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クラフトビールを卒論のテーマにしてくれる大学生たち

大阪酒万博から1カ月が経ち、ボチボチのんびりしようかな、と思ってたんですが、これがなかなか来年以降のお仕事の話を頂いたりして全然のんびりできてません。笑
ありがたいことですが。

さて、ここ数年なんですが、大学生が卒論のためにブルワリーにインタビューしてくれることが多いです。
世の中若者のビール離れなんて言われてるなかででも、卒論のテーマにしちゃうくらいクラフトビールに興味関心のある大学生がいるなんて、嬉しいじゃないですか。
そういえば今弊社で働いてくれているスタッフも大学生の時は同じことしてたって聞いたなぁ。因果ですね。笑

だいたい毎年、仮説は似ています。
どうやらクラフトビールがブームだ。
クラフトビールは少量生産多品種で、地域のフルーツなど特産品を使って地産地消に貢献しているから、まちおこしに最適だ。
クラフトビールがあるからその地域は盛り上がっているのだ。
それを裏付けるようなデータを集めよう!

てな感じが割と多いです。
技術的なこととかはわからないので、想像できる範囲で論文にしようと思ったらだいたいこうなるんだと思います。

それでインタビューを進めていくと、あれ?ってなりますww
そもそも日本のビール製造の原料は99%以上が輸入されたもので国産原料はせいぜい水くらいです。
水もほとんどは水道水でしょう。
確かにフルーツなど副原料を使うビールは間々ありますが、地域で入手できる原料では、量も時期も限られるので年一回の限定品くらいしかできません。
しかもだいたい仕入れ価格が高いので、フルーツでさえも海外の安い冷凍品になることも多いでしょう。

さらに、ブルワーの中にはほとんど地域と交流を持たない人も多いと思います。地元じゃない人も多いですね。コミュ障も多い。笑。
それでも成り立つのが今のクラフトビールなんだと思います。

そもそも、クラフトビールはブームになってない。
ブームっていうのは「お疲れ生でーす」って言ってCMオファーが来ちゃうような現象のことを言うのであって、クラフトビールはまだまだそんなレベルにありません。
コンビニでカエルのラベルのビールが美味しいらしいよ、へぇ、そうなんだ~、くらいの噂レベルのものです。(といってもコンビニで流通する規模なわけなんだが)
噂レベルなのですぐに忘れられます。それくらいのもんです。

まちおこしやまちづくりにクラフトビールが必要だ、という人もかなり多いですが、これも私は違うと思います。むしろ逆だと。
クラフトビールビジネスもまちづくりもしたことが無い人ほどこういうお話をよくされるんですが、そもそもまちづくりはビールがあればうまくいく、なんていうほど簡単じゃないし甘くないし、複数の都市経営課題がこんがらがって山積している複雑な問題なんだから、ビールが出来ることと言えば飲んで忘れてしまうくらいのことしか出来ないはずなんですね。
その難しい課題に長期間、本気で取り組んで、ある程度成果が見えてきたころにクラフトビールがポツポツと出てくるもんだから、それが原因かのような持ち上げられかたをすることがありますが、実際は結果なんだと思います。

ちょっと話がそれてきちゃったけど、
大学生が卒論を書いてくれるのは単純に興味を持ってくれてありがたいと思います。
その大学生の同級生や友達も、一緒になってクラフトビールを飲んでくれるようになるのが我々のこれからの課題だなぁと思ったわけです。

というわけでそろそろ年末、今年もあと少し皆様宜しくお願いします。

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