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世代間の氷河期世代に対する認識のズレ

先日、某評論家のnoteにコメントしたところ、読者の方から様々なご意見をいただきました。

こちらの投稿の結論を要約すると「氷河期世代は今の幸せを噛みしめろ、全て自分の選択の結果だ、文句を言うな」という内容(と私は解釈しました)です。これに対し私は以下のようにコメントしました。

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専門でない方が想像で記事を書かれることはお控えになられたほうが良いと思います。氷河期世代である人たちの大多数は何も特殊な生き方をしようとしていたわけではありません。学校を卒業する年と不況が重なったことにより「普通に生きる」という選択肢を奪われたのです。さらに職場環境も最悪で、長時間過密労働(もちろんサービス残業です)でうつ病を発症したり、中には過労死や過労自殺に追いやられたという人も少なくありません。また非正規雇用として社会人生活をスタートさせた人たちは、その職歴が評価されないために再就職が上手くいかず、辛酸を舐め続けている人が多いのです。そもそも就職氷河期というのは、当時の政府が経済政策の舵取りに失敗したことにより発生した事態であって、当事者には何の落ち度もないことです。にも関わらず、今だに低賃金や病気の後遺症で苦しんでいる人が多いのが現実なのです。それを全て本人の選択の結果であるというのは、あまりにも実情をお分かりになっていない、無神経な言葉と言わざるを得ません。貴方のような考え方の人が多いので、当事者はいまだに苦しんでいるのです。

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我ながら辛辣なコメントだとは思いますが、現在も苦しんでいる多くの当事者の声を代弁したつもりです。

この問題は当事者世代以外にとっては「どうでも良いこと」「瑣末な問題」と考えている人が多ように思います。実際、私のリアルの活動でも、特に上の世代からそのような反応が返ってきます。ですが、当事者世代にとってこれは人の一生に関わる”人生そのものの問題”と言っても過言ではないくらい重大な問題で、その原因は当時の社会・経済の活動に関わっていた全ての人(つまり上の世代)に重い責任があります。ですのでこれを軽んじるような言説については(特に評論や政治に関わるような立場にある人の言説に対しては)1つ1つに抗議をしていかなければなりません。そうしなければ”就職氷河期は日本にとって大した問題ではなかった”という間違った認識が、後世に伝わっていくことになります。

先日、国民民主党の伊藤孝江参議院議員が予算案の反対討論中にヤジを浴びせられるという出来事がありました。

当時の経済政策の舵取りを担っていた政治家ですらこのような認識なのです。流石にこれに対しては当事者世代からも怒りの声が上がり、炎上状態となりましたが、いずれにせよ現状がこうなのですから、やはり変えていかなければなりません。そのための活動を、氷河期世代ユニオンは今後も淡々と、粛々と、続けてくつもりです。




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