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チームスポーツにおいて部員としての在り方が多様化している。

高校生からの質問

先日、同じ中学校の後輩から「体育専門学群以外の学部に入った場合、練習に出れなくなってしまうことってありますか?」という趣旨の質問を貰いました。

その質問に対してこう答えました。

「体育の学生よりは出れなくなるね。でも実際、今の4年生は体育以外の学部に所属している学生が多くて、練習にも遅れて参加したり、日によっては参加できない日もあるんだけど、その中でも一人一人が頑張って練習していたし、その中でも試合に出るメンバーが何人かいたよ。」

同時に試合に出れないメンバーがいることも伝えようと思いましたが辞めました。彼にそのことを伝えることは現時点で必要ないと思ったからです。

競技スポーツである以上、試合に出るつもりでチームに所属するという「気概」が必要で、もし情熱持ち続けることが出来ない学生は辞めることも一つの勇気ある選択だとうちの先生は言います。

しかし近年、その理想(チームに所属する以上は試合に出る気概がなければ行けない)も多様化していく方向にあります。

今回は私の実体験、また私が関わったチームメイトから教わった「チームに求められる存在になるために何が出来るのか」について考えていきます。

チームの理念

これは「そのチームが存在する意味、意義」のようなもので、社会にどんな価値を提供できるのかと考えることも出来ます。

筑波大学ハンドボール部の理念は

『ハンドボールを通じて人々の成長と文化の発展に貢献し、自信や勇気、誇りを持って社会に出ていく。』

この理念を基にして、どんな使命があるのかというと

(1)魅力的なハンドボールを追及し,発信すること
(2)ハンドボールを科学し,新しいハンドボール観を探求,発信すること
(3)ハンドボールの楽しさや魅力を伝え,ハンドボールの普及に貢献すること

⑴は、自らがハンドボールを追求することで得た知識や経験を後輩であったり周囲の人たちに伝えていくことです。

⑵は、ハンドボールを科学的に追求し(研究ですね)、これからのハンドボール現場に活かしていけるような知見を探し出す、つまり論文を書くということです。

⑶は、小学生、中学生、高校生への指導を通して、ハンドボールの魅力を伝えていくことで、毎年行っている「フェスタ」や、僕が今行っている小学生クラブチームへの指導、また中学校への指導がこれに当たります。

チームに求められる存在になるためには、まず大前提として所属しているチームがどんなチームなのかをしっかと理解する必要があります。

インカレの優勝や、リーグ戦の優勝はあくまでも「目標」です。その為にチームの力になることが出来るのは、当然のことですが試合に出る選手だけではありません。

上記にある理念、使命をどういった形でも体現することこそが、チームに求められる存在だと考えます。

部員としての在り方の多様化

さて、冒頭部分で「競技スポーツである以上は、試合に出るつもりで所属していなければならない。」ということを書きました。

こんなことを言う理由は

向上心もなく部に所属していることで満足してしまっていた場合、いわゆる腐ったみかん状態になり、その雰囲気は周囲に伝染してしまうからです。

試合に出ることを目指し続けることで、熱量を確保しようとしているわけです。しかし、最近は試合には出れないけど情報戦略的な側面、また広報的な側面でチームをサポートしたいという学生が出てきました。

これまでだったらチームを去っていたかもしれない学生が自発的にそういったことを申し出るのは本当に勇気のいることだと思います。

実際に、スカウティングのためのビデオ編集、広報のためのSNS運営、ライブ配信の実況、チーム財政の運営、遠征の際の統括など、チームの活動がスムーズに回るために本当に多くの学生が尽力してくれています。

試合に出る選手だけが頑張るチームは絶対に勝つことは出来ません。

筑波大蹴球部の小井土監督が「熱いお湯が下から上に上がるように、チームの中でトップチームに火をつけるためにはセカンド以下のチームの熱量が必要だ。」とおっしゃっていました。

チームのために役割を全うする選手、当然のことながら、技術的にまた体力的にはついて行けないけどチームの力になりたい、自分にできることがあればやりたい。と言う学生を拒むことは絶対に出来ません。

現在4年生の加藤君もそのうちの一人で、かなり早い段階からチームのため、自分のために出来ることを実際に行動に移すことが出来るパワフルな人物です。

試合に出るだけがチームへの貢献ではないこと、個人の力の証明ではないことを彼が体現しています。ちょうどさっき読んだ記事の後半部分とリンクしています。

最近はまたプレーすることの喜びに目覚めているようです。笑

最後に

今後はいずれのチームにおいても、チームの中の役割がさらに細分化されていき、それぞれに専門的な知識が必要になってくることは間違いありません。

これまでハンドボールしかしてこなかった人は苦しい状況に追い込まれてしまい、チームに求められる存在にはなり得ません。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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本日もお疲れ様でした!

筑波大男子ハンドボール部 森永 浩壽

2022年の今、フルタイムで働きながら日本リーグ参入を目指すハンドボールチーム"富山ドリームス"の選手として活動しています。ここでのサポートは自身の競技力の向上(主に食費です...)と、富山県内の地域との交流に使わせていただきます。