押しボタン信号を押した瞬間、世界はわたしのもの。

午後5時半からの散歩。チャイムが鳴ってから出かけるなんて、不良だよ。この辺にあったはずのケーキ屋をいつまでも見つけられず。赤紫の夕陽をおかずにシュガーロールを食べた。3週間ぶりに涙が出た。死にたい病に冒されている。外で歩きながら食べるのは、やっぱりちょっと罪悪感があるなあ。この時期特に、ごめんなさい。外面も内面もすっぴんで許されるこの街の生温さは心地良いけど、やっぱり長く浸かってるとふやけちゃうよね。居場所の無いうちにさっさと出ていかなければ!あーあ、こんなに醜いおまえはもう誰にだって愛されないよ。うるさいな。恋も愛も脆いから美しいんだね。おぇ!しばらく離れていた友人と久しぶりに会ったらあの頃に戻れるのに、あんなに愛し合ったふたりがもう戻れないのはどうしてだろう。六畳の立方体の中では息が詰まってうまく泣くこともできない。ビーグルかわいい。あのしっぽを整えてとんがらせる仕事がしたい。押しボタン信号を押した瞬間、世界はわたしのもの。好きを積もらせて形にしては崩す作業を繰り返している。よく飽きないな。この機械音、耳鳴り?外の音か。1ヶ月もまともに外出していないと信号の作法を忘れる。青信号で一瞬止まってしまった。日に日に暗くて前が見えないな。わたしは1年後も存在するの?面接内定就職就職五月蝿いよ。どこでも良くない、何でも良くないよ、だって実は、何にもできないから。わざわざお祈りしてくれてありがとうね。隕石がぶつかって傾いた地軸みたいに、なんだかわたしも斜めになって。思い返せばわたし、何か失敗するたびに、あれ、こんなもんじゃないはず、おかしいな、と他人事みたいに思ってた。オリオン座、死ね!死にたいと思う、ちょっと違う、消えたいと思う。なんであんないじめっ子が幸せそうなのよ。神社で3回、幸せになりたいです、と唱えた。やっぱり、わたし、愛されたいなあ。

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