パブコメ送りました:湖南市多文化共生推進プランWith KONAN Plan3(案)

湖南市に市民の声を届けたい人間、やまもとです。

パブリックコメントを送りました。湖南市多文化共生推進プランの案について、ですね。次期プランの愛称は「With KONAN Plan3」になるようです。案は次のようなものです。

 ではでは、恥を忍んで、送った意見をここに記します!

誰一人取り残さない
 この計画案ではSDGsに沿っていることが強調されています。p.8にあるように、SDGsの基本的な目標は「誰一人取り残さない」ことです。他方で、本計画案には「多数派に対応する(少数派に対応しきれないのは仕方がない)」という要素が多々見られます。例えば、p.11には、「外国人比率が最も高いポルトガル語の通訳者を配置している」という旨があり、pp.34-35の方針も、「相当数の外国人が受け取る情報には、比較的多くの話者がいる言語で説明する」というものになっています。つまり、経済性・費用を考慮するとの旨です。これは行政としての限られた資源を前提とすると仕方がない面があります。それでもなお、「多数派から対応していかざるをえないこととSDGsとの間に緊張関係があることを意識し、対応状況を不断に見直していく」という旨をp.8に明記することを提案します。

対象
 p.4にある、外国人市民の国籍別比率をみると、韓国国籍の方も一定数いらっしゃるようです。そこで以下の疑問が浮かびます。この計画案の対象としての「外国人市民」には、いわゆる在日韓国人・朝鮮人の方々も含まれるのでしょうか。計画案は全体的に、日本の文化・言語になじみのない方々を対象として想定しているように見えますが、在日韓国人・朝鮮人の方々については、また全く異なる共生上の課題があるかもしれません。そこで、この計画案に在日韓国人・朝鮮人の方々に関する記述を入れるか、あるいは、これらの方々は対象となっていない計画案であることを明記する、ということを提案します。

日本語指導ボランティア
 p.15に、日本語指導ボランティアの養成を進める旨が書かれています。湖南市国際協会で、こうしたボランティアを募った際に、希望者を差別的に扱った実例があったことを踏まえて、これを防止するべく、国際協会の組織体質を改善する旨を、ここに明記することを提案します。

国際協会の位置づけと問題
 この計画案の全体に、例えばp.7、p.14、pp.25-26などに、何の前提もなく突然、湖南市の施策について湖南市国際協会に依存する旨が書かれます。しかも湖南市国際協会の説明は「民間団体」とは別になされています。
 この国際協会とは何でしょうか。地方独立行政法人なのでしょうか。公益法人なのでしょうか。誰が責任の主体なのでしょうか。その組織内の服務・規律はどうなっているのでしょうか。その組織の構成員による不適切な行為に、市は責任をどう持つのでしょうか。国際協会の活動に対し、市が特段に責任を有さないのなら、なぜ特別扱いするのでしょうか。
 以下の実例があります。2018年9月に湖南市国際協会の構成員は人権侵害に当たる言動をとりました。具体的には、構成員の1人が、ボランティア希望者の就業状況について侮蔑し、さらにこれについて事務局長が「あの人は市に認められているから」という理由で許容し、あまつさえ、「仮に中国人差別となる発言があっても注意しない」と述べました。国際協会と市はこれについて隠蔽しております。これによって当該ボランティア希望者は国際協会でボランティアをしようとしなくなりました。
 実際には湖南市国際協会は(私の知る限り)、個人の集合体である、単なる任意団体です。これには法人格はなく、よって責任の所在は不明確です。また、地方独立行政法人等ではないために、そこでは公務員のような服務規則が確保されていません。
 これらは以下のような現象を引き起こします。すなわち、(i)市のお墨付きを得ているという特権意識から、組織内の人間が「市に認められている」と考え、それ以外の人間に対して侮蔑的な態度をとる、(ii)同様の理由で、組織内の人間同士では「注意」し合うことができない、(iii)特権意識から、自分たちの組織に「傷がつく」ことを恐れ、不祥事を隠蔽し、結果的に内部事情を知る者に不信感を与える、(iv)これらの組織の体質から、新たにボランティアを志す者が組織を敬遠するようになり、人材を確保できない、(v)新たな人材を確保できないので、既存の人間が限られた人数で、組織を閉鎖的に運営していってしまうために、ますます特権意識を高め、外部から来る人間への侮蔑的な態度が強化される、といった現象です。
(これに関連して、長沼豊『人が集まるボランティア組織をどうつくるのか ―「双方向の学び」を活かしたマネジメント―』2014年 ミネルヴァ書房 などが参考になりそうです)
 現状では、こうした組織は、不透明で、非正統的な権力を有してしまっており、ガバナンスにも問題があり、責任の所在が不明確です。ここに行政が関与している限り行政への不信感が高まるほか、意欲のある潜在的なボランティアを遠ざけてしまい、市民との協働が機能不全を起こしえます。
 このような状況でもなお、湖南市国際協会に施策を依存する理由が不明です。この国際協会とは何で、法人格等は何で、責任の主体はどうなっており、服務・規律はどうなっており、その組織の構成員による不適切な行為に、市は責任をどう持つのか、なぜ特別扱いするのか、過去の人権侵害事案について市はどう認識しているのかについて、説明を(例えばp.29に)詳しく記述することを提案します。

英語での対応
 p.12などに、「やさしい日本語」で外国人市民に対応していく旨が記されています。これはもちろん望ましい方向だと考えます。他方で、「やさしい日本語」に次いで、職員等には英語での対応が求められると考えます。これは自動翻訳を用いるときにも効果的です。既存の自動翻訳の技術は、国際共通語としての英語を軸として発達しており、英語と他言語との間での翻訳精度が高くなっています。ですから、職員が英語に習熟していて自動翻訳機に英語を入力できると、外国人市民への対応の際に意思疎通が図りやすくなります。よって、例えばp.12以下の施策・取組欄に、「やさしい日本語」とともに、英語に職員が習熟していってもらう旨を記すことを提案します。

市民ボランティア
 外国人の方が言語などの理由で困っている場合に、それぞれの市民がボランティアとして活動することができます。私は先日、外国出身で日本語がほとんどわからない方が原付免許の申請やナンバープレート取得をする際に同行して、窓口での意思疎通を助けることができました。おそらくは他の外国人の方にも同様の協力ができると思いますが、そのためのマッチングの仕組みがない、と承知しています。こうした、日本語指導に限らない、ちょっとした「ボランティア」について、マッチングの仕組みを創出しておくとよいと考えます。この際、国際協会のようなよくわからない団体に一般市民を組織化することは、軋轢を生むと考えます。この旨を、例えばp.22かp.26に、取組の1つとして追加することを提案します。

 高等教育
 pp.29-30では、外国にルーツを持つ子どもの、高等教育への進学の保障などに触れています。他方で、pp.17-18の取組として、高等学校への進学についての情報提供・個別相談は記載されていますが、高等教育への進学支援については触れられていません。この点はpp.29-30にもあるように本人のその後の活躍の場に関わる重要な問題です。せめて、高等教育への進学機会の拡大策の「検討」だけでも、pp.17-18に取組として記すことを提案します。

コラムの位置づけ
 p.19とp.28に、本プラン策定委員会委員長のコラムが掲載されています。このコラムの位置づけがよくわかりません。これは湖南市の立場を示しているのでしょうか、それとも委員長個人の見解を示しているのでしょうか。後者の場合、個人の見解を行政の計画にことさらに記す理由は何でしょうか(各委員個人の見解は議事録とともに書面で公表する、という方法の方が適切だと思われます)。位置づけがわからないのでどう理解してよいのかわかりません。位置づけを明示していただくことを提案します。

コラム③の内容
 p.19にコラム③が掲載されています。この内容が市の見解を示していると仮定して以下述べます。
 おそらくは限られているスペースに収めたためだと思いますが、内容がわかりにくいと感じました。本文の7行目の「それを「最大化」する人材」という部分を理解できませんでした。この「それ」とは「地域的利益」のことなのか、それとも「国益」「マネー資本主義への適合性」「地域的利益」のすべてを指すのか、わかりませんでした。もし「それ」が「国益」「マネー資本主義への適合性」「地域的利益」のすべてを指すのなら、「それら」と記した方がわかりやすいです(その場合、これらは相互に矛盾しうるので、「最大化」よりも「最適化」の方がわかりやすそうです)。もし「それ」とは「地域的利益」のことなのであれば、「それを「最大化」する人材」という表現がわかりにくいです。なぜならその前の部分に「地域的利益を守る人材」という表現があるので、「地域的利益を守る人」と「地域的利益を「最大化」する人材」の違いがわかりにくいからです。おそらく何か深遠なる意味づけがあるのだと思いますが、現状の限られた字数では表現しきれていないのではないかと思います。また、このコラムの最後に「「SDGs未来都市」としての活躍は、すでに約束されている。」とありますが、これがどのような条件で実現するのかを明確にしないと、「約束されている、だから現状を放置してよい」という論につながりかねず、すると行政の計画を定める意味もない、ということになると思いました。以上の点を踏まえて、改稿していただくことを提案します。

外国人市民の意見の尊重
 pp.27-28に、外国人市民の意見を反映した地域づくりを目指す旨が記されています。この記述はとても望ましいと考えます。もう少し踏み込んだ記述があってもよいと考えます。
 具体的には以下の旨を追加することを提案します。すなわち、「外国人市民が区・自治会のルールの制定・改廃に関わることができる制度を保障し、それを外国人市民に周知していく。」「外国籍を有する方々は日本国では有権者ではないが、住民としての意見が行政に最大限反映されるようにする。例えばパブリックコメント制度で意見を送付できるのは有権者に限定されないことから、外国人市民にも活用してもらう。外国語での意見送付ができないかを検討する。」といった内容を追加することを提案します。
 ただし、そもそもパブリックコメント制度が、実施機関にとって「いら立つ」「腹が立つほど憎たらしく思う」もので、単なる「ガス抜き」なのかどうかによって、この点の記述は変わるとも思われます(2020年12月10日の市議会での市長発言参照)。

コラム④の内容
 p.28にコラム④が掲載されています。この内容が市の見解を示していると仮定して以下述べます。
 最後の4行に、「少子高齢化や人口減少に直面している地域コミュニティにとっても、比較的若年層の多い外国人市民との協働は、経済や防災等の分野で果実がもたらされる。」などとあります。この見方は、「日本人」としての打算が過ぎると思われます。p.21の中ほどに、「外国人市民といえば、「労働力」として扱われることが多く見受けられますが、共に生活する「生活者」としての側面にも目を向け」ることが求められる、とあります。この見解からすれば、上記のコラムの記述は外国人市民を「労働力」として見すぎていると感じられます。上記のコラムの見方をとってしまうと、「外国人市民は高齢になったら協働相手にしなくてよい」という論が成立しかねません。それはこの計画の主張すべきことではないと考えます。以上の点を考慮していただき、このコラムを改稿していただくことを希望します。

細かい諸点
 p.1の下から5行目以降に、「「地域における多文化共生推進プラン」改訂版(新プラン)を令和2年(2020年)9月に公表しました。」とありますが、これを、「「地域における多文化共生推進プラン」改訂版(新プラン)を令和2年(2020年)9月に総務省が公表しました。」とすることを提案します。理由は以下のとおりです。このあとの、p.1の下から2行目に「総務省(のプラン)」という記述がありますが、それ以前に総務省がプランを作成した旨の明示がありません(総務省が通知した旨と、「国において」プランを改訂した旨のみの記述があります)。ですので、総務省のプランとは何かを明示するとよいと考えます。
 p.3の中ほどの※1の説明部分の最後に句点(「。」)を付すことを提案します。
 p.5の上部の2つのグラフについて、横軸のタイトルとして「学区名と総人口」、縦軸のタイトルとして「外国人市民の比率」などと付すことを提案します。
 p.5の下から7行目で、「水戸及び岩根小学校区ではでは」と記述されているので、「では」を1つ削除することを提案します。
 p.6の表のうち、「対応言語 ※注」とある部分を、「対応言語 ※注1」とし、図表のタイトルにある「相談内訳(人数・件数)」「相談内容内訳(割合)」のいずれにも、「※2」と付すことを提案します。下部にある「※1」「※2」の説明と対応させた方がわかりやすいと考えるからです。
 p.10のプランの体系を示した図がとてもよいと思いますが、不要な枠線が残っている点で見づらいと思います。不要な枠線を表示させない方がよいと考えます。
 p.12の《重点的な取組》の3つ目の項目に、「案内版」とあるのを、「案内板」と修正することを提案します。
 p.14の11行目からの「びわこ日本語ネットワーク(BNN)を通じた地域日本語ネットワーク活動へのスピーチ大会にも参加しています。」とある部分について、「びわこ日本語ネットワーク(BNN)の地域日本語ネットワーク活動の一環として、スピーチ大会にも参加しています。」などと修正することを提案します。「ネットワーク活動へのスピーチ大会」という表現が何を意味するのかわかりませんでした。この部分は湖南市国際協会のウェブサイト(https://konan-ia.org/group4)と酷似しており、行政の計画として十分に検討された文面であるのか不安をおぼえます。
 p.19のコラムの本文の5行目に「先述したスキルを屈指して」とある部分は、「先述したスキルを駆使して」と修正することを提案します。
 p.23の13行目に、「外国人市民に対しては、まず「自助」の視点での啓発が必要となりますが」とありますが、この部分を、「外国人市民に対しても、他の市民と同様に、まず「自助」の視点での啓発が必要となりますが」などと修正することを提案します。なぜなら、元の文は、「日本人とは違って、外国人市民にはことさら自助を求める」という意味に読めるからです。おそらくここで述べたいことはそのようなことではないと思います。
 p.27の《重点的な取組》の2行上に、「既に市内で活躍されている外国人市民も多数おり」とありますが、この表現では、「いまだ活躍していない外国人も多数いる」という意味に読めてしまいます。どのような活動をもって「活躍」をとらえるかには本来は多様な見方があります。ここでは「〇〇として活動されている」というように、特定化する語を付した方がよいのではないかと考えます。
 p.38に「やさしい日本語」の説明として、「会話では熟語を避け、です・ます形を用いり、文章の場合は文節や単語で区切る・漢字にふりがなを振るなど活用する。」とありますが、これを「会話では熟語を避け、です・ます形を用いて、文章の場合は文節や単語で区切る・漢字にふりがなを振るなどする。」と修正することを提案します。

 湖南市さん、受け止めてね!!

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