローラルなラベンダーやジャスミンの香りが潜んでいます。
今回、初めて香水を作りましたが、とにかく面白かった。
何を足して、何を引くとどんな香りになるのか。一見曲者のゴボウちゃんも、ほんの少し入れると香りに奥深さが出て、味わい深いものになる。
その不思議に感動しつつ、この仕事のおもしろさの一端に触れることができました。
香水を作り終え、学校の屋上でほんの少しだけ黒木さんとお話。
興奮冷めやらぬ僕は、大隅という大自然に圧倒されながら、今後について熱く語っておりました。
今回の旅で気づいたのは、やはり僕は香りが好きだな~ということです。
一つ一つ、違う香りを味わいながら、作りたい世界観を作っていく作業。時間を忘れて没頭することができました。
まだまだほんの少し足を踏み入れただけですが、この後の世界には何があるのか。本当に楽しみでなりませぬ。
今回は、あくまでいいなって思う香りを限られた数の中から創り出す作業だったけど、世の中には数多もの香りがあって。そして、自分が思っている世界観を表現するためにそれらを組み合わせる。
そんな日を迎えられるためにも、これから頑張るぞ!!!と、そう心に誓った、旅立ちの日でした。
(2021.04.12)
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