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短文学集

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筋も思想も体系も、全部気にせず楽しむことを短文学と称して日々の感傷を綴る。
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2020年9月の記事一覧

明滅

明滅

 黄色い信号が明滅している、それだけの交差点をいくつも通り過ぎる。取り締まるべき車の流れなどとうにない。その下を早足で行く私にはまるで興味を示さない。私とて、その明滅に日中ほどの意味を認めないで、ただ足音だけを鳴らして過ぎる。

 もうどれほど歩いた。先ほどまで身体を駆け巡っていたアルコールが汗と滲み、それをもう随分夏の夜に振り落としてきた。普段は車内から見るばかりの街路樹や花を、これほどゆっくり

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