「ちくしょう!転職だ!」の前に踏みたい、“中くらいの一歩”とは
昨日は、キャリアにおけるベイビーステップの大切さについて書きました。
今日もその続き。キャリアのベイビーステップと、キャリアチェンジのあいだに、中くらいの一歩、「チャイルドステップ」があるんじゃないのか、という話です。
チャイルドステップとしての越境行動
ベイビーステップとは、赤ちゃんのよちよち歩きみたいに、小さな行動のこと。英語で「take baby steps(少しずつ前進する)」みたいな使われ方をするみたい。
このベイビーステップが大事なのは、昨日のnoteに書いたとおりです。
簡単にできるアクションをすることが、その後のキャリアでの大きなアクション(社外での職業体験などの越境活動など)やキャリア観の充実(キャリアを自律的に歩めている感覚や仕事へのエンゲージメントなど)につながる。
(人生を変えるのは劇的な出来事じゃなく、1つの投稿だったりする。)
こうした「越境行動(越境学習)」は、個人のキャリア発達を促すことが、研究でも実証されています。(イノベーションにつながるかは、まだ研究途上だとのこと)『若手社会人のキャリア形成に関する実証調査』結果報告書
「越境行動」とは、所属する会社やコミュニティ、今の仕事の枠を超えて、外部の人や仕事、活動に触れてみる行動、と僕は解釈しています。
こうした「越境行動(越境学習)」は、個人のキャリア発達を促すことが、研究でも実証されています。
(イノベーションにつながるかは、まだ研究途上だとのこと)
社外に出て学ぼうとする人は、その学びの場に参加する異質な他者に対し、自分が何者なのか、なぜこの場にいるのか、いまどんな課題に直面しているのかなどを説明し、理解してもらわなければなりません。越境という行為には必然的に、内省と自己洞察によって自らを整理し、言語化する責務がともないます。
いいかえれば、社外での学びの場に参加することで、本人が自分自身の仕事やキャリアを客観的に見つめ直し、そこにあらためて意義を見出すという「キャリア発達」の効果が期待されるわけです。
(「越境学習」とは? - 『日本の人事部』)
「やりたいことをみんなに話してみる」
「noteで想いを投稿してみる」
みたいなことがベイビーステップだとしたら、
「ロールモデルとなりそうな人に会ってみる」
「気になる社外のイベントに参加してみる」
「社会人インターンをしてみる」
みたいな行動が、中くらいの一歩、「チャイルドステップ」なのかなと。
「越境行動」としての仕事旅行
僕がこの「チャイルドステップ」として、すごくいいなと思っているサービスが、「仕事旅行」。
仕事旅行は約170種類の職業体験プログラムを通じて、「はたらく力」を高める”学び”のサービス。見たことない仕事やその道のプロフェッショナルの言葉、仕事術にはあなたを拓くヒントがあります。
(仕事旅行はたらく私のコンパス)
まるで旅行をするように、仕事を体験してみることができる。しかもそれを単にアクティビティとしてではなく、“学び”のサービスとして位置付けています。
仕事旅行社の代表である田中翼さんも、著書『働くコンパスを手に入れる』のなかで次のように言っています。
結局、仕事旅行とは何かというと、「自己啓発以上・スキル未満の短期学習」と言うことができるかもしれません。
(『働くコンパスを手に入れる』田中翼,39頁)
ロールモデルになりそうな人、やったことのない仕事に触れることを通して、自分が生きる上での軸や、スキルの幅にあらためて気づくことができる。
社会人になると、そうした「越境」の機会ってなかなかないじゃないですか。会社としてそういう機会が用意されていればいいけれど、そんなことはまれ。フリーランスだって、コミュニティも仕事も固定化されがちです。そうなると、価値観もある色に染まってきます。
でも、ふと立ち止まって「ほんとに自分がしたいのって、これなんだっけ?」って問い直してみると、うーむ…となることがあります。
スキルの幅も、一旦固定化された環境をでてみないと、自分が何ができて何ができないか、わかりにくいですし。
仕事旅行では、お花屋さんやパティシエ、カウンセラーなどの仕事を体験し、振り返ることを通して、生きる上での軸や、スキルの幅に気づくきっかけになります。
転職や留学、独立など、めっちゃ大きい一歩の前に、中くらいの一歩としてロールモデルにあったり、これまで取り組んだことのない活動に取り組んでみるという、中くらいの一歩、チャイルドステップを踏んでみる。
そうすると、いきなり大きい一歩を踏むよりもハードルが低いですし、この道が本当に自分の望む道なのか確かめながら進むことができるので、キャリアチェンジのあとのミスマッチも減るはず。
なので、僕もキャリアカウンセリングをする際に、仕事旅行の紹介をすることがあります。休みの日にどこか遊びに行く代わりに、知らない仕事を体験してみる。
その一歩が、その後のキャリアに影響する大きな気づきにつながるかもしれません。
かろやかにステップを踏んでいく
今日は、ベイビーステップの次に、チャイルドステップがあるんじゃないのか、その機会として仕事旅行があるよ、ということをお話ししました。
人生をかろやかに生きてる方とたまに出会うけど、ベイビーステップやチャイルドステップを踏むのが上手な印象があります。
僕も油断すると腰が重くなっちゃうので、かろやかにいきたいものだなあ。
では、また来週!
サポートがきましたって通知、ドキドキします。