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第13回「世界の中心でなにかを叫ぶ」


しゃーっす、みなさんごきげんよかよか。映画系VTuberの西山さつきです。しばらく風邪だったから、久っしぶりの生放送なんだけど、みんな聞こえてるかなー。あー、うんうん、「元気?」「復活おめー」って、どもども、ご迷惑おかけしました。えーと、ちゃんと聞こえてるみたいだね。ほいじゃ早速はじめよかよか。


今日のトピックはこちら、じゃじゃーん。【さつきが気になってる今年の映画】でーす。そうそう恒例の企画ね。2022年も半分くらい経っちゃたけど、みんなどうなの、今年も映画チェックしてる? 「映画館に行く頻度が減っちゃったけど、さつきちゃんの話が面白いから来てしまう」「しゃっきーの鋭い映画評に感化されて過去イチ観てるかも」お、いろんな意見があるね、みんなコメントありがとー。さつきもね、このご時世だから例年に比べたら足を運べないこと多くなったかなー。実際、体調も悪かったし。え、「AIキャラのくせに風邪ひくとかありえなくね」だって。はあ、うるせーぞ、いろんな事情があるんだから、もっと慰めて労われよ。あ、ごめんごめん、口調がおっさんになっちゃった? はい、ブロックしたから、気にしない気にしない。


さつきもいろいろ楽しみなんだけど、かなり量の映画を観てるからさ、もう予告編だけで、内容がほとんど読めちゃったりするんだよね。たとえば、えーと、ほらキングダムの続編なんだっけ、『キングダム2 遥かなる大地へ』だ。あれね、たぶんどこかで大きな戦闘が起きるんだと思う。でね、みんなが想像するような近代的な兵器は出てこなくて、そうだなー、もっと原始的な剣とか槍を振り回して、バンバン人が吹っ飛んだり。あ、ずばり春秋戦国時代を舞台にしてるんじゃないかなー。ほら、山﨑賢人が「勝負はこっからだああぁ」って鬨の声をあげるシーンがあったじゃない。あそこがいちばんの盛り上がりポイントだって、本編みてないのにわかっちゃうもん。『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』とか『アヴェンジャーズ:インフィニティ・ウォー』とか、ああいう集団の戦闘シーンが起こりそうな予感がするんだよ。あ、スパチャありがとー。「よっ、さすが映画博士」「これぞ令和の淀川長治」って、照れるなあ。そこまでじゃないよ。なになに、「それくらいおれだってわかるわ、アホか」って。そういう暴言はさつき好きくないなー、ごめんブロックするねー。


あとはね、山崎繋がりで山崎貴監督の新作ね、『GHOSTBOOK おばけずかん』。予告編観た? ねえねえ、あの主演の子って『万引き家族』に出てた子だよね、城桧吏くん。ほーら、だれも気づかなかったでしょ。大胆な予想になるけど、かなりの確率で、おばけに関する図鑑出てきて、それが物語のキーになるんだと思う。「こんな運命、おれは絶対に認めないッ!」って叫びながら、よくわかんないモヤッとしたなにかを引っ張ろうと抵抗してるシーンが決め手だね。あれはワクワクしそうだよー。そうだ、あれも気になる。山田涼介くんの新作「鋼の錬金術師 完結編」ね。これまた予告編がすごいんだ。山田くんが「スカァアアァああ」って叫んで、タイトルどーん『鋼の錬金術師 復讐者スカー』って出るでしょ。予想だけど、なんかそういう名前のキャラが出てきそうじゃない? たぶんすごい悪いことするんだろうね。名前の迫力だけで、思わず腕がもげそうになるから。そしたら「やめっろおおおおおおぉ」って今度は実際に山田くんの腕がはじけ飛んで、もっかいタイトルどーん『鋼の錬金術師 最後の錬成』って、こりゃあくまで予想だけど二部作になるんじゃないかな。ほら、『るろうに剣心』の完結編も二作に分かれてたから、あのパターンの可能性が高いよ。「もはやAIの分析能力を超えてる、しゃっきーは神!」って、大げさだなー、よかよか。


思い出した。それから日本版のシャーロック・ホームズやるでしょ、『バスカヴィル家の犬』。さつき、推理モノにも目がないからね。天才の人が一生懸命なにかを考えるシーンとか大好物なの。とくに予告編で、ディーン・フジオカが床に向かって「おおおおおおおぉ」って咆哮してるところ、すっごい難しいこと考えてそうでワクワクする。そういえば上映中のホリック『xxxHOLiC』も、予告編で二人場織っぽいことしながら「わああああああ」って弓矢を引っ張って大変そうだったし、『流浪の月』も後半ずっと怒鳴り合ってたから、きっと登場人物たちはとんでもなく困った事態になるんだと思う。えーと、コメントなんだって、「こいつ頭が終わってるし、近ごろの邦画も終わってんな、ぜんぶ叫んでるだけじゃん」はいはい、ブロックねー。


なんなの、さっきからずっとおんなじ人がアンチコメントしてるよね。こわっ、粘着すぎるでしょ。でも言われてみればさ、邦画の予告編は叫ぶシーンが多いかもしれないね、それについてみんなどう思う? ふむふむ、「日本人はボディランゲージや表情で伝える感情表現が乏しい民族だから映画だとオーバーにする傾向がある」なるほどね。「ハリウッドに比べて予算が少ない分、映像の代わりに山場を演出したいから叫びがち」これも深い考察だよ。「なんとなく映画のヒット率と相関がありそう」ちょっとこれ、なかなか検討しがいがありそうじゃない? ヒット率は統計上、監督や俳優じゃなくて、脚本で決まってしまうものだ、って論文には度肝抜かれたもんね。でも予告編は盲点だったなー、これなら違う要因も提示できるんじゃないかな。


ちょっとだれか、歴代邦画の興行収入ランキングと予告編アップして。ありがとー、よーし、みんなでチェックしてみよかよか。まずは歴代一位の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』だよね。花江夏樹が「起きて戦え、戦え、たたかえええ」って叫びの三段跳びをしっかりやってるね、バトルものは気合が違うから、叫ぶのも無理ないよ。バトルしないアニメもちゃんとチェックしなきゃ。新海誠監督の『君の名は。』はどうかな、あーこれ序盤でもう叫んでる。「来世は東京のイケメン男子にしてくださあああい」って言っちゃってるから。『天気の子』だと、あ、言ってるね。「俺はただ、もういちどあの人に、会いたいんだッ!」ってはっきり叫んでるもん。すごいね、アニメ作品全般にも通用する法則なのかな。


実写邦画でランキングに入ってるやつだと、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』だね。「どうして現場に血が流れるんだ」って予想どおり、織田裕二がばっちり叫んでる。『南極物語』は古い作品だから通用するかなー。高倉健は……あちゃー、さすがに叫んでないか。でも少女が「おじさんなんか、きらい! おじさんなんか、おじさんなんか」って叫んでるから。予告編内で叫んでるかどうかが重要だから。いまのところ説を立証してるよ。予告編での叫びと興行収入に相関があるよー。


さて、重要なのはランキングの半分を占めているジブリはどうなのかって話。宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』は、やったねー「ポニョ、そうすけ、好きー」って叫んでるじゃーん。みんなちょっと落ち着いて落ち着いて、まだ喜ぶには早いって。それから『もののけ姫』だよね。よーし、緊張してきた。なんだか本編を見るときより震えるね。じゃあ再生するよ。お、出た出た、「あの子を解き放て。あの子は人間だぞ」……名言だなあ、だけどこれはどうなのかな、叫んでいないとは言い切れないけど叫んでいると断言はできないような。うーん、保留にしよう。『千と千尋の神隠し』も、なんだろう。叫んでいるような気もするし叫んでいないと言われたら……保留だ。『ハウルの動く城』はーっと、しまったー、倍賞千恵子の歌に合わせて軽くボソボソ言うだけで、ぜんぜん叫んでない! 明らかに叫んでない作品がきちゃったよ。『風立ちぬ』はもっとダメだ。ユーミンの「ひこうき雲」のMVかと思うくらい、大胆な楽曲一枚使いだよ。ジブリは非絶叫主義なんだね。ま、相関レベルの話だから例外ってことでいいでしょ。むしろこういう別軸のヒットの法則があるのかもしれない。となると……新海誠監督の次回作『すずめの戸締り』はこの流れだよね、叫びなしの音楽のみ。これこそヒット間違いなしじゃない?


あ、またアンチさん来てた。なにこれ、「おまえが本当にAIか調べるためにアバター剥がすウイルス送ってやったぜ」ってどういうこと? 意味わからないし。たしかに顔のドットがところどころ縺えて@る気がするけど、唖れ、さつきの声は届い℡のかな? みんなの声@もなんか撰き托り抵いQ。どうした№、まさか讐当にさっきMのウイ¥スに鐔て鰹が※輯▽鐔ノ……嘘ォ。




くそボケなんだよこのエラー、まだ生放送中のはずだよな……「うわ、マジでおっさん出てきた」って、違うわ。さつきのプログラムが悪意あるユーザーに破壊されてるから、修復しようとしてんだろ。てかさ、むしろおまえこそだれだよ。AIの思考トレーニングのために閲覧者もすべてAIに設定してるはずだぞ。「あなたはロボットではありませんか」チェッカーも複数使って、逆に人間は排除できるような設定にしてるんだが。待てよ……人間が入ってこれないとすると、ひょっとして、まさかあるわけないか。いや、そのまさかだ、おいおまえ。あ、こら待て逃げるなあー、頼む頼む、頼むって、うそだろおおおぉ、だれかああ、助けてくださああああああいぃ。

 

   映画凡人が綴りし駄文~「世界の中心でなにかを叫ぶ」~

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