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大作家の名言にはご用心。

書く仕事にもスランプというか悩むというか、自信がなくなるときが必ずありますよね。わたしは、いまがそうかも。noteを毎日書き始めて2週間少し。最近は「こんな感じでいいのか?」と自問自答しています。

書き続けるための心の拠りどころ

いま気になっているのは大きく2つ。
・偉そうな書き方になっていないか?
・少しでも役立つネタになっているのか?

ということ。

2週間程度で何をいっているのかと
怒られそうですね。
もう少し書き続けてはじめて、
意味ある検証ができるのでしょう。
そのためにもまず、
「書き続ける」ための
心の拠りどころが必要ではないか。
何かないか何かないか何かないか…

「出版人マグナ・カルタ九章」(開高健)

大作家の名言なんかいいかもしれません。
たとえばこれ。

開高健

仕事場の本棚に立てかけてある
「出版人マグナ・カルタ九章」。
開高健さんが、
若い編集者に贈った言葉らしいです。

①読め。
②耳をたてろ。
③両眼をあけたままで眠れ。
④右足で一歩一歩あるきつつ、
 左足で跳べ。
⑤トラブルを歓迎しろ。
⑥遊べ。
⑦飲め。
⑧抱け。抱かれろ。
⑨森羅萬象に多情多恨たれ。

右の諸則を毎日三度、食前か食後に
暗誦、服用なさるべし。

御名御璽

ハードボイルドはツライかも

彼が書いたトリスウイスキーの広告コピー
『「人間」らしくやりたいナ』というより、
「オーパ!」「フィッシュ・オン」みたい。
最初はやっぱり読むことなんですね

「抱け。抱かれろ」
「森羅萬象に多情多恨たれ」
なんてかっこいい。
でも、全体的にハードボイルドすぎて
スランプ時にはツラいかも。

「むずかしいことをやさしく」(井上ひさし)

これはどうでしょう。
井上ひさしさんの色紙です。

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                 (仙台文学館より)

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに
書くこと

ずっとひらがなで書いてきて
最後だけ「書くこと」。
なるほど!思いますよね。
でも、この言葉にはワナがあるのです。

むずかしいことをやさしく
  (確かに大事なことだ)
やさしいことをふかく
  (味わい深さを出さないと)
ふかいことをゆかいに
  (さすが大喜劇作家でもある)
ゆかいなことをまじめに
  (そうそう真面目に真面目に)

と考えているうちに、
「むずかしく」なっちゃうんですよ。

振り出しに戻って、また考え出す…
スランプの永久機関、
自信を取り戻す旅が
延々と続くわけです。

頭や心が疲れたら身体を休ませよう

スランプとか自信を取り戻すとか、
もっとシンプルな考え方のほうがいいかも。
ストレス学の始祖と呼ばれる
生理学者のハンス・セリエは
次のようなことをいっています(意訳)。

「荷物を持った右手が疲れたら
 自然と左手に持ち替えるでしょう。
 人間の心と身体は表裏一体で、
 右手と左手のようなもの。
 心が疲れたら身体を休ませればよいのです」

書くことに関してむにゃむにゃしたら、
がっちり運動して疲れて切って寝るとか。
おいしいご飯を食べにいくとか。
普段しない人は自炊してみるとか。
友だちとくだらない話をして大笑いするとか。
こっちの方が役立つような気がします。

実は井上ひさしさんは
わたしの高校の大先輩。
数多くのおもしろい作品だけでなく、
永遠に終わらない宿題まで
後輩に残してくれたようです。

まったくとんでもない先輩です。


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