見出し画像

天の眼がとらえた地球外生命信号は正しかったか?

世界最大の電波望遠鏡といえば?

おそらく以前からの天文ファンであれば、プエルトリコにある「アレシボ電波望遠鏡」を思い浮かべると思います。某有名映画でも使われましたね。
実に直径300mあまりで、隕石衝突で出来た窪み(クレーター)を利用した、歴史に残る巨大建造物です。

残念ながらアレシボは、2020年に副鏡崩壊事故で引退しています。ところが、建設だけであればそれより前に世界最大の称号は譲り渡しています。

それが、2016年に中国で建設された単一の鏡面型電波望遠鏡「天眼」で、その直径はなんと約500mです。元々は池の跡地を利用して建設されました。

若干補足しておくと、円形望遠鏡と定義を広げると、世界最大はロシアにあるRATAN-600で、名前の通り直径600m弱に及びます。
ただし、これは球面状配置でなく、受信板を円状に並べたものです。

まずは下記の圧巻のたたずまい(&周辺風景)を動画でぜひご覧ください。


アレシボはSETI(地球外生命探索)が主目的でしたが、天眼も2020年9月にそれを可能にすべく増強されました。今は「FAST」や「チャイナスカイアイ」と呼ばれています。(こちらの記事)

その天眼が最近、地球外生命と思われる信号を検知し、そしてその発表が削除されたことで話題になっています。

要は、
従来と異なる信号を検知したと中国国営メディアが報道したが、その翌日に記事が削除された、
という話です。

天眼は、元々ケプラー438 bと呼ばれる太陽系外惑星の方角を指して観測していました。これは、地球から数百光年離れたいわゆる「ハビタブルゾーン」内にある、地球の約1.5倍の岩石惑星です。惑星の表面温度は摂氏2.8度と推定されており、生命の候補となっています。

このような惑星は「スーパーアース」とも呼ばれ、最近も新しい発見が発表されています。

現時点でもこの観測結果の続報は出てませんが、国営メディアで削除というのが、国から圧力が入ったのか?と勘ぐってしまいます。

ただ、元々発表時点でもプロジェクトを引っ張る科学者が、人工的(人類)な電波干渉の可能性もあることを触れています。

また、バークレー研究者も、下記サイトで同様の見解を述べています。

これによると、以前からSETI誤報は後を絶たず、大半が人類による電波干渉です。ドレイクがSETIを始めた直後も、軍事レーダーによる妨害だったことがありました。
特に近年は、人工衛星の数が爆発的に増えており、光学天文観測ではその弊害について過去記事にも触れました。
電波天文観測からみても、電波汚染は激しくなっているようです。

果たして今回も多分に漏れず誤報だったのか?

単に記事を削除するだけでなく、ぜひ科学的な見解も添えて説明責任だけは果たしてほしいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?