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スクラップ・アンド・ビルド・JAPAN


20年近くおなじ街に住んでいるが、街の景色はどんどん変わっていく。庭付きのゆったりした戸建てが1軒なくなると、そこには新建材でできた三階建ての建売住宅が何棟も建つ。
新築信仰が根強い日本では、日々スクラップ・アンド・ビルドが繰り返される。

木造住宅の法定耐用年数は22年で、不動産的な価値でいうとゼロ円となってしまうそうだ。築60年以上の賃貸戸建てを耐震補強+リノベーションして住んでいる我が家にしてみれば、20年30年で取り壊すなんてもったいない、と思ってしまう。丁寧にこだわりをもって作られた戸建てなら、なおさら惜しい。

良い素材で丁寧に作られた家は年月が経っても美しい。
無垢の床板は、年に一度ワックスをかけておけば、飴色に味わい深くなる。
新建材で作られた家には、そういう味わいは生まれないから、買ったときが美しさのピークでどんどん劣化していくばかりだ。

東京たてもの園にある、1942年(昭和17)築「前川國男邸」など、いまでもモダンでかっこよく、美しい。
https://www.tatemonoen.jp/panorama/west_jp/w06/

さすがに前川國男邸レベルのものを手に入れるのは夢物語だが、こだわりを持って丁寧に建てられたセンスのいい中古戸建、そういうのがいい。


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