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年始なので日本酒の話

日本酒の利き酒師を認定しているSSI(日本酒サービス研究会)の顧問をしております。振り返ると25年以上の関わりになりますが、日本酒を取り巻く環境は大きく変わりました。少子高齢化の影響を受けて地元消費が減少。蔵元が生き残るには

1.地元シェアを圧倒的に高める
2.首都圏など都市部向け製品を増やす
3.海外向けの輸出を増やす

と言った選択肢を迫られる事態になっています。そもそも大きな問題は日本酒の単価の安さにあると思っています。大吟醸と言う手間のかかる高級酒からカジュアルな商品まで1000円~3000円くらいの幅に収まっています。(例外はありますが)この幅を広げていくことで国内外の富裕層(ハイクラス商品)から日常の消費(カジュアル商品)まで選択肢が広がります。さすがに富裕層向けの日本酒が幾つか登場してきましたが、それでも選択できるくらいの数にはなっていません。自分が始めてハイクラス商品として購入したのは北雪(新潟)大吟醸YK35雫酒チタン瓶。購入額で15万以上でした。何で購入したのか?サラリーマン時代に何かのお祝いで勢い余って購入。同僚と鰻屋に持ち込んで飲んだように記憶しています。華やかさと滑らかな口当たりが特徴。ワイングラスで味わうと広がりが感じられます。微かな記憶ですが鰻との相性はばっちりであったように覚えています。

ちなみに日本酒飲むなら木本硝子の日本酒用グラスで飲んでみてください。口当たりがよく、味わいが広がるはずです。

ただ、チタンの瓶代が大きかったので、お酒本体としてハイクラスならば、菊姫(石川)黒吟でしょうか。安土桃山時代に手間をかけた山廃造りの小柳屋として創業。現在も独特のコクと爽やかさの併存する酒として高い指示を得ています。黒吟はそうして造った酒を冷蔵で3年以上寝かせて、メロンやバナナのような甘味ある香りやカラメルのような香ばしい風味が醸された商品。リクルート勤務時代に通った和食店で締めの1杯としていただき、独特の熟成感と芳醇な味わいに衝撃を受けました。ダウンタウンの浜田さんが出演していた芸能人格付けチェックの番組で高額の日本酒として推薦。紹介者として出演させていただくことにもなった1本でもあります。(この番組出演は大事件の巻き込まれることにもなりました。いつかnoteでも紹介したいと思います)

さて、最近は米の磨きや熟成度合いなど手間をかけて希少性を高めたハイクラス商品が増えつつあります。日本酒に関して苦手意識のある方こそ、試していただきたいですね。アルコール感がなく、滑らかで、飲みやすく、苦手意識が払しょくされますよ。もちろん、高価な商品ですから手軽には飲めませんが、お祝いとかハレの日に試してみてください。最後に10年以上前ですが日本酒を楽しんでいただけるように書いた著作を紹介します。


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