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【開示請求】炙り出されるこれまで表に出る事がなかったタイプの何か

最近ネットニュースやTWITTERのトレンド等でも誹謗中傷に対する開示請求の話題を見かける事が多くなりました。僕のブログでメインのテーマでもあるVTUBER業界でも誹謗中傷や開示請求、訴訟という話題は業界の特性上度々目に飛び込んできます。
今回の記事はそういった発信者情報開示請求に関する感想や印象になります。

■そもそも発信者開示請求とは

こちらを見るのが早いのですが面倒な方も居ると思いますのでざっくりとポイントのみ書いていきます。

①誰が誰に対して開示請求できるのか
これはインターネット上で誹謗中傷を受け、名誉権やプライバシー権などの権利侵害を受けた被害者の立場にある人が、この開示請求を行う事ができます。
対象はコンテンツプロバイダとインターネットプロバイダに対して請求ができます。
コンテンツプロバイダというのはコンテンツを提供している業者です。例えばこのnoteのブログのコメントでそうなった場合noteの運営会社という感じです。インターネットプロバイダというのはネット回線契約時にやりとりをする例えばso-netだとか@niftyやBIGLOBEなどの回線業者です。

②何を開示して貰う事が出来るのか
発信者の特定につながる「氏名」や「住所」です。

③どういう時にできるのか
2つあって
A:権利を侵害された事が明らかな時
B:損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき
という感じです。

より詳しく正確に知りたい場合は上記リンク先や開示請求関連で検索すると大量にページが出てきます。

つまり、ネットでの匿名性を使って不当に人を攻撃したり、貶めようとしたりといった無法地帯状態を改善する為に用意された法律という事かと思います。

これは時代が進んでネットと現実の境界がより曖昧になった事の現れでしょう。

■よくわからない人達を目にする事が増えた

これは最近目に入ってきたニュース記事です。
TWITTERでもトレンドにあがっていたので目にした方も多いかもしれません。
この団体がどうして目立つ事になった背景などは

こういった形で色々な所で確認する事ができます。

どういった団体で、それ自体がどうなのか、というのはここでは詳しくは書きませんがこういった団体というのはこれまでは一般的にはあまり表に出てこない事が殆どでした。簡単に言うと目立たなかった感じです。

上記リンクではこの様な記述があったりします。

今後、弁護団はツイッターにいいねやリツイートをしたアカウントなども追加提訴する予定で、名誉棄損やつきまとい行為などへの刑事告訴も検討する。

誹謗中傷などのツイートをいいねを押したり、リツイートした人に対しても開示請求と訴訟を行うという内容です。


■法律は武器として使用できる

殆どの人が、開示請求や訴訟をされたくはないでしょう。

・本来の目的
それが抑止力となる事で本来の目的としての誹謗中傷の削減や抑止になって、自殺に追い込まれずに済んだり、精神を病まずに済んだり、よくわからない人物からの攻撃や殺害予告に悩まされずに済むという結果に繋がっていきます。


・別の使い道
開示請求をされる側にとって脅威となる事として
①氏名、住所が特定される
②訴訟を起こされる、告訴される事がある
③損害賠償金や和解金などの金銭損失が出る場合がある
④1~3に付随するストレスや環境変化や社会的な影響を受ける可能性がある
主な所としてはこんな感じでしょうか。

こちらは実際に開示請求から和解金支払いまでの流れをわかりやすく事実をベースに説明しているツイートになります。こちらを見ると開示請求までいった際に、された側の不利になる可能性の方が高い様に見受けますね。

少し話が逸れましたが、個人に対して開示請求というのは基本的には脅威となり得るという事です。

例えば前述した団体の様に、どんどん開示請求していくぞというアクションは黙らせたい相手を黙らせる際に有効という事でもあります。


そうすると当然「これは使える」とばかりに【武器】としての使用を考える人達や団体が出てきます。

繰り返しになりますが、本質的には「個人を攻撃できる」という事はつまり「不特定多数の民衆への威嚇」として転用できるという事です。

つまり、開示請求によって誹謗中傷をしていた側だけでなく、それを使って利を得る、又は自分達の都合の悪い事へのシールドを張る、そういった人や団体などが表に目立ち始めました。

これが良い事なのか、悪い事なのか、今後どうなっていくのかはまだわからない点も多いですが前述した事例の団体に対して、否定的な発言をネット上に上げる人の数や、いいねやリツイートをする人の数は減るのは間違いないでしょう。
他にも知名度を上げたりする事自体がメリットになるのであれば、こういった目立つ行動を敢えて行っていく人や団体も今後増えそうです。


■怖い点

①勝算があろうとなかろうと、開示請求の動きをする事自体は出来るので、それ自体が恐怖になる事で、相手の行動を制限させる事ができる可能性を持っているという点は怖いなと思います。

例えば僕のnoteの記事でも時々嫌がらせの様なコメントを残していく人は居ますが僕が「結果はどうなるにせよ開示請求し徹底対策する」と公言すれば間違いなくこれまでよりもそういったコメントは減るでしょう。
結果的に最後までどうなるかわからない、というのは怖いものです。「もしかしたらヤバいかも」というのはヤクザがよく使う常套手段でもあります。


②また、結局のところ収入が高くない人などの場合、弁護士費用や訴訟費用や時間を考慮すると積極的に使えない。お金に余裕のある、いわゆる強者や組織の方が活用しやすいという点も怖いです。

つまり個人を守るためのものですが、構造的にそれを行うのに必要な資金や体力や時間などは個人よりも組織の方が使いやすい仕組みです。


③誹謗中傷や叩かれる理由がある存在も守られてしまう、というのも怖い点です。

全ての場合ではないですが、ネットで批判されたり、攻撃されたりするのはそれに伴う「何かの理由」があるからです。
発信者情報開示請求の少し不完全な点というのは、そういった際に行き過ぎた誹謗中傷や違法な言動を抑止する事が目的ですが、その範囲が広すぎて(又は不明瞭)本来守られる必要がないものも開示請求というシールドで守る事ができる点です。

冒頭の事例で挙げたような事案というのは、たまたま目立つやり方をやっているというだけです。本当に賢い悪用者というのは表に出る事もなく、上手に法律を使用して利益を得ていたりすると思うので。


ただ、これまで僕たちがあまり目にしてこなかった様な存在がこれからも色々と出てくるのかなと思います。
また、この時代と環境をうまく理解できずに本来であれば被る必要のなかった損を被る人の数も数多く出ると思います。

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