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カクコツ 取材する①| 「取材」することの意味と効率性を確認してみよう。

ライターさんのなかには、取材というと「面倒だ」「時間がかかる」「非効率」などのイメージをもたれる方がいらっしゃるかもしれません。わたしは逆に、取材さえできれば、ビジネスライティングなんてできたも同然!と思っています。今回はその理由を解説していきます。

報道とビジネスライティングは
まったく違う

相手を探してアポを取って
連絡が取れない場合は追いかけて
取材場所を確保して
会っても話してくれないときだって…
これを何人も続けた結果、
ようやく実のある話を聞くことができる。

取材って、こんなイメージがありますよね。
それは報道の世界、ジャーナリストの仕事です。
ビジネスライティングは、まったく違います。

まず、取材相手探しとアポイント。
これは依頼元かメディアがやるのが基本です。
「この人の話を記事にしてほしい」というのが
依頼内容のベースにあるからです。
アポイントに関しては取材相手の都合はもちろん、
こちら側の都合にも合わせてくれます。

ライター側に面倒な作業はほとんどない

取材相手は依頼元の社外の人の
場合もありますが、
社内の人の方が多いですね、わたしの場合。
だから、アポ取りは比較的早いですし、
場所も依頼元のオフィスのことがほとんど
です。
対談なんかの場合は
メディアの会議室やホテルを使うことも。
でも、その手配をこちらが
することはありません。

取材のドタキャンも基本的にありません。
取材相手が事故にあったとか、
勤務先に報道発表するような
トラブルがあった場合は別ですが。
東日本大震災のときは、
もちろんすべてのアポイントが飛びました。

つまり、
ビジネスライティングにおける取材には、
ライター側の「面倒くささ」は、
まったくありません。
そう断言していいと思います。

LPなら仕事依頼から取材まで約2週間

時間がかかる。
効率的でない。

取材仕事は確かに時間がかかります。
「いま書く時間がある!」と思っても
取材しないことには書けないわけですから。

仕事のオーダーから取材まで、
通常はどのくらいの時間がかかるのでしょうか

たとえば、取引のある依頼元からの
ランディングページ(LP)1件の場合、
「今週~来週で都合のいい
時間帯を2つ3つください」
と聞かれることが多いですね。
オーダーから取材まで最短で1日、
最長で2週間という感じです。
もっと先のときもありますが、
このパターンが多いようです。

取材の時間効率性はそう悪くない

「2週間も空いたら収益が…」
そういう声が聞こえてきそうです。
心配はよくわかりますが、
実際はちょっと違うかもしれません。

仕事のオーダーから取材まで
2週間空いたとしましょう。
その間に別の仕事がまったくなければ、
心配になるのもわかります。
実際は、その間に別の案件を
入れることができますし、
ライティングの時間に充てることもできます。

ビジネスライティングの取材は
準備に多少時間はかかりますが、
取材そのものは1時間程度が多いです。
移動時間を含めても
都内なら全部で3時間くらい
でしょうか。
移動がないオンラインなら
1時間で済んでしまいます。

ほかの案件やルーティン業務を
空いた時間へ計画的に入れ込むことができれば、
取材することの時間効率性は
悪くないと思います。

取材とその準備に注力する理由


「取材した方が速く書ける」

キャリアを積んだライターさんなら
納得いただけると思います。
取材して書く方が、
ウェブや資料から書く「調べ書き」よりも
ずっと速く書くことができます。

もちろんこれは、
取材がうまくいったことが前提
です。
だからわたしは、
取材を成功させるために全力を尽くします。
神経質なくらい事前準備をします。

取材がうまくいけば、原稿はできたも同然。
あとはシステマティックに
(型にはめる意味ではなく)骨子を立て、
キーボードを叩いていくだけです。

文字単価は50円でした

取材することの効率性を考えるなら、
時間と収益のバランスを考える必要があります。

取材して書くビジネスライティングの多くは、
文字単価という概念がありません。
だいたいは案件単価、
あってもページ単価くらいでしょうか。

文字単価の計算をしたことは
ほとんどありませんが、
参考までに最近の仕事で計算してみました。

取引実績のある金融情報ベンダーの
LPライティングで、
ユーザーを取材してまとめる原稿です。
オーダーから取材まで、取材から送稿まで、
いずれも結果として中2営業日という
依頼元の都合で急ぎの仕事となりました。
もちろん直取引です。

この案件の文字単価は50円でした。

この案件については、
いつもより文字数を1/3程度にという
リクエストがあったので、
文字単価がかさ上げされた結果となりました。
となると、通常の文字単価は17円弱
ですか。

webライターとしては高い方かと思いますが、
効率性としてはどうでしょう。
その判断は皆さんにお任せします。

単価決定要因を客観的に考察してみた

この案件の単価決定要因を
わたしなりに考察してみました。
大きく以下の4つかと思われます。

①わたしが専門性の高い金融分野に対応できる
ライターであること。

ユーザー(お客さま)に会わせても、
相応の話が引き出せる
と判断されたこと。

時間がないなかでも、合格ラインの原稿
出てくる可能性が高いと思われたこと。

④これまでの取引実績から、
時間のあるなし、文字量の多少で
原稿料はそう変わらない
とわかっていたこと。

取材で出会った人たちが営業してくれる!

取材する仕事を積み重ねていくと、
出会った人たちが、自分を売り込んでくれます。
営業してくれるんですね。
これは、そう珍しいことではありません。
「あのライターさん、いいね」となると、
自社の他部署や付き合いのあるメディアなどへ
高い確率で紹介してくださいます。

たとえば、わたしにも過去に
こんなことがありました。

実例①代理店の人が別案件で発注

新聞系のウェブメディアで
クレジットカード会社へ取材したとき。
同席した広告代理店の担当者がちょうど
別クライアントの仕事でライターを探していて、
その案件に誘ってくれました。

ある外資メーカーが日本市場に
参入するときに使う記者発表資料の原稿制作。
きっかけになったメディア取材は
社長インタビューだったのですが、
「この取材対応なら任せられそうだったから」と
あとで話してくれました。

実例②取材相手が自社の担当者へ推薦

ある外資系銀行へ取材したときは、原稿掲載後に
取材窓口だった銀行担当者から連絡があり、
「当社ウェブサイトの為替コンテンツを
リニューアルするので書いてほしい」と。
取材した為替部長から推薦があったそうです。
これはうれしかったなぁ。

取材したときの仕事は、
そう大きな収益にはなりませんでしたが、
あとで受託した為替コンテンツは大きかった。
案件単価としては、その営業年度で
いちばん大きな金額になったと思います。

実例③広告主の担当者が代理店へ指名発注

そして、ここにも書きましたが、
独立して3か間仕事がまったくなかったとき。

前職で担当していた雑誌広告の仕事が
再スタートすることになった際、
広告主の担当者が
「コジマさんのところでやろう」と
代理店へ進言してくれました。
指名発注です。

その担当者とは、多くの取材をご一緒しました。
都内近郊はもちろん、最遠は奄美群島の与路島。
そのときはロケハン・取材・撮影と
まるまる1週間、ずっと一緒でした。
それだけではなかったと思いますが、
一緒に何度も取材すると、
同じ制作チームとして
仲間意識は強くなりますよね

そもそも取材はおもしろい!

そもそも、わたしは
取材がおもしろいと思っています。
仕事という名目で、
普段は会えないような人に会えて、
普段は聞けないような話を
聞くことができるから。

ここで書いたように、取材することで
「なるほどなぁ」
「聞いたことない!」
「くすくす…」
という体験ができるのです。
しかも、それを原稿にすることで
お金までもらえるという。
何というお得な仕事でしょうか、ライターって。

ライティング仕事の幅を広げるために

“Webライティング”をウェブで受発注、
調べ書き、納品する仕事と仮定すると、
この仕事は、文字単価は比較的低いですが、
書くことで収益を得やすい仕組みといえます。
一方の取材する仕事は、
文字単価にすると総じて高くなりますが、
求められるスキルの種類が比較的多くなります。

どっちがいいとか悪いとかの話ではありません。
どちらもできるようになれば、
ライティングの仕事の幅が広がるということ。
webライティングと取材仕事を
バランスよく入れることができれば、
安定した収益も期待できます。

part2「取材する」もよろしくどうぞ

だからこそ、
取材が得意なライターになりましょう。
依頼元、閲覧者に
もっと喜ばれる原稿を書くため。
仕事の幅を広げて、
安定した収益を得るため。
仲間を増やして、
自分の営業マンになってもらうために。

そのための、あらゆるコツやノウハウを
カクコツpart2で紹介していきます。
引き続き、お付き合いください。

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