藤岡孝司(弁護士)

福岡の筑豊地域で活動する弁護士(福岡県弁護士会)。地域の医療・福祉に携わる方々と弁護士…

藤岡孝司(弁護士)

福岡の筑豊地域で活動する弁護士(福岡県弁護士会)。地域の医療・福祉に携わる方々と弁護士との連携を図るべく勉強会、研修会、講演会等を積極的に行っています。ヘッダー画像は筑豊の象徴二本煙突/法律相談・お仕事の依頼はこちらへ【HP】http://fukuoka-bengoshi.jp/

最近の記事

新型コロナウイルスに関連した詐欺に注意しましょう。

こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 新型コロナウイルスの蔓延にともない、これに便乗した詐欺が増えています。 今回は、今どんな詐欺が流行っているのか、その背景や詐欺被害にあわないための注意点などについてお話します。 ※ この記事は2020年5月31日時点のものです。 どんな詐欺が発生しているの? 2月から3月にかけてはマスクの品薄状態にかこつけて「マスクを格安で販売します!」などといって偽のサイトに誘導し、クレジットカード番号や銀行口座などを不正に取得する詐欺が横行し

    • 成年年齢が20歳から18歳へ改正。養育費の支払いはいつまでか?

      こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 今回は、成年年齢の変更と養育費のお話です。 成年年齢が20歳から18歳になる。 民法改正によって、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳になります。 【関連記事】民法改正によって成年年齢が18歳になりました。 養育費の支払いへの影響はあるのか? この民法改正によって養育費の支払いにはどのような影響があるのでしょうか。 例えば、離婚時に養育費の支払いに関して「子が成年に達するまで」と合意している場合、今回の民法改正によっ

      • 「SDGs de 地方創生」体験会 in 飯塚に参加しました

        5月12日につなぐカフェ@飯塚で開催された「SDGs de 地方創生」体験会 in 飯塚に参加しました。 自分個人に課せられた目標を達成しつつ、地域の課題も解決し、持続可能な地方創生を目指そうというカードゲーム方式の地方創生体験イベントです。 開催場所はあいタウン2階の「つなぐカフェ」。 私の事務所のフロアの一つ下ですね。 学生が主体となって運営しているスペースで、学生、企業、一般市民の間の情報交換や学びの空間として利用されています。 【当日の様子はこちら】 最初

        • ドライブレコーダーの映像は証拠にならない?-とても役立ってます!

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 今日はドライブレコーダーについてのお話しです。 最近ドライブレコーダーを搭載している車両が増えてきました。 私の事務所では交通事故案件も数多く扱っておりますが、事故の状況をドライブレコーダーの映像で確認することもよくあります。 このドライブレコーダーですが、ネット上には「ドライブレコーダーの映像は証拠にならない」といった記事も散見されますが、そんなことはありません。 交通事故時の示談交渉や裁判の際に、事故状況を示す重要な証拠とし

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          筑豊ブロック地域精神医療研究会(PNC)で講演を行いました。

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 平成30年11月16日、筑豊ブロック地域精神医療研究会(通称PNC)にお招きいただき、講演をさせていただきました。 テーマは「精神障がい者の金銭管理をめぐる諸問題」です。 私は金銭管理について法的観点からお話をさせていただきました。 「自分の財産は自分で管理する」のが原則!法律上は「自分の財産は自分で管理する」ことが原理原則となります(専門用語で「私的自治の原則」といいます。)。 お金の使い方が合理的ではないと思えたとしても、他

          筑豊ブロック地域精神医療研究会(PNC)で講演を行いました。

          日本学生支援機構の件で話題。保証人の「分別の利益」とは?

          【2018.11.8 追記】独立行政法人日本学生支援機構に対し、分別の利益を無視した保証人に対する全額請求の即刻停止と、保証人から取得した支払義務のない金員全額の即時返還を求める緊急声明 こちらの声明は、今回の日本学生支援機構の対応の問題点をほぼ網羅的に指摘しており大変参考になります。途中の法律論はちょっと難しいかもしれませんが、一読の価値ありです。 こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 朝日新聞のこちらの記事が話題となっております。 「奨学金、保証人の義務「半額」な

          日本学生支援機構の件で話題。保証人の「分別の利益」とは?

          この1年間で8回勉強会・講演会等を実施してきたまとめ的記事。

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 昨年の後半から勉強会や講演会等の企画に力を入れておりまして、いろんな方に会うたびに「こんな勉強会考えてるんですけど」とお声掛けさせて頂いております。 おかげさまで、この1年間で合計8回ほどお話しさせていたく機会を頂きました。人を集めてくださった方、勉強会に参加してくださった方、本当にありがとうございます。 さて、勉強会を開催したら事務所のコラムでも紹介しておりましたが、ここらでまとめをしておこうと思います。 ここ1年の勉強会の開催

          この1年間で8回勉強会・講演会等を実施してきたまとめ的記事。

          「法務省管轄支局」と称する団体からの架空請求詐欺が増えているようです。

          こんにちは、筑豊の弁護士の藤岡です。 架空請求詐欺が増えているというニュースに触れました。 訴訟がどうとか、執行官がどうとかというハガキが自宅に届き、記載されている電話番号に連絡したら多額のお金を送るように仕向けられるようです。 今回はこうした架空請求詐欺への対処法をご紹介します。 どんな請求書が届くの?ネット上の情報ですが、「法務省管轄支局」と称する団体から、このようなハガキが届くようです。 「法務省管轄支局」という団体は存在しません「法務省管轄支局」という名前を

          「法務省管轄支局」と称する団体からの架空請求詐欺が増えているようです。

          「黙秘権」について考えよう。

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 今回は、黙秘権についてお話しします。 黙秘権とは?黙秘権ってご存じですか? 黙秘権は読んで字のごとく「黙っている権利」です。 刑事手続きでは被疑者・被告人に対する取調べが行われますが、その際、被疑者・被告人は自分に対して投げかけられる質問に答えず黙っていることが法的に認められています。 また、この質問には答える、この質問には答えないという具合に質問を選り好みして回答することもできます。 黙秘する理由を説明する必要もありません。

          「黙秘権」について考えよう。

          辞書はおもしろい!

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 突然ですが「敵に塩を送る」っていうことわざあるじゃないですか。日常生活で使いどころがあるのかないのかよくわかりませんが、たまに目にするじゃないですか。 【敵に塩を送る】 敵対する相手が困っている時に助けの手をさしのべることのたとえ。敵の窮地を救うこと。戦国時代、今の山梨県と長野県周辺に領地を持つ武田信玄は、塩を輸送している道を閉ざされ、塩の欠乏に苦しんでいた。そこで、海に近い上杉謙信は、敵の信玄を攻める最大のチャンスにあえて戦をせず、

          辞書はおもしろい!

          契約書作成のメリット-たった1枚の書面で得られる大きな安心感!

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 私の事務所では契約書の作成についてもご依頼を受け付けております。 「契約書」というと会社間でやりとりされるような分厚い書類の束をイメージされるかもしれません。 普通に生活していてそういったものをわざわざ作る必要はないのではないかとお考えの方もいらっしゃるのではないかと思います。 たしかに、こういった何十ページにもわたるような契約書を作成しなければならない場面にはなかなか出くわすものではありません。 しかし、会社間で交わされるよう

          契約書作成のメリット-たった1枚の書面で得られる大きな安心感!

          任意後見制度とは?

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 今回は「任意後見」について書いてみようと思います。 任意後見制度とは?これまで後見制度について記事を書きました。 【関連記事】成年後見制度の利用者21万人―まだまだ少ない! 【関連記事】法律用語はおもしろい-「未成年」の「成年」被後見人? 後見制度は大きく分けて法定後見と任意後見に分かれます。 上の関連記事で指摘した制度はいずれも法定後見に関するものです。 法定後見も任意後見も、判断能力の衰えた人をサポートして、安心して生活

          任意後見制度とは?

          「離婚を言い出した方が慰謝料を支払うべきだ!」という誤解

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 今日は、離婚慰謝料のお話です。 私の事務所では離婚についても取り扱っておりまして、離婚に関するご相談も受けることがあります。 その中で、しばしばあるのが 「離婚を言い出した方が慰謝料を支払わなければならないんですよね!?」 というご相談。 結論から言えば、離婚を言い出した方が慰謝料を支払わなければならないというわけではありません。慰謝料を支払うべきか否かは別の基準で判断されます。 法律的には結論は明白なのですが、こうした誤解

          「離婚を言い出した方が慰謝料を支払うべきだ!」という誤解

          男性の働き方が変わらないと、親権=母親有利の現状は変わらない

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 今日は離婚時の親権のお話です。 離婚の際の親権者、母親が圧倒的多数離婚の際未成年の子がいる場合、その親権者を父親か母親かに決めなければなりません。 法律上は、まず夫婦の協議によってどちらが親権者になるかを決めることになっていますが、協議が整わない場合には家庭裁判所での調停・審判、最終的には判決によって決定します(民法819条)。 ご存じの方もいらっしゃると思いますが、現状では母親が親権者に指定されるケースが圧倒的多数です。どれくら

          男性の働き方が変わらないと、親権=母親有利の現状は変わらない

          働き方のルールをしらないとこんなにも危険というお話

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 今日は働き方のルールについてのお話です。 「働く人」の大部分は「労働者」世の中には「働く人」がたくさんいますが、その大部分は会社等に雇われる「労働者」という立場の人です。起業して人を雇う側の人(雇用主)もいますが、「働く人」のうち圧倒的多数は「労働者」です。 働き方のルールを誰も教えてくれない!日本には労働者を保護するための法律が整備されています。しかし、その働き方のルールを学ぶ機会・場所は驚くほど少ないのが現状です。 近年では一

          働き方のルールをしらないとこんなにも危険というお話

          準禁治産制度-「浪費」すると財産管理権を制限されていたというお話。

          こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。 今日は、「準禁治産制度」のお話しです。 自分の財産は、自分で管理するのが原則。みなさん、自分の財産は普通自分で管理しますよね。 何に、いくら、どういうタイミングでお金を使うのかはそのお金を持っている人の自由です。 もちろん法律上例外はありますが、基本的にはお金の使い途は本人が決めます。 他人から見れば全く価値のない物を高額で買っていたとしても、その人のお金であれば他人がとやかく言う問題ではありません。 浪費していようがなんだろ

          準禁治産制度-「浪費」すると財産管理権を制限されていたというお話。