高次脳機能障害のわたしが認識する「歩く」ということ

高次脳になり、生きて行動する事が全てマルチタスクなんだと感じました。

「歩く」というのは、足を前後交互に踏み出して進む、という、機能の事だけではありません。

私の「歩く」は、視覚、聴覚から一気に押し寄せてくる、ぐちゃぐちゃで色々な情報の中から、自分に必要な情報を選び、歩みを進める事です。

箇条書きにすると、このようなことを意識する必要があることです。

・足を前後に動かしながら、
・麻痺した左足がつまづかないように、段差に気を配る
・人や障害物にぶつからないようにする
・目的地までのルートを反芻しながら、看板、標識で確認する
・大きな音などで、集中力がすぐ途切れてしまう為、雑踏から必要な音を聞き分けて、歩く事に集中する

普通の人は(私も受傷する前はそうでしたが)、そんなことは意識しません。

普通は無意識でできていることが、高次脳の私にとっては「意識して実行しないとできないこと」になっていました。

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2019/07/03に登壇させていただいた、東京都の高次脳機能障害者相談支援研修会の資料になります。東京都の行政・医療・福祉関係者向けでしたが、マンガなどを使ってわかりやすく書きました。

30代で脳出血から高次脳になった普通の主婦が当事者として感じたリアル体験談や悩みを綴ります。有料価格を設定していますが、中のノートはほぼ全…

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