優しさから生まれる戦いもある
2012年製作、輿石正監督の作品"シバサシ”-安里清信の残照- を観てきた。
"いつだろう、、、
ひとり浜辺でなにもせずにたたずむことが、豊かさであったのは"
と、安里清信は言った。
彼は沖縄県中部東海岸、屋慶名出身の住民運動家だ。本土復帰後、屋慶名のメーヌハマ(前の浜)は経済成長、平和、貯蓄、の掛け声と共に大規模な埋め立て、石油プラントの建設、原子力発電の計画と共に刻々と姿を変えていった。海が、浜が、生き物が、目の前から消えていったのだ。それは屋慶名の文化を信仰を歴史を消し去るのと同じことだった。
それは戦前から始まっていたのかもしれない。皇民化教育により日本に組み込まれていった沖縄は、言語を失った。それは自らを語れなくなることを意味した。
安里清信は言った、"自分の生存は自分で守れ"。そしてカラダヒトツ、彼は国を相手に浜にたち、声を上げ続けた。
"豊かさとはなんだろう?"
思いだそう、海の声を、風の声を。
”海は人の母である” 安里清信の声がいま僕たちのなかで響いている。
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