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リーダーシップとは成果を出すこと。リーダーにまつわる大きな誤解

株式会社Nateeの代表をしてます小島です。弊社も4年目の終わりをそろそろ迎え、正社員が50名を超えてslackに入っている従業員は100名を超えて参りました。まだまだ小さい会社ですが、創業の時とはまったく違って組織に向き合う時間が増えたように思います。

そんな毎日の中で、リーダーシップについて改めて考える機会も増えてきたので、今日はリーダーシップってなんだっけ?というnoteを書いていこうと思います。

あえて冒頭で定義を決めるならば、「組織の目標を達成するために何でもやること」がリーダーシップであり、「組織の成果に一番貢献している人」こそがリーダーです。

この大前提を除いて、やれカリスマ的リーダーシップは日本に合わないだの、これからはサーバントリーダーだの、リーダーシップの型について話すのはナンセンスとしか言いようがなく、おままごとでしかないなって思います。

ボスとリーダーの違い、に違和感を感じる理由

ボスとリーダーの違い

よくボスとリーダーの違いとして上記の画像を引用する人がいます。僕も何回も見てきました。ボスは偉そうに指示をしているだけで、自分も汗をかいて先頭に立って引っ張るのがリーダーだと。

それ自体はとても聞こえがよく、特に日本人に刺さりそうな気がしますが、はたしてこの図のどちらが良くてどちらが悪いなんて、何を持って言えるのか僕にはわかりません。

たとえばスポーツチームには監督、コーチ、キャプテン、選手、サポーターといろんな役割の人がいますが、そのうちの誰がリーダーなのでしょうか?自分は汗をかかずに指示ばっかりしている監督はリーダーとは呼べないのでしょうか?

役割でリーダーシップは決められるものなのでしょうか?振る舞いの仕方?はたまた人望?はたして何を持ってリーダーと言えるのでしょう。

リーダーシップはなんのため?

僕は就活中、リーダーシップという言葉が大好きで、リーダーとは一体どんな存在なのかということをしょっちゅう考えてたんですよね。『君主論』みたいなリーダーに関する古典書もだし、『7つの習慣』のような自己啓発本も含めていろんな本を読みました。

その中で圧倒的に腹落ちしたのがマッキンゼーの伊賀さんが書かれた『採用基準』なんですよね。これほどリーダーシップについて気持ちよく書かれている本はなかった。ビジネスパーソン必見の書です。

リーダーシップという概念がここまで理解されていない背景には、日本では社会において、さらに言えばビジネスの現場においてさえ、「成果が最優先されない場合が多い」ことが挙げられます。

『採用基準』

組織の和とか空気を読むとか、そういったことよりも何よりも「成果を出す」ことを優先し、そのための行動を取れる人がリーダーであると、そう伊賀さんは繰り返しています。

ここからはアンチパターンとして、リーダーの誤解について考えていこうと思います。

リーダーシップは役職のことではない

まず、よくある勘違いとして、役職がある人がリーダーのことだと認識している人が非常に多いです。

役職という権威の裏づけがないと、人を率いることができないのであれば、リーダーシップがあるとは見なされないからです。

『採用基準』

マネージャーになったから、部長になったから、社長になったからリーダーシップを発揮しなくちゃいけないというのは根本からリーダーシップについて勘違いしており、本当の意味ではリーダーになったことがないのかもしれません。

社長なんて偉くもなんともない。課長、部長、包丁、盲腸と同じだ。要するに命令系統をはっきりさせる記号に過ぎない。

本田宗一郎

本田宗一郎氏の言う通り、社長なんていうのは記号にすぎず、リーダーシップとは違う概念であることを理解する必要があります。

新卒だから、マネージャーだから、新入社員だから、そういうこととリーダーシップはまったく関係ありません。自分の立場に関わらず、「組織のための成果目標がこれだから」という優先順位で動けるのが真のリーダーなわけです。

ともすれば組織の全ての人間がリーダーシップを持つことこそが理想形であるわけです。

こんな言い方をすると、「船頭多くして船山に登ると言うじゃないか。リーダーが多ければ船は座礁してしまうぞ!」という意見をいただくかもしれませんが、その意見が出ること自体がリーダーシップと役職をごっちゃにしている証です。

変化の激しいマーケットに対峙しなくてはならないビジネスシーンでは、合議や多数決で決めていては遅々として進みません。組織には意思決定の命令系統が必ず必要で、それが明確になっていない組織はかならず船の進む方向がブレます。

個々人がリーダーシップ、つまり組織の成果にコミットしていくことと、意思決定の命令系統は別個の観点であることを理解した方がいいですね。

もう会社に飽きてしまって高級車とゴルフにばっかりハマっている社長よりも、会社を本当に変えたいと思っている新卒こそが会社で一番リーダーシップを持っている、ということも全然ありえる話かと思います。

部下から慕われることがリーダーの仕事ではない

「部下から嫌われたくなくて、厳しいことを言えない」という声は全国のマネジメント初心者から星の数ほども聞こえてくるでしょうし、僕自身もマネジメント未経験で起業をして、フィードバックって難しいなって毎日思ってます。

人間誰しも慕われたいし、嫌われたくないし、組織の中で事を荒立てたいとは思いません。

先日Nateeの株主であるキュービックの世一さんに組織の相談をしていた時、「フィードバックできない正体は、保身ですよ」と言われハッとしました。結局、成果よりも自分の評価を気にしているがために起こってしまうことでしかありません。

もちろん慕われることによって成果が最大化されるのであれば、慕われること自体はいいことでしょう。でもたとえ嫌われ者だったとしても、チームを成果に導く人はリーダーと言えるわけです。

リーダーは組織の和よりも成果を出すことを優先します。したがって強力なリーダーは、同じ時代、同じ空間を共有する人にとっては、必ずしも「一緒に働いて楽しい人」ではありません。

『採用基準』

スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクなど、世界に最もイノベーションを起こしてきた起業家の人生を見てみると、およそ周りに迷惑をかけまくっているし、狂っているという見方しか基本的にはできない。

でも、イーロン・マスクは本気で人類を気候変動から救おうとしているからこそ、彼の側近はどんな鬼畜の所業にも耐えてSpaceXやTeslaで働くわけです。彼らこそが人類規模の成果に狂った真のリーダーと言えると思います(憧れるかは別の話ですけどね…笑)。

COCOAの迷走に見るリーダーシップ

先日、政府が主導して作っていた新型コロナウイルスの接触確認アプリCOCOAの停止が決まりました。

ネット上で不具合が報告されていたにもかかわらず、多重下請け構造の業者同士で「誰かが対応するだろう」とお見合い状態になった。IT(情報技術)人材が乏しい厚労省もどうしてよいか分からず「発注者としてプロジェクト全体を適切に管理できていなかった」

日経新聞

これこそがリーダーシップの欠如と言えるわけです。「お見合い」は組織としては最悪の状態。

リーダーシップは組織の和よりも、成果にコミットすることです。COCOAの例で言うなら、「コロナの新たな感染防止」にあたり、それを達成するために具体的な数字目標を設定して個々人が動くことでした。

もちろん僕は現場を知らないし、何が起こっていたかを推察するに足る情報も持ち合わせていないので、その実態がどうであったかは詳しくはわかりません(し、興味もありません)。

ただ、こういう大きいプロジェクトになればなるほど、省庁間、会社間での空気の読み合いが発生し、本来の成果から遠ざかる意思決定がされるという事象は、日本全国で信じられない数発生しているのではないでしょうか。

4つのリーダーシップの原則

伊賀さんは『採用基準』の中で4つ、リーダーがなすべき四つのタスクを定義しています。

目標を掲げ、先頭に立って進み、行く道の要所要所で決断を下し、常にメンバーに語り続ける、これがリーダーに求められている四つのタスクなのです。

『採用基準』

この羅列でその意味を理解するのは難しいと思いますが、端的にリーダーが取るべき行動を示しています。

  1. 目標を掲げる

  2. 先頭を走る

  3. 決める

  4. 伝える

そして、多くの人がこの4つのうち1つも経験したことがないまま社会人の年輪を重ねていきます。それは部長という名のサークルの調整役(幹事)なのか、マネージャーという名の労務管理者なのか、それぞれでしょうが、役職があってもリーダーではない人はたくさんいます。

リーダーシップを発揮してきた人が役職についた場合は、水を得た魚のように活躍するはずです。しかしリーダー経験のない人が役職につくと「この役職では何をしたらいいのか」という正解を探す思考回路になります。まったく違いますよね。

自分の背に負えるリーダーシップのキャパシティにはそれぞれ限界があります。ただ、そのキャパの中で最大限、目標を掲げて、率先垂範をして手を動かして、自分で決めて、人を動かして、とやって来た人は、役職という責任範囲が増えてもやることは変わらないことに気づくでしょう。

とは言え会社の中でリーダー経験を積むのは実際難しいケースもままあると思います。そういう場合はボランティアでも、家庭の中でも、何でもいいので自分がリーダーシップを発揮できる機会と環境を作るべきです。ある日役職がついたからリーダーになるなんてことはありえません。リーダーシップはトレーニングで強くなるんです。

メシアを待望するな

25歳で一人で会社を起業し、4年で年商10億を超える会社を作ってきた自負は多少なりともありつつ、僕もたまに「こんなスーパーマンが入って、会社がもっと爆伸びしてくれないかな」と思うことがあります。

なんて恥ずかしい姿勢だと振り返って思いますが、それくらい組織を変革してくれるメシアを待望する気持ちはみんなあるんです。

しかしハッキリ言って、自分の組織をある日ガラっと変えてくれるメシアを待望するのは間違っています。「誰もいないのなら自分がやる」と言う姿勢こそがリーダーシップであり、自分が組織を救うメシアになるべきなんです。そこには創業者、役員、幹部、マネージャー、肩書は関係ありません。

いろいろ偉そうなことを書いてきましたが、自分ができているなんて口が裂けても言えないし、自分自身どれだけ日々リーダーシップを持って生きているか、という自問の先にあるのが儚い無力感であるのは、己の至らなさを自覚するしかありません。

でも自分で決めた人生だし、「自分がNateeを作った」とみんなが言ってくれる会社にしたいとそう思ってます。そんなリーダーとしての経験をしたい方は絶賛採用募集していますので、ぜひ僕までDMでも応募でもください!!

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