会話についていけない編

日常会話に頭がついていかなかったときのこと

退院後、家族との会話でも、自分の言いたい言葉が、瞬時に出てこなくてモヤモヤした思いが常にありました。

でも、関わる人数が少ないので、そこまで苦痛には感じていませんでした。

ところが、息子の幼稚園入園を機に複数の人達と関わる事が避けては通れない状況になりました。

初対面の人と話す事、初めての経験、自分の予想外の展開が、本当に苦手になっていた私には、人と会話するというのは、本当に高度な技術がいると痛感せざるを得ませんでした。

会話は、たくさんのことを凄いスピードで処理していると気付きました。当時の私は、3人位までなら、なんとか会話出来ました。それ以上の複数人での会話になかなか入っていけません。

会話の内容を理解して返答しようとしている間にどんどん話が進んでいくので、話したい想いや考えはあるのに、自分が言いたい事をまとめて、喋る時には、もうその内容はとっくに終わっています。

しかも話し出そうすると、やっとまとめた言葉が、砂のようにサラサラと頭の中から流れ出してしまい、何を言おうかわからなくなってしまうのです。

話したい! という気持ちだけは強いので、見切り発車で話出してしまうのですが、想起力が乏しいのと、結末までの先行きが見通せてないので、結局、トンチンカンな事言って、相手を苦笑いさせて終わってしまいます。

そのようなことが続き、自分への肯定感も無くなり、幼稚園でのお迎えでは、人との関わりを避けていきました。

いつも苦しいのに、誰にも気持ちを伝えられませんでした。

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2019/07/03に登壇させていただいた、東京都の高次脳機能障害者相談支援研修会の資料になります。東京都の行政・医療・福祉関係者向けでしたが、マンガなどを使ってわかりやすく書きました。

30代で脳出血から高次脳になった普通の主婦が当事者として感じたリアル体験談や悩みを綴ります。有料価格を設定していますが、中のノートはほぼ全…

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